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マウスピース部分矯正のイラスト

格安・激安マウスピース矯正って結局どうなの?

「マウスピース矯正の広告を見るとすごく安いのに、どうして他のクリニックはすごく高いのかな…」

確かに格安のマウスピース矯正は30万ぐらいと広告で見ることがあります。
一方で矯正専門クリニックはたいてい80万円以上で、一見金額の開きがありますね。
それではなぜこんなに金額が違うのでしょうか。
今回はそこを深く掘り下げてご説明してまいります。

 

格安マウスピース矯正はどうして安いの?

 

「30万」等の金額は部分矯正

 

広告には説明がないので多くの方がご存知ないと思いますが、30万等の極端に安い金額設定は、部分矯正です。
(私たちデジタルデンティストリーの部分矯正も40万円とそれほど大きな金額の違いはありません)

マウスピース部分矯正のイラスト

部分矯正は、前歯だけが気になる等のいわゆる「プチ矯正」が対象となります。
このプチ矯正は一部の極めて軽傷な状態のみで可能となります。

 

例えば「前歯のちょっとした凸凹」ぐらいであれば部分矯正でも可能です。

 

ですがこちらのイラストのように、歯のねじれのイラスト

歯が一本大きく捻じれていて、それを治したいなどの場合は、捻じれた歯が正しい位置に戻るためのスペースが必要になり、そうなると部分矯正では対応できません。

 

部分矯正で無理な場合は全体矯正になるわけですが、格安マウスピース矯正でも全体矯正ですとそれなりに金額がかかってしまい、もはや格安とは言えなくなります。

※それでも金額自体は矯正専門クリニックよりは安価ですが、こちらの記事を最後までお読みいただければと思います。

 

マウスピースが自社製造である

 

格安マウスピースはクリニックが製造しているわけではなく、マウスピースを製造している企業があります。

その企業が国内で自社製造されているので、海外からの輸送コストや中間マージン等のコストを削減できます。
※品質に問題があるというものではなく、一定の品質は担保されています。

 

3Dデジタル技術を活用して製造している

 

3Dデジタル技術で効率的な製造が可能になり、結果的にコストを下げることができています。

 

自由診療だからクリニックで価格設定できる

 

保険適用外なのでクリニック自身が価格設定をすることができます。

 

格安マウスピース矯正の問題点

 

と、ここまで聞くと意外といいことばかり…と思いますが、事実はそうではなく、ここからが問題となります。

 

プラン内のマウスピースの枚数が極端に少ない

 

デジタルデンティストリーが導入している「Suresmileアライナー」は平均的な使用枚数が50枚程度に対し、格安なマウスピース矯正ではマウスピースの数がせいぜい5枚程度だったりします。

 

マウスピースは少しずつ歯を動かす矯正方法なので、これだけ枚数が少ないともちろん矯正治療の効果も十分ではありません。

 

結果的に完全に歯が移動する前に治療が終わってしまい、「聞いていたのと違う!」とトラブルになるケースが実際にあります。

 

追加料金が必要になってしまう

 

上記のように十分に歯が移動せず追加のマウスピースが必要になることがあります。
これは追加料金になりますので、もちろん最初に想定していた金額には収まらなくなります。
安く済ませたかったのに結果的に結構かかってしまった…ということも少なくないようなので注意しましょう。

 

矯正専門医不在による知識不足の問題

 

格安マウスピース矯正を行っているのは、矯正専門クリニックではなく、普通の歯医者さんであることが多いです。

歯医者の建物のイラスト

矯正歯科治療は歯科医療の中でも非常に特殊な分野で、当然専門知識と実務経験が不可欠です。
普通の歯医者さんなら「歯を移動させる」ことを意識することは、抜歯をした場合以外はあまりありません。

本来の歯医者さんは虫歯や歯周病の治療がメインです。

 

一方で矯正専門医は、歯の移動はもちろんのこと、それが顎全体に及ぼす影響、顔貌への影響、装置の口腔内への影響、矯正治療による咬み合わせなどさまざまな知識が必要ですし、どのような副作用やリスクがあるかも専門知識がないと分かりません。

 

矯正治療は治療計画がとても大切になりますが、知識と経験がないと治療計画を立てることができません。
(ですのでカウンセリングの際は必ず治療計画について質問することをお勧めします)

ですので矯正治療後に「想像した歯並び、顔貌と違う」「歯並びが治っていない」「咬み合わせが悪くなった」等のトラブルになる事例が後を立たないのです。

 


私たちは、歯列を整えることは咬み合わせや願望の悩みが解消する、素晴らしいことだと信じながら、日々の診療を行なっています。

そういう意味では「歯列矯正を身近にした」格安マウスピース矯正の存在意義を感じています。

 

ですが知識や技術がない状態で安易に矯正治療を行い、結果的に患者さまの負担が増えてしまうことを実際に見ておりますので、こういう状況は改善すべきだと感じております。

 

みなさまも「安い」「簡単」「楽」という言葉にできるだけ釣られず、矯正治療で大切なことをお考えいただき、クリニック選びをして頂きたいと考えています。

 

私たちは矯正専門医が3Dデジタル矯正で精密かつ安全なマウスピース矯正を行っております。

詳しくは以下のバナーよりご覧ください。

難症例も!マウスピース専門サイトのバナー

矯正治療に失敗して悩む女性の画像

矯正治療に失敗した…再矯正ってできるの?

一回矯正治療を受けたが、何らかの理由で途中で辞めてしまったり、矯正治療が終わっても思ったようにならなかった(患者さまの思いとしては「失敗した」となります)ということもあります。

 

 

思ったようにならなかったケースとしては

  • 後戻りが生じてしまった
  • 治療したがそれほど変わらなかった
  • もっと歯並びが綺麗になると思った
  • 顔貌が変わってしまった
  • 目的の歯列は整ったが他の問題が生じてしまった

などが挙げられます。

 

再矯正を望むケースについて

 

再矯正を望まれる主なケースには以下のようなものがあります。

 

後戻りしてしまった

 

矯正治療が終了しても、歯はそこにずっと収まってくれるわけではありません。
装置で力をかけて歯を移動しているので、当然歯は元のところへ戻ろうとします。
これを防ぐために「リテーナー」という保定装置を当分装着していただきます。

 

リテーナーのイラスト

このようなもので、さまざまな種類があり、矯正歯科医がそれぞれの状態に最適なものを選び使用していただきます。

 

ですがリテーナーの使用をしっかりと患者さまにクリニック側がお伝えしなかったり、患者さまご自身がリテーナーの使用をサボってしまったりすることがあります。

そうすると、思いの外早く歯は元の位置へ戻るためズレていってしまいます。

 

舌や唇の癖がある

 

舌や唇の動きの癖も歯並びを悪くする原因となり、そもそも元の歯並びの悪さもこれに一因がある場合があります。
これらを口腔習癖(こうくうしゅうへき)と呼び、お子様の場合は指しゃぶりなどもその代表です。

 

舌を噛む癖のある子どものイラスト

舌を噛む癖があると開咬(オープンバイト)のリスクが高くなります。
特にお子さまは要注意です。

 

大人の方の口腔習癖で歯並びに影響を及ぼす可能性があるものとして、以下のような例があります。

  • 下で前歯を押す癖(舌突出癖/ぜつとっしゅつへき)
  • 前歯で唇を噛む癖(咬唇癖/こうしんへき)
  • 爪を噛む癖(咬爪癖/こうそうへき)
  • 口呼吸をする癖
  • 歯ぎしり

こういう癖について、矯正治療中に矯正歯科医が指導等をしてくれれば良いのですが、歯科医が気づかなかった、または気づいても指導をしていなかった場合は、そもそも「癖を意識していない」ことが多いのでどうしても歯並びに影響が出てしまいます。

 

思ったようにならなかった(治療への不満)

 

矯正治療後に「思ったようにならなかった」というのは意外と多いようです。
仕上がりが満足いかなかったり、治したいところが完全に治っていなかったり、歯並びに他の問題が生じてしまったりなどその理由はさまざまです。

 

治療の不満の原因は主に二つあります。以下のいずれかが当てはまることがほとんどです。

 

歯科医の矯正技術・知識不足

 

いわゆる「歯医者さん」が片手間に矯正治療を行なっている場合があります。

※最近よく聞く「格安マウスピース矯正」も普通の歯医者さんが行なっている場合が多いです

 

マウスピースのイラスト

 

矯正治療はこれまで当サイトのコラムで幾度もお話しているように「見えている歯の部分」だけでなく「歯の根っこ」が動き、顎の骨やその周囲の組織が大きく影響を受けるものです。

そして歯の動きもとても複雑でシミュレーションが不可欠なのですが、そういう知識や技術がなく安易に治療を行なって、大きな失敗例になってしまうケースがあります。

 

矯正歯科医と患者さまのコミュニケーション不足

 

インフォームドコンセントのイラスト

しっかりした矯正歯科で行った治療で納得がいかなかったという場合は、そのほとんどの原因が「コミュニケーション不足」です。

 

きちんとシミュレーションをして治療計画を立てられるクリニックに通い、治療結果に満足がいかなかった場合の多くが、患者さまと歯科医の間のコミュニケーションが不足しています。

 

矯正専門医で治療した場合は治療自体の大きな失敗というのはあまりないのですが、治療目標を患者さまにしっかりと説明して理解いただく必要があります。(これをインフォームドコンセントといいます)

ですがこれが欠けていたり、リスクや副作用の情報を伝えていないと患者さまのご不満に繋がってしまいます。

 

患者さまのご質問等に安易に良いことばかりを言ってしまうと患者さまの期待ばかりが高まってしまい、かえってトラブルを生じる原因になりますので、デメリットやリスク等についてもしっかり話をしてくれる方が望ましいのです。

 

クリニック選びは「良いことばかりを言う矯正歯科医」ではなく「リスク等もしっかり言ってくれる矯正歯科医」を選んでいただきたいと思います。

 

再矯正ってしてもいいの?

 

再矯正は最初の矯正に比べて歯根吸収などのリスクがどうしても高くなりますが、以下に説明するケースを除けば可能です。

当院ではご希望のすべてを叶えることは難しくても、できるだけ患者さまの思いに近づけるようにコミュニケーションを取りながら行います。

 

再矯正ができない場合

 

以下の場合は再矯正は原則としてできません。

  • 抜歯で前歯を後退させているのにもかかわらず、元の位置まで歯を戻してほしいという場合
  • 抜歯で可能な限り前歯を後退させているのにもかかわらず、さらに前歯を後退させてほしいという場合
  • 非抜歯治療ご希望なのにもかかわらず、口元を積極的に後退させて欲しいという場合

 

どこで再矯正をするか

 

このようにさまざまな理由で仕上がりに満足がいかず、再矯正をしたいという方からのご相談はしばしばあります。

保定期間中に後戻りが生じてしまった場合などは矯正歯科専門医が在籍しているのであればは元のクリニックで良いと思います。

 

ですが、以下のようなケースであれば他のクリニックに変えたほうが良いかもしれません。

  • 主な症状が治らなかった
  • 噛み合わせ等が悪くなった
  • ドクターと相性が悪い・信頼できていない
  • 最初に聞いていた治療結果と違っていた

 

再矯正をする際のクリニック選び

 

矯正治療をすると歯や歯の根っこの位置が変わるので、そこからまた動かすとなると歯根吸収などのリスクがさらに高くなります。

3Dデジタル矯正を導入し、顎の骨や歯の根っこまでもモデル化してシミュレーションができるクリニックであれば前もってリスクを把握しできるだけ回避できますのでおすすめです。

日本橋はやし矯正歯科は日本でもまだ少ない3Dデジタル矯正をすべての矯正治療に導入し、安全性の高い矯正治療を行なっております。
お気軽にカウンセリングにお越しください。

頬がこけた女性

「矯正治療をしたのに審美的に問題が生じた…」理由と対策を知ろう

歯科矯正は歯並びのお悩みを解決し、お口の中の健康の維持はもちろんお顔立ちをより良くするためにみなさん行われます。
見た目のコンプレックスが解消された!と以前より笑顔が増えたという患者さまがとても多いです。

 

ですが、矯正治療後に「前より悪くなった」「前は問題なかったところが悪くなってしまった」と感じられるケースもあります。
矯正治療をしたのになぜ、どのように悪くなってしまうのでしょうか。そしてそうならないためにはどのようにすれば良いのでしょうか。

今回の記事では矯正治療で「ブサイクにならない」「極力失敗を避ける」ための内容をおまとめいたしました。

 

矯正治療で悪化または発生してしまう症状

 

 

矯正治療で悪化してしまった、または発生してしまった!という症状は以下のものが多いです。

その主な理由とともにご説明します。

  • 出っ歯
  • 歯が長くなる
  • ブラックトライアングル
  • 鼻の下(人中)が長くなる
  • 頬がこけて老けて見える
  • 顔が左右非対称になってしまった

 

出っ歯

出っ歯のイラスト

元々出っ歯ではなかった方が治療後に出っ歯になってしまうことがあります。
この場合の原因の多くが「非抜歯の治療」にみられます。

 

矯正治療でよく抜歯をするのは、日本人の歯の凸凹の多くが「お口が小さく歯が正常に並ぶスペースが足りない」からです。
つまり抜歯をして歯が正常に並ぶスペースを作ってあげれば良いということです。

 

ですが「健康な歯を抜歯したくない」という患者さまはやはり多いです。
気持ちはとてもよくわかるのですが、非抜歯での矯正治療の場合は見た目を整えるのに限界があることが多いのもまた事実です。

 

非抜歯で十分に歯が並ぶスペースがないと、奥歯を軸として前の方に歯が押されていってしまうため、結果的に前歯が出てしまうことがあるので「もともと出っ歯じゃなかったのに前歯が出てしまった」というケースが発生することもあります。

非抜歯での治療が不可能という意味ではなく、非抜歯の場合のシミュレーションを十分に行う、治療のリスクや副作用等をしっかりと説明してくれるクリニック選びをすることが大切です。

 

歯が長くなる

 

矯正治療で歯茎の歯肉が下がってしまい、歯が長く見えてしまうことがあります。これを「歯肉退縮」と言います。
実はこの「歯肉退縮」は歯科矯正に比較的みられるリスクのひとつです。

 

慎重に治療を行えば大きく歯肉退縮が起きることはそれほどありませんが、歯を移動させる力が大きくなりすぎるとこのリスクが増大します。

 

また、歯並びを広げる(上下の顎のアーチを広げること)際に、大きく拡大しすぎると歯の根っこが骨から飛び出してしまうことがあり、これも歯肉退縮の原因のひとつとなっています。
いずれも綿密なシミュレーションを行えば極力避けられるものです。

 

ブラックトライアングル

 

ブラックトライアングルのイラスト

 

歯の根元(ねもと)にできてしまう隙間を「ブラックトライアングル」といい、これも歯肉退縮により発生してしまうことがあります。
このように、治療の際に歯にかける力や矯正治療のスピード等もリスクに大きく関わってきますので、経験豊富な信頼できる歯科医を選びたいものです。

 

ブラックトライアングルを極力回避するための記事です。ぜひご覧ください。

ブラックトライアングルは、デジタル矯正システムで予測可能に

 

鼻の下(人中)が長くなる

 

人中の長さは人それぞれですよね。

 

人中が長くなるイラスト

 

この「人中」が矯正治療後に長くなったように見えることがあります。

その多くが「出っ歯」の治療によるものです。

 

出っ歯の方は前から見ると少しだけ人中が短く見えるので、歯の出っ張りがなくなり垂直に近い状態になると、どうしてもそこの部分が長く見えてしまいます。
ですので「治療の失敗」ということではありません。

 

またご本人は「鼻の下が伸びた!」と感じられるかもしれませんが、私たちがこれまで診てきた多くの場合は、ご本人ほど周囲は気にならない(出っ歯が改善したことは良く見えるが人中が伸びたとは気づかない)ので気にされない方が良いでしょう。

 

頬がこけて老けて見える

 

頬がこけた女性

矯正治療中は咬み合わせの改善のため装置を装着しますが、装置の違和感や抜歯などによる一時的な咬み合わせの悪化により、頬の筋肉が衰えることがあります。
また、歯磨きが面倒で間食をしなくなるなどで、単純に痩せたことによる影響もあります。

 

矯正治療中は表情筋のトレーニングなどを行いましょう。
表情筋のトレーニングは動画などでも上がっていますし、矯正専門医であれば治療中に質問すれば教えてくれるはずです。

 

顔が左右非対称になってしまった

 

これには様々な要因があります。

 

矯正治療中は食べにくくなることがあるので、どうしても食べやすい方で食べてしまった結果、そちらばかり咬筋が発達してしまう場合があります。
これは矯正治療が終わればほとんどの場合元に戻るので問題ありません。

 

それから最近増えているのが、簡易的な部分矯正やマウスピース矯正による問題です。
矯正治療はそのほとんどのケースがしっかり経過を診察しながら全体を整えていく必要にも関わらず、「とりあえず見えるところだけ安価で」という理由で簡易的な矯正治療を選択してしまうと、全体が整わないばかりか、装置をつけていない方に無理な力が入ってしまい、思わぬ変化があったりすることも多いです。

 

「安いから」「早いと謳われているから」と安易に考えず、「お口の全体」をしっかり考え、クリニックを選ぶ必要があります。

 

どうすればブサイクになるのを避けられる?

 

しっかりしたカウンセリングを受けよう

 

「治療後はこんなお顔になる!」と想像していたのとは思いもよらない結果になってしまったらとても悲しいと思います。
そうならないようにカウンセリングを十分に行うクリニックを選ぶことがとても大切です。

 

日本橋はやし矯正歯科では、カウンセリングの時点で3Dデジタル矯正による3Dモデルを作成し、時間が許す限りで矯正治療計画をお話させていただいております。

 

しっかりしたカウンセリングをするクリニックで治療しよう

 

しっかりしたカウンセリングをした後は、それに基づく治療計画を立てられるクリニック選びが必要です。
それにはカウンセリングの方法とクリニックの治療のレベルや治療方針がある程度揃っていることが重要となります。
そのためには、できるだけカウンセリングを受けたクリニックで治療をすることが望ましいです。

 

矯正治療クリニック選びの重要さ

 

カウンセリング、そして治療するクリニック選びの重要な点をいくつか挙げます。

 

矯正専門医がいるかどうか

 

歯科矯正自体は歯科医師であれば誰でも行うことができます。
つまり「歯科矯正の知識や経験が不足していても治療できてしまう」ということです。
安易に「安いから」「家から近いから」とクリニックを選んでしまうと歯科医師の知識や技術が不足していて思ったような結果にならなかった、ということにもなりかねませんから、矯正専門医がいるクリニックを選びましょう。

 

どのような治療設備があるか

 

現在は矯正治療もとても進化していますが、新しい矯正機器を導入しているクリニックはまだわずかです。
大半の矯正治療クリニックはまだアナログの方法をとっており、ドクター自身がワイヤーを曲げたりしています。

 

でもアナログな方法ですとどうしても品質のばらつきや誤差等が生じますので、できるだけ歯科用CTや3Dデジタル矯正の機器等を導入しているクリニックが望ましいです。

 

ご自宅から遠いという理由で敬遠される方もいらっしゃると思いますが、矯正治療クリニックは月に1回程度の通院頻度なので、少し遠くてもできるだけ結果に満足できるところを選ぶ方が間違いありません。

 

 

今回の記事を参考に、改めてクリニック選びを考えてみていただければと思います。

矯正治療で歯が動きやすい人と動きにくい人の違い

一般に、矯正治療で歯が動くスピードは1ヶ月に0.5ミリ〜1ミリと言われています。

これ自体倍の開きがある上に、実はこれはあくまで目安で、もっと早い方がいらっしゃればもっと遅い方もいらっしゃいます。

どのような理由で歯の動きが変わってくるのでしょうか。
今回は歯の動くスピードの個人差について説明いたします。

 

 

矯正治療で歯がどうやって動くのか

 

矯正治療で歯を動かすためには「骨の破壊と再生」を繰り返す、「歯槽骨のリモデリング」というプロセスを経ています。

矯正治療の際に、矯正器具が歯に圧力をかけると、歯の圧力を受けた側の「歯根膜」の血流が途絶えて歯槽骨(歯を支えている骨)が破骨細胞(骨を溶かして吸収する細胞)に吸収されます。
一見びっくりしますが、これは骨の新陳代謝になくてはならない現象です。

 

一方、圧力を受けたのと反対側では、歯根膜が引っ張られ血流が増加し、骨芽細胞(骨を育成・生成する細胞)が働き新たに骨が生成されます。

この現象を利用して歯を少しずつ動かしていくのが矯正治療のプロセスです。

 

 

定期的な通院が必要な理由

 

このプロセスは通院し、治療で厳密に管理をしなければなりません。

 

3Dデジタル矯正は治療開始の時点で、シミュレーションでバーチャルペイシェント(仮想患者)を作成して把握して治療を開始しますので、この時点でできるだけリスクや副作用を回避しています。

 

ですが人間は生き物ですし、すべてが予定通りに行くとは限らないわけですから、定期的に通院をして、問題なく歯が動いているかの確認と調整が必要となります。

 

※矯正治療はその治療法にかかわらず、必ず「通院を必要とするクリニック」を選びましょう。

 

 

歯が動きやすい人と動きにくい人

 

それではどのような人が歯が動きやすい、また動きにくいのかを簡単に以下におまとめいたしました。

 

年齢が若い

 

前述した「骨の破壊と創造のプロセス」をご覧いただいてお分かりのように、こういった現象はもちろん年齢が若い方が活発になります。

 

歯周組織の健康度合い

 

歯肉炎や歯周病の場合、予想できない歯の動きが生じる場合があり、矯正治療が難しくなります。
まず、歯周病がある場合はそちらの改善を行い、矯正治療に移行します。
歯肉炎の場合は複数回の徹底的なクリーニングを行ってから矯正治療に進みます。

 

歯並びの状態

 

歯並びが悪くてもそれが軽度である場合、重度である場合に比べて歯が動きやすいことが多いです。
これは矯正器具の力が均等にかかるためです。
重度である場合は歯の大きなねじれや大きな移動といったところから矯正していく場合が多いので、それ以外のところが移動するまでに時間がかかります。

 

舌癖の有無

 

舌癖(ぜつへき)とは、本来舌が収まるところからずれていたり、不要な動きをしたりすることです。
例えば舌で常に前歯を押すように収めているとどうしても前歯が突き出てしまいます。
特に矯正治療中に舌癖を気をつけないと、予定通りに治療が進まないことがありますので注意が必要です。

 

ご本人が舌癖を自覚できている場合は、気づいたら止めることを根気よく繰り返してもらったり、もちろんトレーニングを行ったりします。

 

歯と歯の間のスペースの有無

 

当たり前と言えば当たり前ですが、歯が動くためのスペースがあると歯は動きやすいです。
矯正治療で抜歯をすることがあるのはそのためです。
健康な歯を抜きたくないので非抜歯で行う場合は、抜歯するよりも多くの場合で治療期間が長期化します。

 

喫煙の有無

 

意外なようですが、喫煙は歯の動きを遅くする可能性があります。
タバコに含まれるニコチン等は血管を収縮させ、血流を減少させます。
もちろん口腔内の血流も減少しますので、歯根膜や歯槽骨の再生を妨げてしまいます。

 

少しでも早く治療を終えたいとお考えの方で喫煙される方は、治療中はなるべくおたばこの本数を減らしたり、禁煙していただいた方が良いでしょう。

 

 

精密検査を受ければ歯の動きやすさがわかります

 

当院はすべて「無料カウンセリング」に含まれます!

 

歯の動きやすさを知るには口腔内の詳しい情報が必要となります。

 

そのためにはこれまでに受けた歯科治療や、歯はもちろん歯茎などの歯周組織も含めたお口の中の状態の把握をします。これはどの矯正クリニックでもたいていカウンセリングで可能です。

 

そしてさらに詳しく知るにはお口の中の写真、お顔の写真、歯科用CT(CBCT)などでの撮影を経て、歯並びはもちろん歯の根っこ、骨などまで把握することが必要となります。

 

これはほとんどの矯正クリニックでは有料の精密検査となりますが、日本橋はやし矯正歯科では無料カウンセリングに含まれていますので、無料カウンセリングで歯の動きやすさについてご質問をいただけましたら説明させていただきます。

 

治療期間は少しでも短くしたいもの、ぜひ無料カウンセリングにお越しください。

いびきが悩み…矯正治療で改善できる場合があります

夜にいびきをかいてうるさいと言われてしまった。
夜に自分のいびきで起きてしまう。

いびきでお悩みの方は男女問わずいらっしゃいます。

いびきの原因は色々ありますが、その中のひとつに「歯並びなどお口周りの状態」が原因であることもあります。

「顎が小さい」いわゆる顎なしと言われる症状から来るいびきは、外科的矯正、またはサージェリーファーストで改善が期待できますし、歯並びを治すだけで改善が期待できるものもあります。

今回はいびきと矯正治療についてご説明してまいります。

 

 

いびきをかきやすい人

 

いびきをかきやすい方は以下のような症状がある場合があります。

 

顎が小さい

 

俗に「顎なし」と言われる方がこちらに該当します。

こちらの写真が「下顎後退」(顎なし)の患者さまの横顔のお写真です。

下顎が下がっている(後退している)のがよくわかります。

 

顎が小さい方は舌が気道に落ちやすいので気道が狭くなり、いびきの原因になることがあります。

また「口呼吸が原因の下顎後退型の顎変形症」である場合もあります。

 

歯並びが悪い

 

特に下顎の歯並びが悪く舌、の置き場がないので舌が気道に落ちやすく、そのせいで気道が狭くなると、またいびきの原因になることがあります。

 

詳しくは後述しますが、このような下顎の乱れにいびきの症状が見られます。

 

 

ここまで、

  • 顎が小さい
  • 歯並びが悪い

ことがいびきの可能性となると説明いたしましたが、そのいびきが「睡眠時無呼吸症候群」という疾病のサインであることもあります。

 

いびきと睡眠時無呼吸症候群の関係

ここでは「いびきと睡眠時無呼吸症候群の関係」そしてそれを治療するための「サージェリーファースト」という歯科矯正法についてご説明します。

 

いびきのメカニズム

 

いびきは、睡眠中になんらかの理由で気道が狭くなり、そのため息を吸ったときにその狭くなった部分が振動し、周辺組織(喉、鼻)が振動して発生した時の音を指します。
ですので前述したお口の中の問題以外にも

  • 風邪をひいていて鼻が詰まっている、扁桃腺が腫れている
  • 肥満で首周りの脂肪が多いので気道を圧迫している
  • 喫煙で気道の粘膜が炎症を起こしている
  • 飲酒で喉や鼻の筋肉が緩み気道が狭くなる

    といった様々な原因でいびきが発生します。

 

常にいびきをかく人の多くが「睡眠時無呼吸症候群」

 

このようにいびきの原因はいろいろですが、特に「風邪」等の一時的な原因以外で常に気道が狭くなっている場合は「睡眠時無呼吸症候群」という病気である可能性が高いです。

極端に気道が狭くなってしまうと、一時的に気道が完全に塞がってしまい、呼吸が止まってしまいます。
これが睡眠時に幾度も繰り返されるのが睡眠時無呼吸症候群です。

睡眠時無呼吸症候群の診断は睡眠中に10秒以上呼吸が停止する状態が

  • 一時間あたりの無呼吸の回数が5回以上
  • 7時間の睡眠中での無呼吸の回数が30回以上

いずれかが確認されると診断されます。

ひどくなると40秒近くも止まってしまうこともあります。

 

睡眠時無呼吸症候群の症状について

 

主に睡眠中の酸素不足により、一般的には以下のような症状があります。

  • 息苦しさで幾度も目が覚める(睡眠障害)
  • 起きた時にだるさがある
  • 十分な睡眠を確保できないので日中に眠くなる

 

また、睡眠時無呼吸症候群が以下のような重篤な疾病を引き起こすことがあります。

  • 高血圧
  • 脳卒中
  • 心筋梗塞

ですので、いびきが気になる方はできるだけ病院で検査を受けることをお勧めします。

 

 

歯科矯正(外科的矯正治療)で改善できるいびきについて

外科的矯正、サージェリーファーストで改善を期待できる症状

以下の症状の方は歯科矯正(外科的矯正治療)でいびきの改善を期待できます。

 

  • 下顎が小さい「顎なし」など顎の形に起因する場合
  • 顎の形に問題がある方(顎変形症)

中でも下顎が小さい、いわゆる「顎なし」の方は前述したように睡眠中に舌が落ちやすいため、気道を確保することが難しくなり、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因になりやすいです。

これは「顎変形症」と呼ばれ、上顎または下顎の形状や大きさに異常があり、そのため顔貌(お顔)のバランスが悪かったり歯の咬み合わせが悪かったりなどが生じるものです。

この症状を根本的に改善するには外科手術を伴う「外科的矯正」または「サージェリーファースト」で改善できる可能性があります。

顎変形症及び「外科的矯正」「サージェリーファースト」について詳しくは以下の記事をご覧ください。

https://kyousei.clinic/column/jaw_deformity/

 

矯正治療で改善が期待できる症状

 

いびきの原因が「歯並びが悪く舌の置き場がない」など歯並びに起因する場合は矯正治療での改善が期待できます。

「歯並びがいびきの原因?」と意外に思われる方もいらっしゃいますが、実は歯並びは様々なお口の問題に繋がっており、いびきはそのひとつです。

 

こちらの下顎の写真をご覧ください。

下顎の前歯が口の内側に傾いてしまっています。これでは舌を置く位置を確保できません。

 

こちらはどのように見えますか?

左の第二大臼歯が特に大きく内側にずれています。

この状態も、舌がうまく収まららないので同様に舌の置き場所がありません。

 

こういった歯並びを整えるだけで、いびきの改善につながることが少なくありません。

歯並びといびきの両方が気になっている方はぜひカウンセリングでお話しください。

お待ちしております。