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いびきが悩み…矯正治療で改善できる場合があります

夜にいびきをかいてうるさいと言われてしまった。
夜に自分のいびきで起きてしまう。

いびきでお悩みの方は男女問わずいらっしゃいます。

いびきの原因は色々ありますが、その中のひとつに「歯並びなどお口周りの状態」が原因であることもあります。

「顎が小さい」いわゆる顎なしと言われる症状から来るいびきは、外科的矯正、またはサージェリーファーストで改善が期待できますし、歯並びを治すだけで改善が期待できるものもあります。

今回はいびきと矯正治療についてご説明してまいります。

 

 

いびきをかきやすい人

 

いびきをかきやすい方は以下のような症状がある場合があります。

 

顎が小さい

 

俗に「顎なし」と言われる方がこちらに該当します。

こちらの写真が「下顎後退」(顎なし)の患者さまの横顔のお写真です。

下顎が下がっている(後退している)のがよくわかります。

 

顎が小さい方は舌が気道に落ちやすいので気道が狭くなり、いびきの原因になることがあります。

また「口呼吸が原因の下顎後退型の顎変形症」である場合もあります。

 

歯並びが悪い

 

特に下顎の歯並びが悪く舌、の置き場がないので舌が気道に落ちやすく、そのせいで気道が狭くなると、またいびきの原因になることがあります。

 

詳しくは後述しますが、このような下顎の乱れにいびきの症状が見られます。

 

 

ここまで、

  • 顎が小さい
  • 歯並びが悪い

ことがいびきの可能性となると説明いたしましたが、そのいびきが「睡眠時無呼吸症候群」という疾病のサインであることもあります。

 

いびきと睡眠時無呼吸症候群の関係

ここでは「いびきと睡眠時無呼吸症候群の関係」そしてそれを治療するための「サージェリーファースト」という歯科矯正法についてご説明します。

 

いびきのメカニズム

 

いびきは、睡眠中になんらかの理由で気道が狭くなり、そのため息を吸ったときにその狭くなった部分が振動し、周辺組織(喉、鼻)が振動して発生した時の音を指します。
ですので前述したお口の中の問題以外にも

  • 風邪をひいていて鼻が詰まっている、扁桃腺が腫れている
  • 肥満で首周りの脂肪が多いので気道を圧迫している
  • 喫煙で気道の粘膜が炎症を起こしている
  • 飲酒で喉や鼻の筋肉が緩み気道が狭くなる

    といった様々な原因でいびきが発生します。

 

常にいびきをかく人の多くが「睡眠時無呼吸症候群」

 

このようにいびきの原因はいろいろですが、特に「風邪」等の一時的な原因以外で常に気道が狭くなっている場合は「睡眠時無呼吸症候群」という病気である可能性が高いです。

極端に気道が狭くなってしまうと、一時的に気道が完全に塞がってしまい、呼吸が止まってしまいます。
これが睡眠時に幾度も繰り返されるのが睡眠時無呼吸症候群です。

睡眠時無呼吸症候群の診断は睡眠中に10秒以上呼吸が停止する状態が

  • 一時間あたりの無呼吸の回数が5回以上
  • 7時間の睡眠中での無呼吸の回数が30回以上

いずれかが確認されると診断されます。

ひどくなると40秒近くも止まってしまうこともあります。

 

睡眠時無呼吸症候群の症状について

 

主に睡眠中の酸素不足により、一般的には以下のような症状があります。

  • 息苦しさで幾度も目が覚める(睡眠障害)
  • 起きた時にだるさがある
  • 十分な睡眠を確保できないので日中に眠くなる

 

また、睡眠時無呼吸症候群が以下のような重篤な疾病を引き起こすことがあります。

  • 高血圧
  • 脳卒中
  • 心筋梗塞

ですので、いびきが気になる方はできるだけ病院で検査を受けることをお勧めします。

 

 

歯科矯正(外科的矯正治療)で改善できるいびきについて

外科的矯正、サージェリーファーストで改善を期待できる症状

以下の症状の方は歯科矯正(外科的矯正治療)でいびきの改善を期待できます。

 

  • 下顎が小さい「顎なし」など顎の形に起因する場合
  • 顎の形に問題がある方(顎変形症)

中でも下顎が小さい、いわゆる「顎なし」の方は前述したように睡眠中に舌が落ちやすいため、気道を確保することが難しくなり、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因になりやすいです。

これは「顎変形症」と呼ばれ、上顎または下顎の形状や大きさに異常があり、そのため顔貌(お顔)のバランスが悪かったり歯の咬み合わせが悪かったりなどが生じるものです。

この症状を根本的に改善するには外科手術を伴う「外科的矯正」または「サージェリーファースト」で改善できる可能性があります。

顎変形症及び「外科的矯正」「サージェリーファースト」について詳しくは以下の記事をご覧ください。

https://kyousei.clinic/column/jaw_deformity/

 

矯正治療で改善が期待できる症状

 

いびきの原因が「歯並びが悪く舌の置き場がない」など歯並びに起因する場合は矯正治療での改善が期待できます。

「歯並びがいびきの原因?」と意外に思われる方もいらっしゃいますが、実は歯並びは様々なお口の問題に繋がっており、いびきはそのひとつです。

 

こちらの下顎の写真をご覧ください。

下顎の前歯が口の内側に傾いてしまっています。これでは舌を置く位置を確保できません。

 

こちらはどのように見えますか?

左の第二大臼歯が特に大きく内側にずれています。

この状態も、舌がうまく収まららないので同様に舌の置き場所がありません。

 

こういった歯並びを整えるだけで、いびきの改善につながることが少なくありません。

歯並びといびきの両方が気になっている方はぜひカウンセリングでお話しください。

お待ちしております。

 

顎変形症の診断、治療について詳しく説明します

顎変形症でお悩みの方のご相談をしばしばお受けしますので、今回はQ&A方式も交えて詳しくご説明します。

 

顎変形症とは

 

顎変形症とは上顎の骨(上顎/じょうがくといいます)や下顎の骨(下顎/かがくといいます)の形状、大きさに異常があるためバランスが取れていない病気です。

お顔(顔貌/がんぼうといいます)の見た目に影響を及ぼしたり、歯の咬み合わせが悪く、咀嚼や発音に困難があったりと生活に支障をきたしてしまうこともあります。

 

顎変形症の種類は以下のようなものがあります

 

下顎前突症

下顎が突き出た状態で、いわゆる「受け口」を指します。

 

口腔内写真 側貌(横顔)写真

 

小下顎症

顎が小さい、いわゆる「顎なし」を指します。

 

口腔内写真 側貌(横顔)写真

 

上顎前突症

上あごが突き出ているいわゆる「出っ歯」を指します。

 

口腔内写真 側貌(横顔)写真

 

開咬症(オープンバイト)

前歯が噛み合わない状態を指します。

 

口腔内写真 側貌(横顔)写真

顔面非対称

主にお顔の左右が対象ではなく歪んでしまっている状態を指します。

 

口腔内写真 正貌(正面)写真

 

 

顎変形症の治療について

 

顎変形症はどうやって治すの?

 

顎変形症と診断された場合は外科手術を伴う歯科矯正で根本的に治すのが一番です。

コラムの後半で治療方法についてご説明します。

 

顎変形症はどの科で相談すればいいの?

 

まずかかりつけの歯科医に相談し、矯正歯科を紹介されるパターンが多いようですが、顎変形症の治療ができるのは顎口腔機能診断施設の認定を受けているクリニックのみになりますので注意が必要です。

 

事前に矯正歯科を調べておくのも良いでしょう。

 

顎変形症の診断はどこがするの?

 

顎変形症の診断は矯正歯科が行います。レントゲン撮影や専門のCTでの撮影を経て矯正歯科の診察など、そして口腔外科や形成外科が検査や評価を行います。

診断基準は、顎が歪んでいることはもちろんですが、歯並び等の異常が認められるか、またそれが顎の歪みに起因しているかなどがあります。

 

診断のタイミングは、通常矯正治療に入る前にレントゲン、歯科用CTでの撮影をしますのでその段階で確定します。

確定されたら「外科的矯正治療」をする場合は保険が適用されます。

 

ご本人が「顎変形症では」と気にされてカウンセリングに来られても、実は歯並びのみの問題で顎変形症ではないということも少なくありません。

その場合の矯正治療はもちろん保険適用外となります。

 

顎変形症の治療はどんなもの?

 

顎変形症の治療はその多くが外科手術を伴う歯科矯正になります。

つまり歯列矯正を行う矯正歯科と外科手術を行う口腔外科/形成外科がタッグを組んで行うもので「外科的矯正治療」または「サージェリーファースト」での治療が必要となります。

 

 

顎変形症の治療法:外科的矯正治療とサージェリーファースト

 

外科的矯正治療とサージェリーファーストは「外科手術と矯正治療を行う」という点では同じですが、治療の順序、保険適用の有無などが異なります。

 

外科的矯正治療について

 

下顎の黒が術前、赤が術後です。
このように骨そのものを手術で動かします。

 

 

外科的矯正治療の特徴は「外科手術の前に歯列矯正を行う」という点と、「保険が適用される」という点です。

外科手術の前に歯列矯正を行う理由は、手術後の顎位の安定のためです。
また手術の前に歯列矯正をを行う方が術後の後戻りのリスクが減ります。

デメリットとしては

  • 術前術後の歯科矯正があるため治療が長期化する点(4-5年かかることも少なくありません)
  • 手術前の歯列矯正で一時的に咬み合わせが悪くなりやすい

などが挙げられます。

外科的矯正治療について詳しくはこちらをご覧ください。

外科矯正

※保険適用になった場合は、患者さまのご希望で矯正装置等をお選びすることは原則としてできません。

 

外科的矯正治療が抱えていた課題と解決策

 

外科的矯正治療は治療中の審美的な側面をいわば考慮しない治療法です。
ですが例えば顔面非対称や下顎前突など、顔貌の深刻な悩みを持つ方はまずそこを治したいと!強く思われています。

しかし外科的矯正治療の場合、治療中のご自身のお顔に不安を持ったり、一時的にでも以前以上に咬み合わせが悪くなったりなどのQOLの低下が課題でもありました。

見た目の問題は精神的にも負担が大きいもので、決して軽視して良いものではありません。

加えて長期にわたる治療期間を苦痛に感じる方も少なくありません。

そこでサージェリーファーストは、外科的矯正治療で問題となっていた審美的な改善及び治療期間の短縮が実現するものとして誕生しました。

 

サージェリーファーストについて

 

このように精密な計画をし、外科手術と矯正歯科治療の連携を行います。

 

 

サージェリーファーストとはその名の通り「サージェリー(手術)」を先に行う矯正治療法です。

顎変形症の根本的な原因である顎の歪みを外科手術で改善することにより、まず顔貌が改善するので患者さまの精神的な負担も軽減します。

 

外科手術を終えてから通常の矯正治療と同様に矯正装置による治療を進めますので、この段階でも歯列が悪化するような心配はありません。

また、最初に外科手術を行うので治療期間は外科的矯正治療に比べ圧倒的に短いのが特徴で、治療期間が半年から1年というケースも珍しくありません。

 

デメリットとしては保険が適用されないという点ですが、費用の負担と治療期間等の問題、そしてQOLの問題をよく考え、ご自身の生活に最適な治療法をお選びいただくと良いと思います。

 

サージェリーファーストについて詳しくはこちらをご覧ください。

サージェリーファースト (外科矯正)

 

顎変形症はまず確定診断が必要です。

「顎がずれているかも…」とご不安な方はまずはカウンセリングをお受けいただくことをお勧めします。

日本橋はやし矯正歯科は外科的矯正治療、サージェリーファースト共に豊富な治療実績がありますので、お気軽にお越しください。

第3回日本デジタル矯正歯科学会学術大会が開催されました

みなさんこんにちは。日本橋はやし矯正歯科院長の林 一夫です。

今回は9月22日に開催されました第3回日本デジタル矯正歯科学会学術大会のご報告をさせていただきます。

 

大会長を務めさせていただき、450名を超える方にご参加いただきました

 

東京駅からほど近い、JPタワーホール&カンファランスで開催されました。参加人数は450名を超え、とても多くの方にご参加いただきました。本当にありがとうございました。

 

私は今回の大会の大会長を務めさせていただき、大変勉強になりました。このような機会を頂き光栄に思いますとともに、学会の会員の皆さまに感謝いたします。

 

写真は学術大会前日の前夜会の様子です。

ご講演予定の先生方と打ち合わせを兼ね、情報交換を行うことができ、とても良い会となりました。

大会長であります私が最初にご挨拶をさせていただいております。

 

会場でありますJPタワーホール&カンファレンスからの風景です。

 

 

会場はほぼ満席となり、熱気あふれる空間となりました

多くの方々にご協力いただきました。当院からも運営スタッフとして多くのスタッフに協力していただきました。

 

会場の様子です。最初のセッションから多くのご参加をいただき、会場もほぼ満席の状態でした。

 

私はセッション1の座長も務めさせていただきました。演者の先生に感謝状をお渡しする大役もこなしております。

 

集合写真です。学会の理事の先生方、今回の演者の先生方とともに撮らせていただきました。


今回は第3回日本デジタル矯正歯科学会の報告をさせていただきました。

 

最新のデジタル技術は矯正治療の発展に欠かせない技術です。

今後も日ごろの臨床に活かしていけるように日々勉強を重ね、皆様に最適な矯正治療をご提供できるように頑張っていきます。

【マウスピース矯正】重度の出っ歯、口ゴボ、軽度の顎なしの治療例

みなさんこんにちは。日本橋はやし矯正歯科院長の林 一夫です。

今回は、マウスピース矯正で治療を行い、良好な治療結果が得られた患者さまの治療例をご紹介させていただきます。

 

日本橋はやし矯正歯科では複数のマウスピース矯正治療システムを導入し、最新のデジタル技術を組み合わせ、患者さまごとに最適な治療法をご提案させていていただいております。

 

また「マウスピース矯正は軽症例のみ」とお考えの方もいらっしゃると思いますが、今回のように比較的重症例でも可能な治療はございます。

「重症だから」と諦める前に、ぜひ一度カウンセリングでお話ください。

 

 

重度な出っ歯と口ゴボ、軽度の「顎なし」の症状

 

重度な出っ歯の症状

 

初診時の口腔内写真です。

上顎前歯が突出し、重度の出っ歯です。

奥歯の咬み合わせも上顎部分がほとんど歯1本分ズレており、出っ歯の程度は比較的重度です。

 

軽度の「顎なし」、口ゴボの症状

 

横顔です。

上下の口唇も突出しており、いわゆる“口ゴボ”に近い状態です。

また下顎の前後的位置も後方に位置し、軽度の“アゴ無し”と言われる症状も呈しています。

口ゴボと顎なしの両方があることで、よりそれぞれが強調されてしまっています。

 

患者さまのご希望でマウスピース矯正を選択

 

こちらの患者さまは目立たない治療がご希望で、できるだけ今の生活を維持しながら矯正治療を行いたいとのことで、お食事などで取り外すことができるマウスピースでの矯正を選択されました。

 

3Dデジタル矯正の3Dモデル

 

日本橋はやし矯正歯科では、マウスピース矯正はもちろん、すべての矯正治療において3Dデジタル矯正で行います。

これは歯、歯根、歯茎、骨すべてを3Dモデル化し、治療前から治療後までのシミュレーションを行い、歯や歯根の位置などを確認し、調整していけるものです。

このモデルを元に治療計画を立案するのが当院のマウスピース矯正の強みです。

これにより安全で効率的な治療計画を立てて治療を行うことができています。

 

初診時の3Dモデルです。

 

 上顎部の奥歯の位置が前にずれているのがよくわかります。出っ歯の状態も重症です。

 

術後予測の3Dモデルです。前歯がきれいに揃っています。

このモデルをもとに、上顎両側の第一小臼歯を抜歯し治療を行う計画を立てました。

 

歯の根っこや骨の状態も入念に確認します

 

当院では「suresmileアライナー」というマウスピースを使用しています。

これは3Dデジタル矯正に対応したマウスピース矯正のシステムで、例えば歯の位置を「歯の根っこの位置が骨から飛び出さないようにする」等のレベルでコントロールできます。

これは従来の矯正治療ではできなかったことで、歯列を整えるだけでなく、それに伴う口腔内のトラブルを未然に防ぐことができます。

これが「suresmileアライナー」の非常に優秀なところです。

 

この画像は、実際のマウスピースのデザインを示しています。

詳細は割愛しますが、上顎の犬歯付近の切込みと下顎の第一大臼歯部のボタンの所に顎間ゴムを用いる設計になっています。

このようにマウスピース矯正の場合でも顎間ゴムを適切に使用してもらうことで、治療の成績を向上させることができるようになってきました。

 

出っ歯が治り、歯列がきれいに整いました

 

治療後の口腔内写真です。

上顎前歯の位置が改善され、出っ歯がきれいに治っています。

 

治療終了時の横顔の写真です。

治療前と比較して、口元の突出感が効果的に改善されていることがお分かりいただけると思います。

 

治療前 治療後

 

前歯が後ろに下がったことで、唇が閉じやすくなり、その結果としてオトガイ部の緊張もなくなり、いわゆる「梅干状の隆起」もほぼ発現しなくなりました。

 

治療期間は1年2ヶ月でした

以下に治療をまとめます。

  • 診断(学術的):上下顎前歯の唇側傾斜、大きなover jet、skeletal Class IIの上顎前突症例
  • 治療法:上顎両側第一小臼歯の便宜抜歯、マウスピース矯正(suresmileアライナー)
  • 治療期間:1年2カ月
  • 治療費:115万円(通院回数12回)すべて税込み
  • リスク:IPRによる知覚過敏、前歯部のブラックトライアングル、歯根吸収
  • 副作用:治療中の発音への影響、治療後の凸凹の後戻り
  • 料金:110万円(税込)

※2022年1月の症例です

 

 

マウスピースの追加作製もありませんでした

 

マウスピースの追加作製も行うことなく治療を終了することができました。

 

あまり知られていないことですが、マウスピースが既定の数で治療が終わることはほとんどなく、かなりの確率で追加作製をしています。

最低でも120時間以上の使用時間を続けないかぎりマウスピース矯正は成功しません。

使用時間が短くなると極端に治療成績が悪くなるのがこの治療法の特徴であり、難しいところでもあります。

 

今回の治療で追加作製がなかったのは、患者さまが122時間以上しっかりマウスピース装置を装着していただけたからというのがとても大きいです。

また顎間ゴムも適切に使用していただけたので、このように非常に良い治療結果が得られました。


最新のマウスピース矯正では治療成績が非常に向上してきており、今回のような重症例でも治療が成功するようになっています。

 

しかしながら、矯正専門以外での治療では失敗例も数多く報告されており、クリニック選びはとても重要です。

日本橋はやし矯正歯科では、専門知識を有した歯科医師陣が安全で効果的なマウスピース矯正を提供しています。

 

詳しくはこちらもご覧ください。

マウスピース型歯科矯正装置による治療

ほほを押さえる女性

裏側矯正は口内炎ができやすい?予防方法とできたときの対処法を解説

「歯並びにコンプレックスがある」「歯並びが悪くて虫歯や歯周病が心配」などと悩んでいる人にとって、歯列矯正は悩みの解消に有効な治療方法です。

矯正には、一見すると器具を装着していることが分かりにくい裏側矯正という方法もあり、周囲に気付かれることなく歯並びを改善することもできます。

 

しかし、裏側矯正は歯の表側に矯正器具を装着すると表側矯正と比べて口内炎ができやすいのではないかと考えて、治療を受けるのに不安に感じる人もいるでしょう。

 

本記事では、裏側矯正における口内炎の予防方法やできたときの対処法を解説します。

 

 

裏側矯正中に口内炎ができる理由

裏側矯正では歯の裏側(舌がある側)にブラケットという器具やワイヤーを装着するため、舌や舌の付け根あたりに口内炎ができることがあります。

舌を動かしたときに舌が矯正器具に当たってしまったり、普段はない矯正器具が気になって舌で触ってしまったりして舌に傷ができ、炎症を起こすことがあるからです。

 

ただし、一般的には日が経つにつれ口内炎はできにくくなります。

矯正器具が装着されている状況に慣れて気にならなくなり、傷が付かないように舌を動かせるようになるためです。

 

裏側矯正中に口内炎を予防するには?

 

歯ブラシとコップを持っている人

 

口内炎ができると、話や食事をしているだけでも痛みを感じることもあり、不快感を覚えたりつらさを感じたりしてしまいます。

そこで、口内炎を予防する方法を3つご紹介します。

 

矯正用ワックスを使用する

 

裏側矯正による口内炎は、矯正器具が当たって付いた傷に炎症が起きてできます。

そのため、口内炎を防ぐためには矯正器具で口の中を傷付けないようにすることが大切です。

 

傷を予防する手段の一つとして、矯正器具から口腔内を守る矯正用ワックスが有効です。

矯正用ワックスはシリコンでできているものとペースト状のものがあり、シリコンでできているタイプはペーストタイプと比べて短時間で固まるのが特徴です。

矯正器具全体を覆うように矯正用ワックスを塗ると、矯正器具の鋭い部分がカバーされ、矯正器具が当たっても口腔内に傷が付きにくくなります。

 

口腔内を清潔にする

 

口内炎は、カンジダ菌というカビが口腔内に増えることによって発症する場合もあります。

カンジダ菌は健康な人の口の中にも常にある常在菌ですが、過剰に増えると口内炎の原因となる場合もあるため、気を付けなければなりません。

 

常在菌の増殖による口内炎を防ぐには、普段から口の中を清潔に保つことが必要です。

矯正器具を付けていると一般的な歯ブラシだけでは汚れを落としにくくなるため、歯間ブラシや毛束の先端が一つにまとまったタフトブラシなども使って歯磨きをするとよいでしょう。

また、口の中は乾燥すると雑菌が増えやすくなるため、口呼吸をしている人は意識的に鼻呼吸にすることも効果的な予防策です。

 

栄養バランスの良い食事を取る

 

口内炎を発症させないためには、さまざまな栄養素をバランスよく摂ることが大切です。

特に皮膚や粘膜を正常な状態に保つのに必要な栄養素は、意識的にしっかり摂取するようにしましょう。

 

例えば、レバーやうなぎ、牛乳などに多く含まれているビタミンB2には、皮膚や粘膜を保護し細胞の再生を助ける働きがあります。

また、ビタミンB6は皮膚や細胞の元となるたんぱく質のアミノ酸への分解や、たんぱく質への再合成に必要となる栄養素です。

まぐろやかつお、牛レバーや鶏肉、バナナなどで摂取できます。

 

加えてビタミンCはたんぱく質の一種であるコラーゲンの合成に欠かせない栄養素で、キウイフルーツなどの果物、パプリカやブロッコリーなどの野菜に多く含まれています。

 

規則正しい生活を送る

 

免疫力が下がると、雑菌が増え口内炎ができやすくなります。

免疫力は睡眠不足や慢性的な疲労、ストレスなどがあると低下しやすくなるため注意が必要です。

普段から生活リズムを整え、適度な運動を行い、バランスの取れた食事や質の良い睡眠をしっかりとるように心掛けましょう。

またストレスをためないように気分転換を行うことも大切です。

 

規則正しい生活を送ることは口内炎の予防だけではなく、全身の健康を保つのにも役立ちます。

 

 

裏側矯正中に口内炎ができてしまったときの対策

 

鏡の前で痛そうにほほを押さえる女性

 

裏側矯正中に口内炎ができてしまった場合にはどのような対策が取れるのでしょうか。

ここでは裏側矯正中に取れる口内炎対策を4つ紹介します。

 

矯正用ワックスを使用する

 

矯正用ワックスは口内炎ができるのを予防したいときだけではなく、できてしまった口内炎へのさらなる刺激や痛みを軽減させたいときにも使えます。

口内炎ができているところに矯正器具が当たってもワックスが緩衝材となり、刺激が緩和され痛みを感じにくくなります。

 

矯正器具を調整してもらう

 

口内炎は、矯正器具の位置や不具合などが原因でできる場合もあります。

矯正器具が正しく歯に装着されていない状態のままでいると、口内炎が悪化するおそれがあります。

 

口内炎ができるところがいつも同じ場所だったり痛みが強かったりしたときは、早めに歯科医師に相談しましょう。

 

薬で治す

 

口内炎の痛みがつらいときは、薬で対処するのも対策の一つです。

口内炎の薬には飲むタイプの他、患部にパッチを貼るタイプや軟膏を塗るタイプ、スプレーをかけるタイプなどさまざまな種類があります。

口内炎の薬は歯科医院で処方してもらう以外にドラッグストアなどで買うこともできるため、症状に応じて自分が使いやすいものを選ぶとよいでしょう。

 

刺激物を避ける

 

口内炎ができてしまったときには、食事の内容を見直すことも大切です。

カレーやキムチなどの辛いもの、レモンや酢などの酸味が強いもの、味が濃いものや熱いものなどは、刺激が強く口内炎を悪化させるおそれがあります。

また、アルコール類や甘いものも体内のビタミンを大量に消費するため、避けた方がよいでしょう。

レーザー治療器で処置する

日本橋はやし矯正歯科では積極的にレーザー治療器をもちいた口内炎の処置を行っています。

口内炎の表面を歯科用レーザー治療器の熱で処置することで短期間で痛みや不快感が消失し、普段の生活にすみやかに戻ることができます。

当院では半導体レーザー治療器を導入し、運用を行っていますので、スタッフまでお問い合わせください。

 

 

まとめ

 

歯の裏側に矯正器具を装着する裏側矯正は、人目を気にせず歯並びを治したい人にとって魅力的な治療方法です。

矯正装置が装着されると口内炎を発症しやすくなりますが、専用のワックスや薬の使用、矯正機器の調整、レーザーによる処置などの予防策や改善策もあります。

 

また、裏側矯正は治療に時間がかかることが一般的ですが、日本橋はやし矯正歯科なら3Dデジタル技術により、通常より短い期間で治療を行うことも可能です。

口内炎などの痛みに長く耐える必要もなくなるので、効率的に裏側矯正の治療を受けたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

【 症例あり 】 裏側矯正(リンガル矯正)