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【論文概要】江戸時代と現代日本人女性の顔立ちの違い ― 歴史・研究・矯正歯科の視点から ―

(このコラムは林院長の論文をスタッフがまとめています)

 

日本橋はやし矯正歯科の院長 林一夫は、大学教授時代から矯正歯科分野において数多くの学術的業績を残してきました。

特に3次元画像解析や3Dデジタル矯正に関する研究では国内外で高い評価を受けており、これまでに100本を超える論文を発表しています。

 

臨床現場に直結する基礎研究から、最新のデジタル技術を応用した治療法の開発まで、多角的な視点から矯正治療の発展に貢献してまいりました。

現在も学術的知見を臨床に還元し、「患者さま一人ひとりに安心と納得を与える治療」を実践しています。

今回ご紹介する論文は江戸時代の女性と現代女性の頭蓋骨を比較し、時代背景と顔立ちの関係を明らかにしたユニークな研究であり、矯正歯科の視点からも非常に示唆に富む内容だと思います。

 

 

Morphological analysis of the skeletal remains of Japanese females from the Ikenohata-Shichikencho site. European Journal of Orthodontics. Hayashi K, Saitoh S, Mizoguchi I

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21745827/

 

https://academic.oup.com/ejo/article-abstract/34/5/575/549497?redirectedFrom=fulltext&login=false

 

 

古代人骨の発見と研究について

 

日本では近年、建設工事などをきっかけに多数の古代人骨が発見されています。

これらの遺跡の多くは、地方の大学や博物館に所属する研究者や公的機関の調査によって確認されています。

遺跡から人骨がそのままの状態で出土すると、重要な情報が得られます。しかし、多くの研究結果は調査委員会の報告書のみに掲載されることが多く、広く一般に共有されることは稀です。

 

 

江戸時代の遺跡から出土する古代人骨

 

江戸時代(1603年〜1867年)は、徳川幕府が日本を統治していた時代です。

将軍は世襲の最高司令官であり、天皇が形式上の国家元首であったものの、実質的な権力は将軍に集中していました。

したがって、1867年の封建制廃止まで、将軍が日本の実際の支配者とみなされていました。

江戸時代の社会は身分制度が厳格に分かれており、最上位は武士、その下に農民、職人、商人が続き、さらにその下には被差別民層(えた・非人)が存在しました。

当時の首都であった江戸(現在の東京)は、人口約100万人を抱える大都市でした。東京の都市部にある江戸時代の遺跡からは、数千体に及ぶ人骨が出土しています。

 

これまでの研究では、江戸時代の人骨を系統発生学的、病理学的、人口学的に分析してきました。

本研究のような形態学的分析は、当時の人々の体格や形態を明らかにするだけでなく、江戸時代の日本人の形態的な傾向や、現代日本人における形態的多様性の理解にもつながります。

 

※なお、江戸時代では上流階級と庶民では口元の骨格に違いがあることがわかっています。
これは、上流階級ではしっかり調理され柔らかくなった食べ物を食べていたのに対し、庶民はご飯にめざしやたくあんといった質素かつ硬いものを食べていたからだろうと言われています。

 

 

1.なぜ江戸時代と現代を比較するのか

 

私たちの「顔立ち」や「歯並び」は、生まれつきの遺伝だけでなく、食生活や社会環境といった時代背景 に大きな影響を受けています。

今回紹介する研究では、東京都台東区の池之端七軒町遺跡から発掘された江戸時代の女性頭蓋骨を用い、現代日本人女性の頭蓋と比較しました。

これにより「時代による顎顔面形態の違い」が科学的に明らかになったのです。

 

 

2.江戸時代女性の社会的背景

 

江戸時代の女性は現代に比べて非常に厳しい環境で生きていました。

  • 平均寿命は30歳前後。感染症や出産に伴うリスクで短命であった
  • 食生活は硬い食材中心。保存食や繊維質の多い食品を噛む機会が多く、顎への負担が大きかったと考えられる
  • 社会制度の制約。女性は家父長制の中で生き、自由な選択肢は限られていた
  • 女児の間引き。男子を優先する価値観から、出生直後の女児が育児放棄された例も多く、人口構成に影響していた

こうした背景を踏まえたうえで、江戸時代女性の「顔立ちの特徴」を見る必要があります。

 

図は江戸時代人の頭蓋骨のセファロ写真と今回の研究で評価した計測項目を示しています。

細かな内容は割愛しますが、一般的な項目で評価しています。

 

3. 研究方法

 

この研究では、江戸時代女性30体と現代女性40名を対象に比較が行われました。

  • 対象サンプル
    江戸時代:池之端七軒町遺跡から発掘された女性頭蓋骨(上下顎中切歯・第一大臼歯が残存)※国立科学博物館所蔵
    現代:北海道医療大学矯正科を受診した女性
  • 分析方法
    2次元形態計測(Geometric Morphometrics)を使用
    頭蓋の基準点を設定し、上下顎の位置・歯の傾斜・頭蓋形態を比較

 

 

4. 江戸時代女性の顔立ちの特徴(研究結果)

 

分析の結果、江戸時代女性には以下の特徴が確認されました。

  • 上下顎が前方に突出(いわゆる口ゴボ傾向だが現代の傾向とは異なる)
  • 咬合平面が平ら(噛み合わせの角度が少ない)
  • 頭蓋の長さが大きい(S-N距離が長い:現代人と比較して長頭)

つまり、横から見たときに「口元が全体的に出ている」顔立ちだったのです。

 

 

5. 現代女性の顔立ちの特徴

 

一方で、現代日本人女性では次のような特徴がみられました。

  • 鼻の付け根(前鼻棘)がやや突出
  • 歯列は江戸時代ほど前に出ていない
  • 食生活の変化による顎の発達の違い

柔らかい食事や栄養状態の改善により、顎の形態や顔立ちが変化してきたことがうかがえます。

 

 

6. 考察 ― なぜ違いが生まれたのか

 

これらの差異は単なる偶然ではなく、食生活・栄養状態・社会的環境・遺伝 が複雑に関与していると考えられます。

  • 食生活の違い
    硬い食事が顎の成長を促し、江戸時代の女性は上下顎骨が前に出やすかった?
  • 寿命の短さ
    若くして亡くなることが多く、年齢的な成長差が残りやすい。
  • 社会的制約
    女性の生活習慣は現代よりもはるかに過酷で、成長や健康に影響を及ぼした。
  • サンプルの偏り
    現代群は矯正治療を希望した女性が対象であるため、平均的な日本人女性とは少し異なる可能性がある。

 

 

7. 矯正歯科にどうつながるのか

 

この研究は「顔立ちは時代によって変化する」という事実を科学的に示しました。

矯正歯科では、患者さま一人ひとりの「今の骨格」「将来の横顔」を精密に分析することが重要です。

当院では、

  • CBCTによる3D画像
  • セファロ分析による骨格評価
  • 横顔シミュレーション

を組み合わせ、矯正治療の効果を「未来の横顔」として可視化します。

歴史研究で得られた知見を、現代の臨床にも応用しているのです。

 

 

まとめ

 

江戸時代と現代日本人女性の顔立ちは大きく異なり、食生活や社会環境がその差を生み出しました。

  • 江戸女性:口元が前に出ている、寿命が短く過酷な環境
  • 現代女性:食生活の変化で顎形態が変わり、横顔の印象も異なる(短頭傾向)

 

矯正歯科は「時代背景に左右される顔立ち」を科学的に分析し、理想の横顔を実現するための学問です。

ご自身の横顔に関心がある方は、ぜひカウンセリングで未来のシミュレーションをご体験ください。

 

 

参考文献(サイト)

 

池之端七間町遺跡について
https://www.city.taito.lg.jp/gakushu/shogaigakushu/shakaikyoiku/bunkazai/taitoukuiseki/taitoukunoiseki/ikenohata7kentyou.html

国立科学博物館(標本コレクション)
https://www.kahaku.go.jp/research/db/anthropology/osteology/edo/k28/

比較的重度の歯の凸凹、八重歯、正中線のズレの治療例

みなさんこんにちは、日本橋はやし矯正歯科院長の林 一夫です。

今回は表側矯正で治療を行った症例をご紹介いたします。

 

歯の凸凹と八重歯がお悩みでした

 

22歳男性、歯の凸凹(乱杭歯、叢生、ガチャ歯などとも呼ばれます)と八重歯の治療をご希望され来院されました。

 

まずは口腔内の写真を見ていただきます。

上顎の左右の犬歯が八重歯の状態です。八重歯は専門的には「犬歯の低位唇側転位」といいます。

下顎の犬歯も同様に低位唇側転位の状態を示しています。

 

歯肉退縮と歯根露出もあります

 

また、すべての犬歯において歯肉退縮が認められ、歯根がわずかではありますが露出していました。

歯肉退縮は矯正後に改善することがない場合が多い(悪化してしまうこともあります)ので、しっかりと状況の説明を行い治療を開始する必要があります。

 

左右側および上下顎の口腔内写真です。お分かりいただけるように凸凹の程度はかなり重度です。

 

正中線もズレていました

 

スマイル写真では、正中線のズレもはっきりわかります。

顔面正中に対して上顎正中は右側にずれています。反対に、下顎正中は左側にズレています。

 

以下の青い線がおよその顔面正中です。ズレていることがわかります。

 

ご本人的には正中線もしっかり合わせてほしいとご要望をいただきました。

 

異常な生え方をしていた親知らず

 

初診時のパノラマレントゲン写真です。上下顎左右側に智歯(親知らず)が認められます。

 

 

患者さまへのご説明と診断、治療プラン

 

こちらは診断と治療プランです。

治療プランは患者さまのお悩みとご希望をお聞きし、こちらからは歯並びに加えて歯肉退縮や歯根露出、親知らずについてなどもご説明させていただき、最終的に合意に至っています。

  • 診断:上下顎前歯の唇側傾斜、上下顎両側犬歯の低位唇側転位、上下顎に重度の叢生を伴う骨格性Ⅰ級症例
  • 治療方針:上顎両側第一小臼歯、下顎右側第一小臼歯の抜歯をして表側矯正装置で治療
    ※左右のかみ合わせに差があり、また正中も合わせる治療方針であるため、あえて下顎は右側のみの抜歯となっています

 

今回患者さまが表側矯正装置を選択したのは、やはり他の矯正方法と比較して費用が安いことが挙げられます。

また最近は矯正装置が見えても気にされない方が徐々に増えているように感じます。

それだけ、歯列矯正というものが普及してきていることが嬉しく思います。

 

 

治療終了、歯列が整いました

 

治療終了時の口腔内写真を見ていただきます。

まず正面です。

八重歯も適切に改善され、また重度の叢生もきれいに整っていることがお分かりいただけると思います。

 

犬歯の歯肉退縮は初診時と大きく変化はありませんが、悪化は避けることができました。

また歯列が整ったことであまり目立たなくなっています。

 

 

左右側および上下顎の口腔内写真をご覧いただきます。

歯列弓も左右対称に修正され、理想的な歯並びとかみ合わせを獲得することが出来ました。

 

治療後のスマイル写真です。

顔面正中に対して上下顎の歯の正中もぴったりと合わせることが出来、より良いスマイルを提供することが出きました。

 

治療終了時のパノラマレントゲン写真を示します。大臼歯のかみ合わせの調整や術後の後戻りの予防を考慮して治療途中で“親知らず”はすべて抜歯しました。

上に挙げた治療前の写真と比較してみました。

 

治療前
治療後

 

 

今回の治療例まとめ

 

今回の治療例の概要を以下におまとめしました。

同様の症状であっても患者さまにより治療方針は異なりますが、ぜひ参考にしてください。

 

  • 診断:上下顎前歯の唇側傾斜、上下顎両側犬歯の低位唇側転位、上下顎に重度の叢生を伴う骨格性Ⅰ級症例
  • 治療法:上顎両側第一小臼歯、下顎右側第一小臼歯の抜歯抜歯、上下顎表側矯正による治療
  • 治療期間:2年6か月
  • リスク:歯肉退縮の悪化、上下顎前歯部のブラックトライアングルおよび歯根吸収
  • 治療費:110万円(税込み、精密検査料含む/2022年当時の費用)

久しぶりの表側矯正の症例紹介でしたが、表側矯正をご希望になる方は決して少ないわけではなくもちろんたくさんいらっしゃいます。

 

そしてコラムの中でも書きましたが、最近は矯正装置をあまり気にしない方が増えているので、ひとつの装置にこだわることなくさまざまな可能性やメリットなどを検討されることをお勧めします。

 

カウンセリングの際にご質問いただければそういったこともしっかり説明させていただきます。

 

カウンセリングは初回のみ有料(3,000円)となりますが、精密検査をお申込みいただいた方にはキャッシュバックいたしますので実質無料となります。

 

ぜひご予約ください。お待ちしています。

 

【論文概要】デジタル矯正の信頼性を高める研究 ― バーチャル3Dモデル分析の再現性について

研究の概要

 

(このコラムは林院長の論文をスタッフがまとめています)

 

日本橋はやし矯正歯科 院長の林一夫は、これまで100本以上の学術論文を発表し、デジタル矯正の研究に長年取り組んできました。

この研究は国際的に権威のある学術誌 American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics に掲載されました。

 

本研究の背景

 

矯正歯科では、長らく石膏模型を使った診断と治療計画が行われてきました。

しかし、石膏模型は保管や取り扱いに手間がかかり、また計測時の誤差も避けられません。

 

そこで近年、石膏模型をスキャンしてデジタルデータ化し、バーチャル3次元(3D)モデルとして解析する方法が普及してきました。

さらに、直接口腔内をスキャンする手法が急速に普及しつつあります。

 

 

デジタル矯正が広がるなかで重要になるのが「再現性(reproducibility)」です。

異なるソフトウェアや手技で分析しても、同じ結果が得られることが治療計画の信頼性に直結します。

今回紹介する論文は、この再現性に焦点を当て、特に「標準化」がどのような影響を及ぼすかを明らかにした研究です。

 

研究の目的

 

本研究(林ら, AJODO, 2015年)の目的は、バーチャル3Dモデルを用いた歯列模型分析において、測定点を統一(標準化)することが再現性に与える影響を明らかにすることです。

加えて、物理的な石膏模型をデジタルノギスで測定したデータとも比較することで、従来法との違いも検討しました。

 

方法

 

  • 石膏模型5セットを対象にスキャンを実施
  • 使用機器:R700(3Shape社)、REXCAN DS2 3D(Solutionix社)
  • 使用ソフト:SureSmile、Rapidform、I-DEAS
  • 比較対象:物理的な石膏模型をデジタルノギスで計測

標準化を行わず自由に測定した場合と、標準化ルールを設けて測定した場合とで再現性を比較しました。

 

結果

 

  • 標準化なし:ソフト間で最大0.39mmの誤差が生じた
  • 標準化あり:誤差は最大0.099mmに縮小し、有意に再現性が改善した(p < 0.05)
  • 全てのソフト・計測法で、標準化を行った場合の方が誤差が小さいことが確認された
  • デジタルノギスを用いた石膏模型測定では、依然として誤差が生じやすいことも示された

 

臨床的意義

 

この研究が示す最大のポイントは「標準化によってデジタル模型分析の信頼性が大幅に高まる」という点です。

 

矯正治療では、治療開始前に行う診断・シミュレーションの正確さが、治療結果や患者満足度に直結します。

もし計測方法が術者やソフトによってばらついてしまえば、治療計画そのものに不確実性が生じてしまいます。

 

しかし標準化を徹底すれば、誰がどのソフトで測定しても安定した結果が得られるため、患者にとっても安心感が増します。

また、物理的な石膏模型での計測が難しい点も改めて明らかになり、デジタル化の意義が裏付けられたといえます。

 

将来展望

 

この研究の知見は、今後の3Dデジタル矯正において大きな意味を持ちます。

  • AIを活用した自動トレース・診断支援
  • 患者ごとの治療計画をクラウド上で共有するチーム医療
  • 治療シミュレーションのさらなる精度向上

いずれも、基盤となるのは「信頼性の高い3Dモデル分析」です。今回の研究は、その基盤を支える重要な一歩といえます。

 

まとめ

 

日本橋はやし矯正歯科院長である林一夫らによる本研究は、矯正歯科におけるバーチャル3Dモデル分析の再現性を検証し、測定点の標準化が精度を大きく高めることを示しました。

 

当院では、 国際的な学術研究の成果を参考にしながら  、患者さまに安心して治療を受けていただける診療体制づくりを進めています。

 

参考資料

 

Influence of standardization on the precision (reproducibility) of dental cast analysis with virtual 3-dimensional models.
American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics
Hayashi K, Chung O, Park S, Lee SP, Sachdeva RC, Mizoguchi I.

URL:https://www.ajodo.org/article/S0889-5406(14)01007-5/abstract

当院のカウンセリング(4)経験と実績に基づくサージェリー・ファースト

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科院長の林 一夫です。
当院のカウンセリングご紹介、今回はサージェリーファーストについてお話します。

 

サージェリーファーストはこちらのページで説明していますので先にお読みいただくとコラムの内容がわかりやすくなるかと思います。

サージェリーファースト (外科的矯正治療)

 

 

サージェリーファーストとは

 

「サージェリーファースト」とは、矯正治療において外科手術を先行して行う治療方法を指します。

通常の外科的矯正治療では、手術前に数年の術前矯正を行い、その後に外科手術を行う流れが一般的です。

しかしサージェリーファーストでは、最初に外科手術を行うため、早期に顔貌の改善が得られるという大きな利点があります。

 

特に下顎前突や顔面非対称などの顎変形症でお悩みの方にとって、手術後すぐに横顔や口元の印象が改善されることは、心理的にも大きな安心感につながります。

 

 

日本橋はやし矯正歯科のサージェリーファーストの実績

 

当院はこのサージェリーファースト治療を10年以上にわたり継続して行ってきました。

年間の症例数は30例以上にのぼり、豊富な臨床経験を蓄積しています。

この実績は、サージェリーファーストを希望する患者さまにとって大きな信頼材料となります。

 

 

当院のサージェリーファーストにおける外科手術の特徴と安全性

 

 

外科手術というと入院必須なイメージがありますが、下顎のみの手術の場合は入院不要(デイサージェリー)で対応可能です。

 

また外科手術は、東京で豊富な治療実績を持つ著名な美容外科医(リラ・クラニオフェイシャルクリニック)が担当。

 

もちろん患者さまご自身が選定した美容外科医とも連携可能で、チーム医療による柔軟な対応を行っています。

 

当院は矯正専門医として、外科医と密に連携を取りながら、最適な治療プランを構築しています。

 

 

当院のサージェリーファーストのカウンセリング

 

サージェリーファーストのカウンセリングをお受けになるほとんどの方が「サージェリーファーストについて聞きたい」という目的をお持ちです。

つまり、さまざまな方法で得られた知識ですでにこの治療法を知っていて

 

  • 自分はサージェリーファーストで治療した方が良いと思う
  • またはサージェリーファーストは良い治療法だから受けたい
  • でもどのクリニックで受ければいいかわからない

 

ということで、サージェリーファーストを行なっているクリニックをお探しになり、ご来院になります。

 

当院は次からご説明するような詳しいシミュレーション等を行いカウンセリングをしておりますので、ほとんどの患者さまにご納得していただいております。

 

 

サージェリーファーストのカウンセリングで大切にしていること

 

サージェリーファーストは特殊で高度な治療であるため、カウンセリングの段階で不安を解消することが極めて重要です。
当院のカウンセリングでは以下の取り組みを行っています。

 

横顔シミュレーション

 

CBCTでの撮影やセファログラムの分析で治療後の横顔の画像を作成します。
下顎前突などの側貌の改善を、治療前に画像で確認可能です。

CBCTはこちらで説明しています。

当院のカウンセリング(1)CBCTの活用

 

セファログラム分析についてはこちらをご覧ください。

当院のカウンセリング(2):セファログラム分析

 

横顔シミュレーションについてはこちらで詳しく説明しています。

当院のカウンセリング(3)横顔シミュレーションで見える未来

症例の確認

 

豊富な症例の中から、患者さまの状態に近い例をご提示し、一緒に確認させていただきます。

症状及び治療の流れなどをを具体的に理解していただけます。

 

当クリニックの症例集ページ。さまざまな条件で絞り込めるので便利です。

以下よりご覧いただけます。

症例集 (症例一覧) | 日本橋はやし矯正歯科

 

 

選択肢のご提示

 

サージェリーファーストにもいくつかの方法があり、その違いと特徴をわかりやすくご説明します。

 

下顎の後退のみサージェリーファーストで行った場合のシミュレーション

 

この写真は下顎のみの後退を行った場合の外科手術前後の横顔変化のシミュレーションを示しています。(術前:左/術後:右)

 

下顎をシンプルに9mmほど後退させたときの術後の予測となします。

 

下顎の後退とオトガイ形成をサージェリーファーストで行った場合のシミュレーション

 

この画像は先ほどの下顎の後退とオトガイ形成を併用した場合の横顔変化のシミュレーションになります。(術前:左/術後:右)

 

下顎の後退とともに、オトガイ部は3mmほど前方に出しています。
数ミリの調整が顔貌に大きな変化をもたらします。

 

このように患者さまのご要望に応じた術式を追加してシミュレーションを行うことが可能となっておりますので、より詳細に術後変化を予測することで最終的な治療計画に近いプランをカウンセリング時に共有することができます。

 

顔面非対称への対応

 

顔面非対称の場合、多くは上下顎の外科手術が必要になります。この治療には非常に高度な技術と豊富な経験が求められます。

 

当院では、これまでの臨床実績と高度な診断技術により、患者さまに最適なプランをご提案できます。カウンセリングの段階で、どのようなアプローチが必要になるのかをしっかりとお伝えします。

 

費用と満足度について

 

サージェリーファーストは全額自費診療となるため、費用の面では通常の矯正治療より負担が大きくなります。

しかし、短期間で顔貌改善が得られる満足度の高い治療であることから、近年この方法を選択される患者さまは増加しています。

 

まとめますと費用と満足度については患者さまには以下のような特徴があります。

  • デメリット:外科手術を伴う分、治療費用は通常の矯正治療よりも高くなる
  • メリット:骨格から治すため、治療期間は短くなる
  • メリット:骨格から治すため、早期に顔貌に変化があり治療のモチベーションが高い
  • メリット:骨格から治すため、大きな改善が期待できる

 

 

私たちはサージェリーファーストのエキスパート集団です

 

日本橋はやし矯正歯科は、サージェリーファースト治療に長年取り組み、多数の実績を積み重ねてきました。

当院のカウンセリングを受けていただくことで、治療全体の流れを正しく把握し、不安を解消したうえで手術と矯正に臨むことができます。

 

私たちは、サージェリーファースト治療のエキスパート集団として、患者さまのご期待に応える治療を提供いたします。

当院のカウンセリング(3)横顔シミュレーションで見える未来

こんにちは、日本橋はやし矯正歯科院長、林 一夫です。

 

今回は当院の矯正カウンセリングの第三弾として、カウンセリング時に行っている「横顔シミュレーション」についてお話させていただきます。

 

これまで公開したシミュレーションに関するコラムもご覧下さい。

 

当院のカウンセリング(1)CBCTの活用

当院のカウンセリング(2):セファログラム分析

 

 

横顔シミュレーションとは?

 

歯科矯正の横顔シミュレーションとは、矯正治療によって歯並びが改善された後に、顔の横顔がどのように変化するかを、事前に画像や動画で予測・可視化するものです。

 

矯正治療を始めるときに多くの方が気にされるのが「治療後に自分の横顔や口元がどう変わるのか」という点です。

 

特に「口ゴボ」でお悩みの患者さまにとって、抜歯矯正で口元がどの程度改善されるかを事前に知ることは非常に重要です。

※口元がゴボッと前に出ている状態

 

当院では、最新のデジタル技術を活用し、横顔シミュレーションをカウンセリング段階で行っています。

これにより、術後の横顔の変化を具体的な画像として確認でき、治療のイメージを明確に掴んでいただけます。

 

 

口ゴボってどんな状態?

 

口ゴボとは正式には「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」または「上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)」の二つの状態を指すことが多いです。

 

前歯が出っ張った結果、口元がゴボッと前に出ている状態を指します。

 

口ゴボの状態とそうでない状態です。左が口ゴボです。

記事の後半で口ゴボの実際例のお写真もお見せいたします。

 

 

横顔シミュレーションの工程

 

 

一般的な矯正カウンセリングではほとんど行われない、当院ならではの工程をご紹介します。

 

  1. CBCT撮像:骨格や歯の位置を三次元的に把握
  2. セファロ画像の再構築:CBCTデータから頭部X線規格写真を生成
  3. セファログラム分析:上下顎の位置関係や歯の傾斜度を評価
  4. セファロトレース図作成:骨格・歯列を線画化して可視化
  5. 簡易診断から抜歯部位の仮決定
  6. 側貌写真とセファロトレース図の重ね合わせ
  7. 歯の移動シミュレーション:画像上で歯を仮想的に移動させる
  8. モーフィング技術による軟組織変化の反映:唇や口元の変化を再現
  9. 横顔改善後の画像完成

 

 

こちらはCBCT(歯科用CT)の画像です。

歯だけではなく頭蓋骨や歯の根っこの情報まで得られているのがわかります。

 

このCBCT画像を専用の専用の機器で3Dデータに再構築し、ここからセファロ画像を作成します。

 

そのセファロ画像を分析し、骨格や歯の位置などを示すために歯や骨の輪郭などをトレースした「セファロトレース図」を作成します。

 

そしてこのセファロトレース図に横顔のお写真を重ね合わせ(左)、さらにモーフィング技術による軟組織変化の反映 → 唇や口元の変化を再現し(右)、治療後のシミュレーション画像を作成します。

 

 

実際の治療前・治療後のシミュレーション写真

 

左が治療前、右が治療後のシミュレーション写真です。

 

(症例1)

 

(症例2)

 

ここまでシミュレーションできると実際の治療のイメージがとても湧きやすいです。

 

 

横顔シミュレーションのメリット

 

横顔シミュレーションには多くのメリットがあります。

  • 矯正後の変化を事前に確認できる
  • 治療に対する不安が軽減される
  • 治療後のゴールを明確にイメージできるため、モチベーションが上がる

上記はいずれも、患者さまの心理的な不安を払拭し、矯正治療を始める際の前向きなモチベーションになります。

 

横顔シミュレーションは、矯正治療を行う患者さまの大きな支えだといっても過言ではないと思っております。

有料カウンセリングだからこそ、カウンセリングの段階で、精密かつ価値のある横顔シミュレーションをご提供できるのです。

 

 

日本橋はやし矯正歯科の強み

 

当院では、カウンセリングの段階でここまで精度の高いシミュレーションを行うことを大切にしています。

 

これは非常に稀な取り組みであり、一般的な矯正相談ではあまり行われない当院ならではの3Dデジタル矯正技術と診断力によって実現しています。

 

矯正治療は長期間にわたる治療ですが、最初に正確なイメージを持つことが治療の満足度を大きく左右します。

 

有料カウンセリング以上の価値をお伝えできるよう、常に最新のデジタル技術を取り入れています。

 

 

精密検査のご予約で実質無料になります

 

初回カウンセリング費は、当クリニックで精密検査をご予約いただいた方にはキャッシュバックしておりますので、実質無料となります。

お気軽にお越しください。


横顔シミュレーションは、矯正治療を検討する患者さまにとって非常に有益な診断ツールです。

 

当院では、CBCT・セファロ分析・モーフィング技術を組み合わせ、術後の横顔の変化を具体的にお示しすることで、安心して矯正治療を始めていただける環境を整えています。

 

矯正治療をお考えの方は、ぜひ一度当院のカウンセリングで、将来の横顔を体験してみてください。