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ブラックトライアングルは、デジタル矯正システムで予測可能に

2015/11/04 01:52:49

日本橋はやし矯正歯科 院長 林 一夫

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・日本矯正歯科学会指導医
・日本顎関節学会専門医
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・デンツプライシロナ公認 SureSmile/Adance/Orhto/Aligner ファカルティ・ドクター/インストラクター・ドクター

ダラスで行われたsuresmile conferenceにて、suresmile lingual applianceのレクチャー

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科です。
お悩みの方は当院の無料カウンセリングも是非ご検討ください。

 

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科・院長の林 一夫です。これまで、デジタル矯正システムの治療の品質についてたびたびご説明していますが、今回は治療の品質のなかでも、

治療後に問題になりやすい「ブラックトライアングル」の予測がデジタル矯正システムで可能になったこと

についてお話いたします。

 

 

ブラックトライアングルとは何か

 

「ブラックトライアングル」。普段あまり耳にしない言葉だと思いますが、矯正歯科治療においては非常に重要な課題です。

 

矯正治療が終了して歯並びが整ったときに、骨の量にあわせて歯茎が下に下がってしまい、これが原因で隙間が出現してしまうことがあります。これがブラックトライアングルでです。

 

せっかく見た目にもきれいになったはずなのに、歯と歯の間に隙間が開いてしまう。できれば避けたいことですが、患者様の状態によってはどうしてもそうなってしまうことがあります。
そういう場合は、事前に患者様に良くお話しし、治療の方針を入念に決めて行くことが望ましいです。
ところが、従来の矯正治療では予測が難しいというのが問題を大きくしていました。

 

 

ブラックトライアングルは予測が難しく、トラブルも起きていた

 

予測できなかったり、また仮にある程度予測できたとしても、最終的な歯並びの見た目に関して患者様との認識のギャップは必ず存在します。それを最小限にとどめるのが理想的ですが、大きくなってしまうと、矯正歯科医師と患者様のお互いの信頼関係が損なわれてしまうこともあります。

 

歯列矯正が終わったら、歯と歯の間に隙間がある…「こんなはずじゃなかった」「これなら前の方が良かった」等で、残念ながらトラブルに発展してしまう場合もあり、本当に悲しい、あってはならないことだと私は思っています。

 

そういったことにならないよう、治療前に歯科医師が把握し、患者様に十分にご説明の上ブラックトライアングルの程度をどうするかなどの方針を決めることは、矯正歯科のひとつの大きな課題でもありました。

 

そして、デジタル矯正システムの技術でより正確に予測できるようになりました。これは患者様にも、そして治療側の私たち歯科医師にも、本当に喜ばしいことです。

 

 

日本人に多い凸凹歯(叢生)の矯正は出現しやすい

 

以下に、凸凹(叢生)を例に説明します。叢生の説明と治療方法についてはこちらをご覧下さい。

代表的な不正咬合

 

日本人は、欧米人と比較して凸凹な歯並び(叢生)が多く、当院にも下顎の前歯が凸凹になっている患者様が数多く来院されます。

この凸凹になった歯の矯正治療後の最終的な歯並びで、見た目の問題として考慮しなければならないことのひとつが、先に説明した「ブラック・トライアングル」です。

 

下顎の前歯が凸凹になっている場合、歯の頚部(歯と歯茎の境目あたりの部分を歯頚部と言います)で前歯同士が重なっていることが多く、この部分の骨(歯槽骨)が十分ありません。そのため、どうしても隙間が開いてしまうことになります。ですので

  1. 治療前に3Dモデルを作成し、ブラックトライアングルの出現を予測する
  2. どのような見た目が望ましいかを検討する
  3. ご要望に併せて3Dモデルを作成し、治療デザインに同意して頂く

デジタル矯正システムでは、このように方針が固まったら治療に入ることになります。次に、その実際例で説明していきます。

 

 

シミュレーションで予測し、対応した実例

 

これは、叢生を持つ患者様の診断用の3Dモデル(ヴァーチャルペイシェント:仮想患者)です。

叢生の矯正前の3Dモデル

デジタル矯正システムでは、3Dスキャナーで口腔内を直接スキャンするので、歯肉部分もきれいにモデル化できているのがわかります。このモデルを基に治療のシミュレーションを行いました。

 

シミュレーションの結果がこちらです。

叢生の矯正後の3Dモデル

デジタル矯正システムにより、下顎の前に比較的大きなブラック・トライアングルが出現することが予想されました。このシミュレーション結果を基に、患者様に十分な説明を行い、同意を得た後、治療を開始しました。

 

実際に行った治療後の写真を見てみましょう。

ブラックトライアングルが出現した矯正後の写真

術後のブラック・トライアングルの程度や形態が、シミュレーションの結果とほぼ同じです。

 

治療前にデジタル矯正システムで三次元的に予測されたブラック・トライアングルが、実際に極めて近い予測であったことが分かると思います。

このような比較的大きなブラック・トライアングルが治療後に出現してしまったとしても、前述したように

 

  1. 術前に正確な3Dモデルを作成し、ブラックトライアングルの出現を予測する
  2. どのような見た目が望ましいかを検討する
  3. ご要望に併せて3Dモデルを作成し、治療デザインに同意して頂く

 

このような前提で治療すれば、患者様からの信頼を失うことはありません。もちろん、この隙間の量を小さくする治療をデザインすることも可能です。

矯正治療は単に歯列を治すだけではありません。矯正後に発生する様々な問題を、患者様の生活全体から大局的に見て進めて行くことが何より重要です。

日本橋はやし矯正歯科は、新しい矯正技術と豊富な経験、知識でみなさまのQOL向上のお手伝いをさせて頂きます。

 

ブラックトライアングルについてのご質問やお問い合わせについてもお受けしておりますので、ご興味のある方はこちらからご遠慮なくご連絡くださいね。

お問い合わせ | 日本橋はやし矯正歯科

 

ダラスで行われたsuresmile conferenceにて、suresmile lingual applianceのレクチャー

2014年3月、ダラスで行われたsuresmile conferenceにて、suresmile lingual applianceのレクチャーを行いました。 私の隣は大学の後輩、渋谷矯正歯科の東海林先生です。

 

院長コラムはこちらからご覧下さい。
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日本橋はやし矯正歯科 院長 林 一夫

資格ドクターの紹介はこちら

・日本矯正歯科学会認定医
・日本矯正歯科学会指導医
・日本顎関節学会専門医
・日本顎関節学会指導医
・デンツプライシロナ公認 SureSmile/Adance/Orhto/Aligner ファカルティ・ドクター/インストラクター・ドクター

経歴

1995年 北海道医療大学歯学部卒業
1999年 北海道医療大学大学院歯学研究科歯学専攻博士課程修了・学位取得
1999年 海道医療大学歯学部矯正歯科学講座 助手
2003年 アメリカ・ミネソタ大学歯学部口腔科学科 客員研究員
2006年 北海道医療大学歯学部矯正歯科学講座 講師
2007年 北海道医療大学歯学部口腔構造・機能発育学系歯科矯正学分野 講師
2007年 北海道矯正歯科学会 理事
2008年 アメリカ・ノースカロライナ大学歯学部矯正科 客員教授
2008年 北海道医療大学歯学部口腔構造・機能発育学系歯科矯正学分野 准教授
2011年 Digital Orthodontics 研究会 副会長
2015年 日本橋はやし矯正歯科 開院
2018年 K Braces矯正歯科原宿駅前 総院長就任
2021年 日本デジタル矯正歯科学会 副会長就任
2002年 11月 日本矯正歯科学会認定医(第2293号)
2007年 8月 日本矯正歯科学会指導医(第608号)
2013年 5月 日本顎関節学会専門医(第343号)
2013年 5月 日本顎関節学会指導医(第208号)

治療内容について