Category Archives: コラム

歯の凸凹、出っ歯、過蓋咬合の治療例

みなさんこんにちは、日本橋はやし矯正歯科院長の林 一夫です。

今回のコラムでは裏側矯正で治療を行った症例の報告をさせていただきます。

※こちらの記事は今回の患者さまの事例です。実際の治療は個人差がありますのであくまで参考とお考えください。

 

歯の凸凹、出っ歯、咬み合わせの深さを改善したい

 

今回ご報告させていただくのは、26歳の女性の患者さまです。

歯並びが凸凹していること(叢生)、出っ歯および咬み合わせが深い(過蓋咬合/ディープバイト)ことを主訴に来院されました。

 

 

治療前:顔面写真の評価

 

正貌の評価/お顔の左右は対象でした

 

まずは顔面写真を見ていきます。正面からの写真です。正貌と言います。

 

 

この正面からの写真で確認することは左右の対称性です。この患者さまは左右対称の正貌であり、顔面非対称の症状は認められませんでした。

 

側貌の評価/上顎が少し出ている「コンベックスタイプ」でした

 

次に横顔の写真です。側貌と言います。

横顔の写真では顔のタイプの分類分けを行います。上顎が出ているのか、それとも下顎が出ているのかを評価します。

この患者さまは上顎が少し出ているタイプの横顔で、コンベックス・タイプと言います。

 

唇の位置の評価

 

また次に重要なのが唇の位置の評価です。

 

一般的にはE-line(Eライン、イーライン)を基準に評価を行います。この患者さまの場合は上下の口唇はほぼ平均的な位置でした。

 

 

【Eラインを手に入れる!】歯科矯正で横顔美人になれるケースを3つ紹介

 

 

治療前:口腔内写真での評価

 

次にお口の中の写真を見ていきます。口腔内写真と言います。

 

正面の評価/咬み合わせの深さが認められました

 

まず正面です。

 

 

上あごの一番前の歯(中切歯と言います)が左右で角度に大きな差があり、右側が大きく前に傾いています。

また患者さまの主訴にあるように左側の中切歯はかみ合わせが深くなっています。

 

上下顎の評価/狭窄歯列弓が認められました

 

次に上下顎の口腔内写真です。

 

上顎
下顎

 

ものを咬む方向から写しているので、咬合面観といいます。

 

狭窄歯列弓とは/治療について

 

アーチ状の歯の並びを歯列弓(しれつきゅう)と呼びます。

上の写真を見ていただくとお分かりになると思うのですが、上下の歯列弓のアーチがアーチの中央あたりで狭くなっています。

このような歯列弓の不正な状態を狭窄歯列弓(この患者様の場合は鞍状歯列弓ともいわれる状態です)と言います。

 

歯列弓の側方拡大という歯の動かし方があるのですが、狭窄している狭い歯列弓を横に広げ、大きなアーチにすることで凸凹が並びやすくなります。

この歯列空の側方拡大とIPR(Inter Proximal Reduction/ディスキング)を併用することで非抜歯での治療が可能と考えました。

 

IPRの説明は以下のコラムをご覧ください。

矯正体験レポート【スタッフA】(3)IPRの説明と感想

 

ただ、“親知らず”は水平埋伏という病的な状態でしたので治療前にすべて抜去することになりました。

 

矯正治療の抜歯についての考え方と今回の治療について

 

患者さまの症状を改善するために、診断後、最適な治療計画を考えていきますが、大変重要なことのひとつに、抜歯をするのかどうかの決定があります。

 

抜歯をするかどうかは、患者さまのご希望をお聞きし、口腔内の状態を鑑みつつ、3Dデジタル矯正のの治療後の3Dシミュレーションを患者さまと確認しながら決めていきます。

 

この患者さまの場合、凸凹の程度や口元の突出感を考慮しても抜歯をせずに治療が可能と考えましたので非抜歯での治療となりました。

 

※非抜歯の場合は前歯が唇側に出てしまうことがあり、今回はそのようなリスクを適切に抑えることができました。

 

 

歯の凸凹、深い咬み合わせ、出っ歯が改善しました

 

治療は上下顎裏側矯正で行いました。治療結果の写真を示します。

 

患者さまの主訴であった歯の凸凹、深い咬み合わせ、出っ歯がきれいに改善されていることがお分かりいただけると思います。

 

上顎
下顎

 

上下顎の歯列弓の形状も側方拡大が適切に行われ、アーチがしっかり拡大されています。

 

ちなみに、この患者さま程度の凸凹でも抜歯治療を行う場合ももちろんあります。

口元を引っ込めたいとか前歯の傾きを治したいとか、患者さまのご要望は十人十色です。

 

今回は患者さま自身も非抜歯をご希望されていたこともあり、このような治療法となりました。

 

 

裏側矯正で、最終的な治療期間は1年10カ月でした

 

以下に今回の治療例をまとめます。

  • 診断:上下顎狭窄歯列弓を伴うskeletal Class II傾向/Angle I 級叢生症例
  • 治療法:非抜歯、上下顎裏側矯正
  • 治療期間:1年10カ月
  • 治療費:140万円(通院回数24回)すべて税込み
  • リスク:IPRによる知覚過敏、前歯部のブラックトライアングル、歯根吸収
  • 副作用:治療中の発音への影響、治療後の凸凹の後戻り

※治療費は2024年3月現在の金額です


日本橋はやし矯正歯科は最新の3Dデジタル矯正で裏側矯正治療を行っております。

患者さまにとって最適な治療計画を立案し、効率のよい治療を提供しています。

ぜひ一度カウンセリングにお越しいただければと思います。

裏側矯正に使うリテーナーとは?

裏側矯正に使うリテーナーとは? 基礎知識や注意点を学ぼう

歯並びにコンプレックスを抱えていて、矯正治療に関心を持っている人は少なくありません。

特に歯列の裏側を固定する裏側矯正は、見た目を気にせず治療ができる点で人気があります。

 

一般的に歯の矯正は、器具による歯列矯正の期間とリテーナーによる保定の期間に分かれます。

裏側矯正をした場合も保定期間があるため、リテーナーを付ける必要があるのですが、その際も他の人に気付かれずに治療を続けることが可能なのでしょうか。

 

本記事では、歯の矯正においてリテーナーが必要とされる理由やリテーナーの種類、使用するメリット・デメリット、使用の際の注意点を分かりやすく解説します。

裏側矯正を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

裏側矯正に使用するリテーナーとは?

 

リテーナーは、歯科矯正後の歯並びを固定するために装着される器具です。

一見すると、歯列矯正治療中に歯並びを動かすために使用するマウスピースのようにも見えますが、素材や使用目的が大きく異なります。

 

リテーナーは固定式のものと、取り外しが可能な着脱式のものの2種類に大別されます。

矯正器具のように一定期間装着する必要があるため、要望やライフスタイルに合わせて種類を選びましょう。

 

裏側矯正が終わった後のリテーナー

 

裏側矯正が終わった後のリテーナー

裏側矯正治療が終わった後に使用されるリテーナーについて、必要とされる理由や所要期間の2つのポイントから解説していきます。

 

保定が必要な理由

 

そもそも、裏側矯正治療が終わった後もリテーナーが必要なのはなぜでしょうか。

歯列矯正治療が終了して歯並びがきれいに整ったら、あとは特に何もしないで良いと思いがちです。

 

しかし実際には、歯並びが整っても歯の骨が完全に固まった訳ではありません。

矯正後の歯の骨は不安定で、元の位置に戻ろうとする後戻りを起こす傾向があります。

 

そのためせっかくきれいになった歯並びが、後戻りが起こって乱れることがないようリテーナーで歯並びを固定します。これが「保定」と呼ばれる処置です。

歯の骨が固定して後戻りが収まるまでは、リテーナーを装着して保定を続ける必要があります。

 

保定にかかる期間

 

リテーナーを使った歯列の保定には、どの程度の時間がかかるものなのでしょうか。

保定は状況にもよりますが、だいたい最低でも2~3年ほどの期間を要します。

 

保定が始まってからの数カ月は月に1回、その後は数カ月から半年に1回くらいの頻度で、定期的に通院してリテーナーのメンテナンスを行うため、継続して通院する必要があります。

最近の研究結果から鑑みますと、保定の期間は可能な限り長く続ける方か後戻りに対する予防効果が高いと考えます。

 

歯列矯正の治療期間に加え、保定にもそれなりの時間がかかることを考えると、クリニックは長期間通いやすい場所や環境にあるところを選ぶのも重要なポイントです。

 

リテーナーの種類

 

リテーナーの種類はさまざまです。

しかしながら裏側矯正後に用いる場合は見えないタイプの物を用いることが一般的で、3種類ほどの保定装置から選択することになります。

 

マウスピースタイプ(クリアリテーナー)

 

マウスピースタイプ(クリアリテーナー)

 

マウスピースタイプのクリアリテーナーは、透明な素材でできたマウスピースを歯全体に装着して歯列を保定するリテーナーです。

見た目には装着していることに気付かれにくいメリットがあります。

 

上下の歯が触れる部分はカバーしていない構造であるため、噛み合わせを安定させるための調整ができません。

薄い素材でてきているため、過度に力を入れると破損するおそれがあります。

 

フィックスタイプリテーナー

 

Fixedリテーナー

 

フィックスタイプは、歯の裏側に直接ワイヤーを装着して保定するリテーナーです。

装置は歯の裏側にあるため見た目には目立たず、細いワイヤーは装着感にも優れており、長時間でもさほどストレスなく装着し続けられるのがメリットです。

ユーザー側での着脱はできず、歯磨きのブラッシングもしにくいため、歯科医による定期的なメンテナンスが必要です。

 

リンガルリテーナー

 

犬歯間リテーナー

 

リンガルリテーナーは犬歯間リテーナーとも言い、2つの犬歯の間に並ぶ前歯を整えるためのリテーナーです。

歯の裏側に装着して保定をするタイプであるためほとんど目立たず、装着時も人目を気にせずに生活できます。

長時間での装着を想定した固定式でユーザー自身の手では取り外しができず、歯石や汚れが付きやすいのが難点です。

 

 

裏側矯正に使用するリテーナーのメリット

 

裏側矯正に使用するリテーナーのメリット

裏側矯正に使用するリテーナーのメリットにはどのようなものがあるか、2つのポイントから解説します。

 

見た目が気にならない

 

歯の裏側に固定するタイプのリテーナーは、口を開いた状態でも裏側矯正の器具と同様に装置が目立ちにくいのがメリットです。

歯列矯正や保定をしていることを周囲に知られたくない場合でも、さほど気にせず快適な生活が送れます。

 

矯正治療後もリテーナーでの保定はしばらく続くものの、すでに歯並びはきれいに整った状態であるため、リテーナーが裏側に装着されていることで美しい口元を周囲に見せられるのは、大きなメリットです。

 

固定式は付け忘れの心配がない

 

取り外し式のリテーナーは、食事の際や歯磨きの際に外せるなど使い勝手に優れているものの、ユーザー自身の手での着脱が前提となっています。

そのため、うっかり付け忘れたり、面倒に感じて長期間外したりすると後戻りが起こるリスクがあります。

 

その点、固定式のリテーナーは自分の手では外せないため、後戻りのリスクを低く抑えられます

後戻りによる想定外の出費がかかる心配もありません。

 

 

裏側矯正に使用するリテーナーのデメリット

 

裏側矯正に使用するリテーナーにはどのようなデメリットがあるのか、2つのポイントから見ていきます。

 

取り外し式は固定式より費用が高い

 

ユーザー自身の手で取り外しができるタイプのリテーナーの場合、食事の際に外せるなど使い勝手が良い分、固定式のリテーナーより費用が高い傾向があります。

ただし、装置の費用は矯正費用に含まれることが多いため、一概にリテーナーだけでの比較は難しいのが実情です。

 

また、取り外し式は固定式と違って紛失のリスクもあります。

紛失したら新たに作る必要があるため、余計なコストもかかります。

 

固定式は歯磨きがしにくい

 

固定式リテーナーの場合、裏側矯正同様に取り外しができないため、歯磨きがしにくいのが難点です。

 

固定式は長期にわたり装着し続けるため、器具と歯の間などに食べかすが詰まりやすいタイプもあります。装置に歯ブラシが当たってうまく歯磨きできないことで、虫歯になってしまうこともあるでしょう。

 

保定期間中は歯磨きをできるだけ丁寧に行うとともに、定期的な歯科検診を受けるなどして入念なメンテナンスを心がけるのが大切です。

 

裏側矯正にリテーナーを使用する際のポイントや注意点

 

裏側矯正でリテーナーを使用する際に押さえておくべきポイントや注意点について、解説します。

 

指示どおりの時間装着する

 

裏側矯正で取り外し式のリテーナーを使用する場合は、歯科医に指示されたとおりの時間帯で装着するのが重要です。

 

最初のうちは食事と歯磨き以外のほぼ一日中、リテーナーを装着するよう心がけましょう。

例えば、保定開始から6カ月程度が経過したら一日の約半分は未装着の状態でも過ごせるようになり、さらに1年以降は就寝中のみの装着でOK、などの流れでスケジュールが立てられます。

 

後戻りを防いで保定期間を計画どおりに終わらせるには、多少の煩わしさはあっても歯科医の指示を守りながらリテーナーの装着を心がけましょう。

 

破損・紛失したらすぐに作り直す

 

着脱式のリテーナーは、外している間に紛失してしまうリスクがあります。

また、うっかり歯に力を入れすぎたり雑に扱ったりして装置を破損してしまうケースもあるでしょう。

 

紛失や破損によりリテーナーを失ったまま保定を怠ると、せっかくきれいに直した歯列が後戻りする原因になります。

なるべく早めにクリニックを受診して、リテーナーを作り直してください。

 

うっかりなくさないように保管に気を付けるとともに、壊れたりしないよう丁寧に取り扱いましょう。

 

勝手に中断しない

 

取り外し可能なリテーナーを使用している場合は、自分でもう保定をしなくても大丈夫と思っても、自己判断で装着をやめないようにしましょう。

見た目にはきれいな歯並びになっていても、実はまだ骨がきちんと固定されていない可能性があります。

 

自己判断でリテーナーの装着を中断すると、せっかく保定されていた歯列が後戻りするリスクがあります。

 

裏側矯正は金額的に決して安くはない治療です。

長い時間をかけてきれいに歯並びを整えても、リテーナーで保定をしっかりやらないと後戻りがおこり、これまでかけた労力と費用が無駄になってしまうかもしれません。

 

まとめ

 

裏側矯正を受ける場合、治療終了後にリテーナーできちんと保定をしないと後戻りが起こり、きれいな歯並びが乱れる原因になります。

リテーナーには固定式タイプと取り外し式タイプがあり、メリット・デメリットが異なります。

保定は長期間かかりますが、しっかり行うことで歯列が安定するため、歯科医が立てたスケジュールと指示をしっかり守ってリテーナーを使用するのが肝心です。

 

日本橋はやし矯正歯科では、3Dデジタルシステムの導入により、裏側矯正の治療期間短縮を実現しています。

見た目にこだわった矯正を受けたい方やなるべく短期間で治療を終わらせたいと考えている方は、お気軽にご相談ください。

裏側矯正ができないって言われた!

裏側矯正ができないって言われた! 

歯科矯正をする際、矯正が目立ちにくい裏側矯正を希望する方は多いでしょう。しかし歯や口内の状態によっては、「裏側矯正ができない」と言われてしまう例もあります。

 

今回は裏側矯正のメリットやデメリット、裏側矯正ができない例などを解説しますので、矯正をご検討中の方はぜひ参考にしてください。

 

 

裏側矯正とは?

 

裏側矯正とは、歯の裏側に矯正器具を取り付けて行う歯科矯正のことです。別名を、舌側矯正、あるいはリンガル矯正とも呼びます。

 

一般的に歯科矯正は、歯の表側に矯正器具を取り付けて行います。

矯正器具は金属の他に、透明のブラケットが使われることもありますが、それでも歯の表側に器具が装着されていれば矯正をしていることが見てすぐに分かるでしょう。

 

裏側矯正の場合、見える場所に矯正器具を付けることがないため、他人に知られずに歯科矯正をすることができます。

一方で歯科矯正の中では難易度が高く、どの歯科医師でも対応できる訳ではありません。

 

 

裏側矯正ができないケース

 

裏側矯正ができない代表的なケースは以下の4つとなります。

 

咬み合わせが深い(過蓋咬合)

 

上の前歯が下の前歯に被さってしまうほど深い咬み合わせの「過蓋咬合」は、裏側に装置を装着すると、上の装置に下の歯が当たってしまうので、裏側に装置を付けられない場合があります・

 

歯並びが極端に悪い

 

そもそも顎の位置に問題があり、外科手術をしなければならないほど重度な場合は、歯科矯正だけでは改善が見込めないことがあります。

 

舌が大きい

 

舌の側面にくっきりと歯形がつくほど舌が大きい方の中には、裏側に装置を装着するスペースがない場合があります。

※それほど多くはありませんが、気になる方は矯正歯科のカウンセリングでお聞きになると良いと思います。

 

クリニックが裏側矯正を行っていない

 

裏側矯正はマウスピース矯正や表側矯正に比べて高度な技術を必要としますので、行っていないクリニックもあります。

カウンセリングを受ける前にホームページ等でチェックされると良いと思います。

 

 

裏側矯正のメリット

 

裏側矯正のメリット

 

裏側矯正には通常の矯正に比べて、外から見えにくいだけではなく、虫歯リスクが少ない、食べかすが目立ちにくい、口の中を傷つけにくいなどのメリットがあります。

ここでは、裏側矯正のメリットを詳しく解説します。

 

外から見えにくい

 

裏側矯正において、外から見えにくいのは大きなメリットです。

 

人によっては、矯正中に「歯に装着した矯正器具が他人から見えるのが気になる」と思う方もいます。

例えば、口の中をじっと見られるので恥ずかしい、注目されてしまうのではないか、と不安に感じてしまうようです。

 

裏側矯正は歯の裏側に矯正器具を付けるため、周囲に気付かれずに矯正治療が可能です。

写真撮影などを控えている場合にも、口元を気にせず自然な表情ができるのでおすすめです。

 

虫歯リスクが少ない

 

裏側矯正は、通常の矯正に比べると虫歯リスクが少ないといわれています。

 

表側に矯正器具を付けると、器具に食べかすが詰まったり口が上手く閉じれずに歯の表面が乾きがちになったりします。

しかし、歯の裏側は唾液が循環しやすい環境なので、食べかすが流れていきやすく、唾液の殺菌作用により虫歯の浸食を抑えやすいです。

 

とはいえ、唾液によって食べかすが完全に流れきる訳ではありません。どちらの矯正でも丁寧に歯磨きをすることは大切です。

 

食べかすの詰まりが目立ちにくい

 

食事をすると、矯正器具の周りに食べかすが詰まりやすいのは仕方のないことです。

詰まること自体は、表側の矯正でも裏側矯正でも変わりません。

しかし、裏側矯正であれば矯正器具自体が人から見えないため、食べかすが詰まっていたとしても目立ちにくいでしょう。

 

ただし目立ちにくいからといって、食べかすが詰まったままの状態は虫歯予防の観点でよくありません。

食事の度に、うがいや歯磨きで清潔を保てるようにしておきましょう。

 

口の中を傷つけにくい

 

歯の表側に矯正器具を付けると、粘膜や唇が器具に当たって切れてしまうことがあります。

特にスポーツをする方にとっては、転倒したり何かにぶつかったりすると、口の中が切れるリスクが通常より高くなります。

また表側の矯正は、何かにぶつからなくても口内炎になりやすく、常に痛みを感じることもあるでしょう。

 

裏側矯正では、上記のようなケースで口の中を切ってしまうリスクを減らせるため、不快感を覚えにくくなります。

 

 

裏側矯正のデメリット

 

メリットが多いように見える裏側矯正ですが、デメリットもあります。ここでは、裏側矯正のデメリットを解説します。

 

滑舌に影響がある

 

裏側矯正では、装置装着直後の2週間程度は、舌が矯正器具に当たるためしゃべりにくく、滑舌に影響する可能性があります。

そもそも歯の裏側に矯正器具を付けてしまうと、口の中が狭くなり、舌が動く範囲が制限されます。そのため「矯正器具を取り付けたら滑舌が悪くなった」と感じる方は多いようです。

とりわけ「さ行」「た行」「ら行」は歯の裏に舌を当てるため、発音しにくくなります。しかしながら、すぐに慣れて普段道理に話せるようになるので、あまり心配はいりません。

 

滑舌は生活にあまり影響しないこともありますが、仕事で電話に出ることが多い方などは、できるだけはっきりと発音する工夫が必要です。

 

歯磨きがしにくい

 

裏側矯正に限ったデメリットではありませんが、矯正器具が付いていると歯磨きがしにくいです

矯正器具には食べかすが詰まりやすいため、常に丁寧なブラッシングが必要です。矯正器具専用の歯ブラシもあるため、使用を検討しましょう。

また、磨きにくいところに届きやすいタフトブラシやデンタルフロスも併用すると、さらに汚れが取りやすく虫歯リスクを下げられます。

現在では水圧で歯垢を取るウォーターフロスも多く利用されています。

 

治療期間が長くなる

 

表側の矯正に比べて、裏側矯正の方が長い治療期間を要する傾向があります。これは表側より裏側の方が、技術的に治療が難しいことが原因です。

一般的に、1回の調整にかかる時間も、通常の矯正と比較すると長めです。

矯正の治療は口の中の違和感や口内炎が生じやすく、早く終えたいと考える方も多いため、総じて全体の治療期間や1回の治療にかかる時間が長くなるのはデメリットといえるでしょう。

しかしながら、日本橋はやし矯正歯科で行っている裏側矯正は上記のデメリットを完全に克服し、表側矯正と全く同程度の治療期間・毎回の処置時間で治療を受けていただくことができます。

 

扱っている歯科医院が限られる

 

裏側矯正は表側の矯正に比べて専門的な知識や技術が必要とされるため、対応可能な歯科医師に担当してもらう必要があります。

もしかかりつけのデンタルクリニックで裏側矯正を行っていない場合、クリニック探しから始めなければなりません。

裏側矯正を始めたくても、長期間通いやすく実績も多いクリニックを見つけるのに苦労することも考えられるでしょう。

日本橋はやし矯正歯科は裏側矯正のエキスパートが治療を行いますので、安心して治療を受けていただけます。

 

 

裏側矯正ができない事例

 

裏側矯正ができない事例

 

日本橋はやし矯正歯科で行っている裏側矯正では、すべての症状を治療することができますが、一般的に従来の考え方では以下のように治療できない場合がありました。

 

  1. 著しく歯並びが悪い場合
  2. 舌が大きい場合
  3. かみ合わせが深い場合

 

繰り返しますが、日本橋はやし矯正歯科で行っている裏側矯正では、すべての症状を治療することができ、上記のような場合でも全く問題なく治療行うことができる最新の裏側矯正を提供しています。

まとめ

裏側矯正は、歯列矯正をしていることが目立ちにくいため検討する方も多いですが、口内の状態によってできない例もあります。

裏側矯正ができなくても、他の目立ちにくい矯正方法があるため、あきらめずにまずは歯科医師へ相談してみましょう。

 

日本橋はやし矯正歯科では、裏側矯正の治療を行っています。

裏側矯正には高度な技術が必要で治療期間も長くなりがちですが、日本橋はやし矯正歯科の裏側矯正では表側の矯正とほぼ同じ期間での矯正が可能です。

歯列矯正を人に知られたくない、目立たずに矯正をしたい、他院で裏側矯正ができないと言われてしまった、といった場合はぜひ一度お気軽に日本橋はやし矯正歯科へご相談ください。

 

裏側矯正の症例は以下のページをご覧ください。

【 症例あり 】 裏側矯正(リンガル矯正)

第10回 日本アライナー矯正歯科研究会で講演しました

みなさんこんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

今回は先日開催されました第10回日本アライナー矯正歯科研究会での講演についてレポートしたいと思います。

 

 

日本アライナー矯正歯科研究会とは

 

日本アライナー矯正歯科研究会とはアライナー矯正の普及を目的とし、多くの患者様のニーズに合わせた治療を提供するため、アライナーの種類の垣根を超えたアライナー矯正治療について知識を共有し、深めるための研究会です。

 

私は第8回大会に引き続き、2回目の講演を行わせてい頂きました。

 

本大会は、2023年12月2日と3日の2日間で行われました。場所は港区海岸にあります「東京ポートシティ竹芝 1F ホール」でした。

とても綺麗な会場で、多くの先生方にご参加いただきました。

 

 

演題「最新のsuresmile アライナーによる矯正治療」

 

今回の私の演題は「最新のsuresmile アライナーによる矯正治療」です。

写真は会場の様子です。メイン会場のスクリーンです。

 

 

私の講演は最終日の3日、午前中の最初に行われました。

 

 

講演開始までの時間帯で、今日の演者の先生方の写真が順番に映し出されました。私の写真も出てきましたのでタイミングよく撮れました。

 

会場に参加された先生は50名ほど、またライブ配信で参加された先生は150名とのことでした。

アライナー矯正治療(マウスピース矯正治療)が急激に世の中に普及し、様々な意味で話題になる中での開催はとても意義深いものだと思います。

 

 

suresmile アライナーの様々なお話をさせていただきました

 

私の講演では「最新の suresmile アライナーを用いた矯正治療」と題し、日本橋はやし矯正歯科でも使用しているsuresmile アライナーの最新情報や治療例などをお話させていただきました。

 

 

suresmile アライナーの効果的な点、特に3Dモデルに関して歯、歯根、歯槽骨を正確にモデル化した仮想患者モデルは診断のみならず、治療計画の立案にとても効果的であることをお話ししました。

 

30分ほどの講演でしたが参加されている方はみなさまとても真剣にお聞きいただけました。

 

 

尾島大会長より感謝状をいただきました!

講演後、大会長の尾島先生から今回の講演、そして今までの研究会への貢献に対する感謝状を授与していただきました。

 

 

尾島先生は日本のアライナー矯正を牽引するトップランナーのお一人です。

今回このような講演の機会をあたえていただき心から感謝したします。

 

 

日本アライナー矯正歯科研究会による当日のレポートは以下でお読みいただけます。

第10回日本アライナー矯正歯科研究会

 

当院のマウスピース矯正に関する最新コラムは今回講演させていただいた「suresmileアライナー」をわかりやすく説明しています。ぜひお読みください。

suresmileアライナーは最先端のマウスピース矯正システムです

 

矯正歯科治療の未来のため、講演活動も頑張って行っていきたいと思います。

suresmileアライナーは最先端のマウスピース矯正システムです

みなさんこんにちは。日本橋はやし矯正歯科院長の林 一夫です。

今回は当院で主に用いておりますマウスピース矯正(アライナー矯正)の最新システムであるsuresmileアライナーについての最新情報をお伝えします。

 

現在、世界的に数多くのマウスピース矯正(アライナー矯正)システムが存在していますが、その中でも当院が運用しておりますsuresmileアライナーは、最新の技術が詰まったとても効果的な治療システムです。

 

このsuresmileアライナーのお話をするために、マウスピース矯正に欠かせないアタッチメントの説明から、マウスピース矯正のタイプについてなどを詳しく説明しておりますのでぜひお読みください。

 

 

マウスピース矯正には原則「アタッチメント」が必要です

 

マウスピース矯正(アライナー矯正)を行う場合、アタッチメントと言われる歯の表面に着ける突起を用いることが多いです。

 

アタッチメントのメリット

 

この「アタッチメント」はもちろん必要があって存在しているものです。主なメリットは以下となります。

  • マウスピースをしっかりと歯に装着させるための鍵の役割を果たす
  • アタッチメント自身が歯を押すのでより効率的に歯が動く

 

アタッチメントのデメリット

 

このようにアタッチメントは治療の効果を高めるために重要な役割を果たすのですが、いくつかの問題がありました。

  • 少しでもマウスピースが合わなくなるとアッタチメントがあることで逆にマウスピースのフィイット度合いが急激に低下してしまう
  • よく見るとアタッチメントの存在がわかってしまうことがあることが「見えづらい矯正装置」としては難点になる
    ※滅多にありませんがご本人が気にされることが多いです
  • アタッチメントが脱落することがあり、その場合はクリニックへの通院が必要となる

 

アタッチメントのない格安のマウスピース矯正について

 

なお、アタッチメント不使用の簡易的なマウスピース矯正もありますが、歯をわずかしか移動できないので、全く根本的な治療になっていないことがほとんどです。

 

マウスピース矯正をお考えの方は、ご利用を検討されているサービスがどのようなものか細かくお調べされることをお勧めします。

 

 

アタッチメントの数を可能な限り少なくした治療が可能

 

アタッチメントは必要ですが、場合によっては困ることもあるということを上記で説明しました。

 

この「アタッチメント数を減らしながら歯とマウスピース装置のフィット感を高める」ためには、「マウスピースの辺縁(マウスピースのフチに該当する部分)の高さを高くする」ことが効果的であるということがいろいろな研究から分かってきました。

 

suresmileアライナーでは、マウスピースの辺縁の形状や高さを自由に設定できるので、アタッチメントが少なくても、もしくは症状によってはアタッチメントがなくても歯の動きをコントロールすることができるようになりました。

 

アタッチメントは脱落してしまうこともあり、そのたびに通院が必要となっていましたが、その必要がなくなるのは患者さまには安心だと思います。

 

 

画像はsuresmileで使用可能な辺縁形態の例です。

左がスカラップタイプ、右がストレートタイプ。

ストレートタイプがマウスピースの辺縁(マウスピースのフチに該当する部分)を高くできるタイプです。

 

次にそれぞれの特性について説明いたします。

 

suresmileアライナー スカラップタイプについて

 

マウスピース矯正のスカラップタイプ

 

顎間ゴムをかけやすい

 

顎間ゴム(ゴムかけともいいます)が使いやすいタイプです。

顎間ゴムをかけるとゴムの力で歯が動くのでとても効率的に矯正治療を行えます。

以下の部分に顎間ゴムをかけます。

  • 上顎の黄色いバー:スリット
  • 丸いグレー:ボタン

顎間ゴムについては以下のブログで詳しく説明していますので併せてお読みください。

 

矯正体験レポート第五回:顎間ゴムを付けました!

 

着脱が容易で快適

 

コンパクトなので着脱が容易、使用感もより快適です。

 

辺縁を高くできないのでアタッチメントは減らしにくい

 

辺縁を高くするとスカラップ形状ではなくなってしまうので高くできません。

またアタッチメントは減らせないわけではありませんが、治療効率は下がってしまいます。

 

 

suresmileアライナー ストレートタイプについて

 

 

比較的大きな動きに対応

 

アライナーの剛性が高いので、歯列弓の積極的な拡大や歯の圧下などを行う治療計画の場合はこちらを選択します。

 

アタッチメントを減らすことができる

 

ストレートタイプはマウスピースの辺縁(マウスピースのフチに該当する部分)を高くできますのでアタッチメントを減らすことができます。

 

状態や目的に応じて治療計画を立てます

 

このように、治療計画によってマウスピースの形状が違いますのでカウンセリングで詳しくお話をお聞きして決めていく必要があります。

 

ひとくちに「マウスピース矯正」と言っても様々な治療計画があることを覚えていただければと思います。

 

 

加速矯正装置が治療費の中に含まれています

 

suresmileアライナーには「suresmile Vpro」がセットになっているパッケージがあります。

医療機関で対応が異なる場合がありますが、当院では標準的なマウスピース矯正の治療費にこのsuresmile Vproが含まれています。

 

装置装着時の不快感の改善を目的として日本国内では承認を受けているデバイスですが、海外では加速矯正装置として承認を受けており、1日5分間の使用で治療期間の短縮につながることがいくつかの研究で報告されています。

 

参照:矯正治療の効率を高める補助的装置 VPro+ について


このように当院で用いておりますsuresmileアライナーは、最新のテクノロジーを融合した非常に効果的なマウスピース矯正治療を提供することができます。

 

ぜひカウンセリングをお受けいただき、当院での治療を検討いただければと思います。