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裏側矯正に使うリテーナーとは?

裏側矯正に使うリテーナーとは? 基礎知識や注意点を学ぼう

歯並びにコンプレックスを抱えていて、矯正治療に関心を持っている人は少なくありません。

特に歯列の裏側を固定する裏側矯正は、見た目を気にせず治療ができる点で人気があります。

 

一般的に歯の矯正は、器具による歯列矯正の期間とリテーナーによる保定の期間に分かれます。

裏側矯正をした場合も保定期間があるため、リテーナーを付ける必要があるのですが、その際も他の人に気付かれずに治療を続けることが可能なのでしょうか。

 

本記事では、歯の矯正においてリテーナーが必要とされる理由やリテーナーの種類、使用するメリット・デメリット、使用の際の注意点を分かりやすく解説します。

裏側矯正を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

裏側矯正に使用するリテーナーとは?

 

リテーナーは、歯科矯正後の歯並びを固定するために装着される器具です。

一見すると、歯列矯正治療中に歯並びを動かすために使用するマウスピースのようにも見えますが、素材や使用目的が大きく異なります。

 

リテーナーは固定式のものと、取り外しが可能な着脱式のものの2種類に大別されます。

矯正器具のように一定期間装着する必要があるため、要望やライフスタイルに合わせて種類を選びましょう。

 

裏側矯正が終わった後のリテーナー

 

裏側矯正が終わった後のリテーナー

裏側矯正治療が終わった後に使用されるリテーナーについて、必要とされる理由や所要期間の2つのポイントから解説していきます。

 

保定が必要な理由

 

そもそも、裏側矯正治療が終わった後もリテーナーが必要なのはなぜでしょうか。

歯列矯正治療が終了して歯並びがきれいに整ったら、あとは特に何もしないで良いと思いがちです。

 

しかし実際には、歯並びが整っても歯の骨が完全に固まった訳ではありません。

矯正後の歯の骨は不安定で、元の位置に戻ろうとする後戻りを起こす傾向があります。

 

そのためせっかくきれいになった歯並びが、後戻りが起こって乱れることがないようリテーナーで歯並びを固定します。これが「保定」と呼ばれる処置です。

歯の骨が固定して後戻りが収まるまでは、リテーナーを装着して保定を続ける必要があります。

 

保定にかかる期間

 

リテーナーを使った歯列の保定には、どの程度の時間がかかるものなのでしょうか。

保定は状況にもよりますが、だいたい最低でも2~3年ほどの期間を要します。

 

保定が始まってからの数カ月は月に1回、その後は数カ月から半年に1回くらいの頻度で、定期的に通院してリテーナーのメンテナンスを行うため、継続して通院する必要があります。

最近の研究結果から鑑みますと、保定の期間は可能な限り長く続ける方か後戻りに対する予防効果が高いと考えます。

 

歯列矯正の治療期間に加え、保定にもそれなりの時間がかかることを考えると、クリニックは長期間通いやすい場所や環境にあるところを選ぶのも重要なポイントです。

 

リテーナーの種類

 

リテーナーの種類はさまざまです。

しかしながら裏側矯正後に用いる場合は見えないタイプの物を用いることが一般的で、3種類ほどの保定装置から選択することになります。

 

マウスピースタイプ(クリアリテーナー)

 

マウスピースタイプ(クリアリテーナー)

 

マウスピースタイプのクリアリテーナーは、透明な素材でできたマウスピースを歯全体に装着して歯列を保定するリテーナーです。

見た目には装着していることに気付かれにくいメリットがあります。

 

上下の歯が触れる部分はカバーしていない構造であるため、噛み合わせを安定させるための調整ができません。

薄い素材でてきているため、過度に力を入れると破損するおそれがあります。

 

フィックスタイプリテーナー

 

Fixedリテーナー

 

フィックスタイプは、歯の裏側に直接ワイヤーを装着して保定するリテーナーです。

装置は歯の裏側にあるため見た目には目立たず、細いワイヤーは装着感にも優れており、長時間でもさほどストレスなく装着し続けられるのがメリットです。

ユーザー側での着脱はできず、歯磨きのブラッシングもしにくいため、歯科医による定期的なメンテナンスが必要です。

 

リンガルリテーナー

 

犬歯間リテーナー

 

リンガルリテーナーは犬歯間リテーナーとも言い、2つの犬歯の間に並ぶ前歯を整えるためのリテーナーです。

歯の裏側に装着して保定をするタイプであるためほとんど目立たず、装着時も人目を気にせずに生活できます。

長時間での装着を想定した固定式でユーザー自身の手では取り外しができず、歯石や汚れが付きやすいのが難点です。

 

 

裏側矯正に使用するリテーナーのメリット

 

裏側矯正に使用するリテーナーのメリット

裏側矯正に使用するリテーナーのメリットにはどのようなものがあるか、2つのポイントから解説します。

 

見た目が気にならない

 

歯の裏側に固定するタイプのリテーナーは、口を開いた状態でも裏側矯正の器具と同様に装置が目立ちにくいのがメリットです。

歯列矯正や保定をしていることを周囲に知られたくない場合でも、さほど気にせず快適な生活が送れます。

 

矯正治療後もリテーナーでの保定はしばらく続くものの、すでに歯並びはきれいに整った状態であるため、リテーナーが裏側に装着されていることで美しい口元を周囲に見せられるのは、大きなメリットです。

 

固定式は付け忘れの心配がない

 

取り外し式のリテーナーは、食事の際や歯磨きの際に外せるなど使い勝手に優れているものの、ユーザー自身の手での着脱が前提となっています。

そのため、うっかり付け忘れたり、面倒に感じて長期間外したりすると後戻りが起こるリスクがあります。

 

その点、固定式のリテーナーは自分の手では外せないため、後戻りのリスクを低く抑えられます

後戻りによる想定外の出費がかかる心配もありません。

 

 

裏側矯正に使用するリテーナーのデメリット

 

裏側矯正に使用するリテーナーにはどのようなデメリットがあるのか、2つのポイントから見ていきます。

 

取り外し式は固定式より費用が高い

 

ユーザー自身の手で取り外しができるタイプのリテーナーの場合、食事の際に外せるなど使い勝手が良い分、固定式のリテーナーより費用が高い傾向があります。

ただし、装置の費用は矯正費用に含まれることが多いため、一概にリテーナーだけでの比較は難しいのが実情です。

 

また、取り外し式は固定式と違って紛失のリスクもあります。

紛失したら新たに作る必要があるため、余計なコストもかかります。

 

固定式は歯磨きがしにくい

 

固定式リテーナーの場合、裏側矯正同様に取り外しができないため、歯磨きがしにくいのが難点です。

 

固定式は長期にわたり装着し続けるため、器具と歯の間などに食べかすが詰まりやすいタイプもあります。装置に歯ブラシが当たってうまく歯磨きできないことで、虫歯になってしまうこともあるでしょう。

 

保定期間中は歯磨きをできるだけ丁寧に行うとともに、定期的な歯科検診を受けるなどして入念なメンテナンスを心がけるのが大切です。

 

裏側矯正にリテーナーを使用する際のポイントや注意点

 

裏側矯正でリテーナーを使用する際に押さえておくべきポイントや注意点について、解説します。

 

指示どおりの時間装着する

 

裏側矯正で取り外し式のリテーナーを使用する場合は、歯科医に指示されたとおりの時間帯で装着するのが重要です。

 

最初のうちは食事と歯磨き以外のほぼ一日中、リテーナーを装着するよう心がけましょう。

例えば、保定開始から6カ月程度が経過したら一日の約半分は未装着の状態でも過ごせるようになり、さらに1年以降は就寝中のみの装着でOK、などの流れでスケジュールが立てられます。

 

後戻りを防いで保定期間を計画どおりに終わらせるには、多少の煩わしさはあっても歯科医の指示を守りながらリテーナーの装着を心がけましょう。

 

破損・紛失したらすぐに作り直す

 

着脱式のリテーナーは、外している間に紛失してしまうリスクがあります。

また、うっかり歯に力を入れすぎたり雑に扱ったりして装置を破損してしまうケースもあるでしょう。

 

紛失や破損によりリテーナーを失ったまま保定を怠ると、せっかくきれいに直した歯列が後戻りする原因になります。

なるべく早めにクリニックを受診して、リテーナーを作り直してください。

 

うっかりなくさないように保管に気を付けるとともに、壊れたりしないよう丁寧に取り扱いましょう。

 

勝手に中断しない

 

取り外し可能なリテーナーを使用している場合は、自分でもう保定をしなくても大丈夫と思っても、自己判断で装着をやめないようにしましょう。

見た目にはきれいな歯並びになっていても、実はまだ骨がきちんと固定されていない可能性があります。

 

自己判断でリテーナーの装着を中断すると、せっかく保定されていた歯列が後戻りするリスクがあります。

 

裏側矯正は金額的に決して安くはない治療です。

長い時間をかけてきれいに歯並びを整えても、リテーナーで保定をしっかりやらないと後戻りがおこり、これまでかけた労力と費用が無駄になってしまうかもしれません。

 

まとめ

 

裏側矯正を受ける場合、治療終了後にリテーナーできちんと保定をしないと後戻りが起こり、きれいな歯並びが乱れる原因になります。

リテーナーには固定式タイプと取り外し式タイプがあり、メリット・デメリットが異なります。

保定は長期間かかりますが、しっかり行うことで歯列が安定するため、歯科医が立てたスケジュールと指示をしっかり守ってリテーナーを使用するのが肝心です。

 

日本橋はやし矯正歯科では、3Dデジタルシステムの導入により、裏側矯正の治療期間短縮を実現しています。

見た目にこだわった矯正を受けたい方やなるべく短期間で治療を終わらせたいと考えている方は、お気軽にご相談ください。

裏側矯正ができないって言われた!

裏側矯正ができないって言われた! 

歯科矯正をする際、矯正が目立ちにくい裏側矯正を希望する方は多いでしょう。しかし歯や口内の状態によっては、「裏側矯正ができない」と言われてしまう例もあります。

 

今回は裏側矯正のメリットやデメリット、裏側矯正ができない例などを解説しますので、矯正をご検討中の方はぜひ参考にしてください。

 

 

裏側矯正とは?

 

裏側矯正とは、歯の裏側に矯正器具を取り付けて行う歯科矯正のことです。別名を、舌側矯正、あるいはリンガル矯正とも呼びます。

 

一般的に歯科矯正は、歯の表側に矯正器具を取り付けて行います。

矯正器具は金属の他に、透明のブラケットが使われることもありますが、それでも歯の表側に器具が装着されていれば矯正をしていることが見てすぐに分かるでしょう。

 

裏側矯正の場合、見える場所に矯正器具を付けることがないため、他人に知られずに歯科矯正をすることができます。

一方で歯科矯正の中では難易度が高く、どの歯科医師でも対応できる訳ではありません。

 

 

裏側矯正ができないケース

 

裏側矯正ができない代表的なケースは以下の4つとなります。

 

咬み合わせが深い(過蓋咬合)

 

上の前歯が下の前歯に被さってしまうほど深い咬み合わせの「過蓋咬合」は、裏側に装置を装着すると、上の装置に下の歯が当たってしまうので、裏側に装置を付けられない場合があります・

 

歯並びが極端に悪い

 

そもそも顎の位置に問題があり、外科手術をしなければならないほど重度な場合は、歯科矯正だけでは改善が見込めないことがあります。

 

舌が大きい

 

舌の側面にくっきりと歯形がつくほど舌が大きい方の中には、裏側に装置を装着するスペースがない場合があります。

※それほど多くはありませんが、気になる方は矯正歯科のカウンセリングでお聞きになると良いと思います。

 

クリニックが裏側矯正を行っていない

 

裏側矯正はマウスピース矯正や表側矯正に比べて高度な技術を必要としますので、行っていないクリニックもあります。

カウンセリングを受ける前にホームページ等でチェックされると良いと思います。

 

 

裏側矯正のメリット

 

裏側矯正のメリット

 

裏側矯正には通常の矯正に比べて、外から見えにくいだけではなく、虫歯リスクが少ない、食べかすが目立ちにくい、口の中を傷つけにくいなどのメリットがあります。

ここでは、裏側矯正のメリットを詳しく解説します。

 

外から見えにくい

 

裏側矯正において、外から見えにくいのは大きなメリットです。

 

人によっては、矯正中に「歯に装着した矯正器具が他人から見えるのが気になる」と思う方もいます。

例えば、口の中をじっと見られるので恥ずかしい、注目されてしまうのではないか、と不安に感じてしまうようです。

 

裏側矯正は歯の裏側に矯正器具を付けるため、周囲に気付かれずに矯正治療が可能です。

写真撮影などを控えている場合にも、口元を気にせず自然な表情ができるのでおすすめです。

 

虫歯リスクが少ない

 

裏側矯正は、通常の矯正に比べると虫歯リスクが少ないといわれています。

 

表側に矯正器具を付けると、器具に食べかすが詰まったり口が上手く閉じれずに歯の表面が乾きがちになったりします。

しかし、歯の裏側は唾液が循環しやすい環境なので、食べかすが流れていきやすく、唾液の殺菌作用により虫歯の浸食を抑えやすいです。

 

とはいえ、唾液によって食べかすが完全に流れきる訳ではありません。どちらの矯正でも丁寧に歯磨きをすることは大切です。

 

食べかすの詰まりが目立ちにくい

 

食事をすると、矯正器具の周りに食べかすが詰まりやすいのは仕方のないことです。

詰まること自体は、表側の矯正でも裏側矯正でも変わりません。

しかし、裏側矯正であれば矯正器具自体が人から見えないため、食べかすが詰まっていたとしても目立ちにくいでしょう。

 

ただし目立ちにくいからといって、食べかすが詰まったままの状態は虫歯予防の観点でよくありません。

食事の度に、うがいや歯磨きで清潔を保てるようにしておきましょう。

 

口の中を傷つけにくい

 

歯の表側に矯正器具を付けると、粘膜や唇が器具に当たって切れてしまうことがあります。

特にスポーツをする方にとっては、転倒したり何かにぶつかったりすると、口の中が切れるリスクが通常より高くなります。

また表側の矯正は、何かにぶつからなくても口内炎になりやすく、常に痛みを感じることもあるでしょう。

 

裏側矯正では、上記のようなケースで口の中を切ってしまうリスクを減らせるため、不快感を覚えにくくなります。

 

 

裏側矯正のデメリット

 

メリットが多いように見える裏側矯正ですが、デメリットもあります。ここでは、裏側矯正のデメリットを解説します。

 

滑舌に影響がある

 

裏側矯正では、装置装着直後の2週間程度は、舌が矯正器具に当たるためしゃべりにくく、滑舌に影響する可能性があります。

そもそも歯の裏側に矯正器具を付けてしまうと、口の中が狭くなり、舌が動く範囲が制限されます。そのため「矯正器具を取り付けたら滑舌が悪くなった」と感じる方は多いようです。

とりわけ「さ行」「た行」「ら行」は歯の裏に舌を当てるため、発音しにくくなります。しかしながら、すぐに慣れて普段道理に話せるようになるので、あまり心配はいりません。

 

滑舌は生活にあまり影響しないこともありますが、仕事で電話に出ることが多い方などは、できるだけはっきりと発音する工夫が必要です。

 

歯磨きがしにくい

 

裏側矯正に限ったデメリットではありませんが、矯正器具が付いていると歯磨きがしにくいです

矯正器具には食べかすが詰まりやすいため、常に丁寧なブラッシングが必要です。矯正器具専用の歯ブラシもあるため、使用を検討しましょう。

また、磨きにくいところに届きやすいタフトブラシやデンタルフロスも併用すると、さらに汚れが取りやすく虫歯リスクを下げられます。

現在では水圧で歯垢を取るウォーターフロスも多く利用されています。

 

治療期間が長くなる

 

表側の矯正に比べて、裏側矯正の方が長い治療期間を要する傾向があります。これは表側より裏側の方が、技術的に治療が難しいことが原因です。

一般的に、1回の調整にかかる時間も、通常の矯正と比較すると長めです。

矯正の治療は口の中の違和感や口内炎が生じやすく、早く終えたいと考える方も多いため、総じて全体の治療期間や1回の治療にかかる時間が長くなるのはデメリットといえるでしょう。

しかしながら、日本橋はやし矯正歯科で行っている裏側矯正は上記のデメリットを完全に克服し、表側矯正と全く同程度の治療期間・毎回の処置時間で治療を受けていただくことができます。

 

扱っている歯科医院が限られる

 

裏側矯正は表側の矯正に比べて専門的な知識や技術が必要とされるため、対応可能な歯科医師に担当してもらう必要があります。

もしかかりつけのデンタルクリニックで裏側矯正を行っていない場合、クリニック探しから始めなければなりません。

裏側矯正を始めたくても、長期間通いやすく実績も多いクリニックを見つけるのに苦労することも考えられるでしょう。

日本橋はやし矯正歯科は裏側矯正のエキスパートが治療を行いますので、安心して治療を受けていただけます。

 

 

裏側矯正ができない事例

 

裏側矯正ができない事例

 

日本橋はやし矯正歯科で行っている裏側矯正では、すべての症状を治療することができますが、一般的に従来の考え方では以下のように治療できない場合がありました。

 

  1. 著しく歯並びが悪い場合
  2. 舌が大きい場合
  3. かみ合わせが深い場合

 

繰り返しますが、日本橋はやし矯正歯科で行っている裏側矯正では、すべての症状を治療することができ、上記のような場合でも全く問題なく治療行うことができる最新の裏側矯正を提供しています。

まとめ

裏側矯正は、歯列矯正をしていることが目立ちにくいため検討する方も多いですが、口内の状態によってできない例もあります。

裏側矯正ができなくても、他の目立ちにくい矯正方法があるため、あきらめずにまずは歯科医師へ相談してみましょう。

 

日本橋はやし矯正歯科では、裏側矯正の治療を行っています。

裏側矯正には高度な技術が必要で治療期間も長くなりがちですが、日本橋はやし矯正歯科の裏側矯正では表側の矯正とほぼ同じ期間での矯正が可能です。

歯列矯正を人に知られたくない、目立たずに矯正をしたい、他院で裏側矯正ができないと言われてしまった、といった場合はぜひ一度お気軽に日本橋はやし矯正歯科へご相談ください。

 

裏側矯正の症例は以下のページをご覧ください。

【 症例あり 】 裏側矯正(リンガル矯正)

第10回 日本アライナー矯正歯科研究会で講演しました

みなさんこんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

今回は先日開催されました第10回日本アライナー矯正歯科研究会での講演についてレポートしたいと思います。

 

 

日本アライナー矯正歯科研究会とは

 

日本アライナー矯正歯科研究会とはアライナー矯正の普及を目的とし、多くの患者様のニーズに合わせた治療を提供するため、アライナーの種類の垣根を超えたアライナー矯正治療について知識を共有し、深めるための研究会です。

 

私は第8回大会に引き続き、2回目の講演を行わせてい頂きました。

 

本大会は、2023年12月2日と3日の2日間で行われました。場所は港区海岸にあります「東京ポートシティ竹芝 1F ホール」でした。

とても綺麗な会場で、多くの先生方にご参加いただきました。

 

 

演題「最新のsuresmile アライナーによる矯正治療」

 

今回の私の演題は「最新のsuresmile アライナーによる矯正治療」です。

写真は会場の様子です。メイン会場のスクリーンです。

 

 

私の講演は最終日の3日、午前中の最初に行われました。

 

 

講演開始までの時間帯で、今日の演者の先生方の写真が順番に映し出されました。私の写真も出てきましたのでタイミングよく撮れました。

 

会場に参加された先生は50名ほど、またライブ配信で参加された先生は150名とのことでした。

アライナー矯正治療(マウスピース矯正治療)が急激に世の中に普及し、様々な意味で話題になる中での開催はとても意義深いものだと思います。

 

 

suresmile アライナーの様々なお話をさせていただきました

 

私の講演では「最新の suresmile アライナーを用いた矯正治療」と題し、日本橋はやし矯正歯科でも使用しているsuresmile アライナーの最新情報や治療例などをお話させていただきました。

 

 

suresmile アライナーの効果的な点、特に3Dモデルに関して歯、歯根、歯槽骨を正確にモデル化した仮想患者モデルは診断のみならず、治療計画の立案にとても効果的であることをお話ししました。

 

30分ほどの講演でしたが参加されている方はみなさまとても真剣にお聞きいただけました。

 

 

尾島大会長より感謝状をいただきました!

講演後、大会長の尾島先生から今回の講演、そして今までの研究会への貢献に対する感謝状を授与していただきました。

 

 

尾島先生は日本のアライナー矯正を牽引するトップランナーのお一人です。

今回このような講演の機会をあたえていただき心から感謝したします。

 

 

日本アライナー矯正歯科研究会による当日のレポートは以下でお読みいただけます。

第10回日本アライナー矯正歯科研究会

 

当院のマウスピース矯正に関する最新コラムは今回講演させていただいた「suresmileアライナー」をわかりやすく説明しています。ぜひお読みください。

suresmileアライナーは最先端のマウスピース矯正システムです

 

矯正歯科治療の未来のため、講演活動も頑張って行っていきたいと思います。

suresmileアライナーは最先端のマウスピース矯正システムです

みなさんこんにちは。日本橋はやし矯正歯科院長の林 一夫です。

今回は当院で主に用いておりますマウスピース矯正(アライナー矯正)の最新システムであるsuresmileアライナーについての最新情報をお伝えします。

 

現在、世界的に数多くのマウスピース矯正(アライナー矯正)システムが存在していますが、その中でも当院が運用しておりますsuresmileアライナーは、最新の技術が詰まったとても効果的な治療システムです。

 

このsuresmileアライナーのお話をするために、マウスピース矯正に欠かせないアタッチメントの説明から、マウスピース矯正のタイプについてなどを詳しく説明しておりますのでぜひお読みください。

 

 

マウスピース矯正には原則「アタッチメント」が必要です

 

マウスピース矯正(アライナー矯正)を行う場合、アタッチメントと言われる歯の表面に着ける突起を用いることが多いです。

 

アタッチメントのメリット

 

この「アタッチメント」はもちろん必要があって存在しているものです。主なメリットは以下となります。

  • マウスピースをしっかりと歯に装着させるための鍵の役割を果たす
  • アタッチメント自身が歯を押すのでより効率的に歯が動く

 

アタッチメントのデメリット

 

このようにアタッチメントは治療の効果を高めるために重要な役割を果たすのですが、いくつかの問題がありました。

  • 少しでもマウスピースが合わなくなるとアッタチメントがあることで逆にマウスピースのフィイット度合いが急激に低下してしまう
  • よく見るとアタッチメントの存在がわかってしまうことがあることが「見えづらい矯正装置」としては難点になる
    ※滅多にありませんがご本人が気にされることが多いです
  • アタッチメントが脱落することがあり、その場合はクリニックへの通院が必要となる

 

アタッチメントのない格安のマウスピース矯正について

 

なお、アタッチメント不使用の簡易的なマウスピース矯正もありますが、歯をわずかしか移動できないので、全く根本的な治療になっていないことがほとんどです。

 

マウスピース矯正をお考えの方は、ご利用を検討されているサービスがどのようなものか細かくお調べされることをお勧めします。

 

 

アタッチメントの数を可能な限り少なくした治療が可能

 

アタッチメントは必要ですが、場合によっては困ることもあるということを上記で説明しました。

 

この「アタッチメント数を減らしながら歯とマウスピース装置のフィット感を高める」ためには、「マウスピースの辺縁(マウスピースのフチに該当する部分)の高さを高くする」ことが効果的であるということがいろいろな研究から分かってきました。

 

suresmileアライナーでは、マウスピースの辺縁の形状や高さを自由に設定できるので、アタッチメントが少なくても、もしくは症状によってはアタッチメントがなくても歯の動きをコントロールすることができるようになりました。

 

アタッチメントは脱落してしまうこともあり、そのたびに通院が必要となっていましたが、その必要がなくなるのは患者さまには安心だと思います。

 

 

画像はsuresmileで使用可能な辺縁形態の例です。

左がスカラップタイプ、右がストレートタイプ。

ストレートタイプがマウスピースの辺縁(マウスピースのフチに該当する部分)を高くできるタイプです。

 

次にそれぞれの特性について説明いたします。

 

suresmileアライナー スカラップタイプについて

 

マウスピース矯正のスカラップタイプ

 

顎間ゴムをかけやすい

 

顎間ゴム(ゴムかけともいいます)が使いやすいタイプです。

顎間ゴムをかけるとゴムの力で歯が動くのでとても効率的に矯正治療を行えます。

以下の部分に顎間ゴムをかけます。

  • 上顎の黄色いバー:スリット
  • 丸いグレー:ボタン

顎間ゴムについては以下のブログで詳しく説明していますので併せてお読みください。

 

矯正体験レポート第五回:顎間ゴムを付けました!

 

着脱が容易で快適

 

コンパクトなので着脱が容易、使用感もより快適です。

 

辺縁を高くできないのでアタッチメントは減らしにくい

 

辺縁を高くするとスカラップ形状ではなくなってしまうので高くできません。

またアタッチメントは減らせないわけではありませんが、治療効率は下がってしまいます。

 

 

suresmileアライナー ストレートタイプについて

 

 

比較的大きな動きに対応

 

アライナーの剛性が高いので、歯列弓の積極的な拡大や歯の圧下などを行う治療計画の場合はこちらを選択します。

 

アタッチメントを減らすことができる

 

ストレートタイプはマウスピースの辺縁(マウスピースのフチに該当する部分)を高くできますのでアタッチメントを減らすことができます。

 

状態や目的に応じて治療計画を立てます

 

このように、治療計画によってマウスピースの形状が違いますのでカウンセリングで詳しくお話をお聞きして決めていく必要があります。

 

ひとくちに「マウスピース矯正」と言っても様々な治療計画があることを覚えていただければと思います。

 

 

加速矯正装置が治療費の中に含まれています

 

suresmileアライナーには「suresmile Vpro」がセットになっているパッケージがあります。

医療機関で対応が異なる場合がありますが、当院では標準的なマウスピース矯正の治療費にこのsuresmile Vproが含まれています。

 

装置装着時の不快感の改善を目的として日本国内では承認を受けているデバイスですが、海外では加速矯正装置として承認を受けており、1日5分間の使用で治療期間の短縮につながることがいくつかの研究で報告されています。

 

参照:矯正治療の効率を高める補助的装置 VPro+ について


このように当院で用いておりますsuresmileアライナーは、最新のテクノロジーを融合した非常に効果的なマウスピース矯正治療を提供することができます。

 

ぜひカウンセリングをお受けいただき、当院での治療を検討いただければと思います。

2023年の歯科矯正の主な講演活動です

みなさんこんにちは。日本橋はやし矯正歯科院長の林一夫です。

今回は今年の講演活動などの近況報告をさせていただきたいと思います。

 

私は、日々の臨床を行いながら3Dデジタル矯正の更なる普及に向け、また後進の育成のために様々な活動をしています。

その中のひとつがこれからご紹介する「講演活動」です。

 

なかなか時間的な余裕がなくなり大変な時もありますが、近年のデジタル矯正の認知度の高まりを感じながら、講演活動を続けております。

普段の診療とはまた別な情報となりますが、歯科矯正の発展にとって大切なことですので、ぜひお読みいただければと思います。

 

 

日本デジタル歯科学会 2022年度冬季セミナー(配信)

テーマ:「SureSmile Alignerの臨床」
開催:2023年2月23日(木)

 

最新のsuresmileアライナーに関する講演を行いました。システムの運用方法や実際の治療例を供覧し、suresmileアライナーの理解を深めてもらう機会となりました。

 

長崎大学歯学部特別セミナー(長崎)

 

 

テーマ:教職員対象の矯正セミナー「最新のデジタルテクノロジーを用いた矯正治療」
開催:2023年6月26日(月)

 

私が実践してきた3Dデジタル矯正の臨床について、基礎的事項からかなり深いお話をさせていただきました。
長崎大学歯学部矯正科の主任教授であります吉田教授とは私が大学時代から交流があり、ぜひ医局員に最新の情報を伝えてほしいとお話をいただき、講演させていただきました。

 

テーマ:学部学生対象(非常勤講師)歯科矯正学学生講義 「顎変形症の矯正治療」
開催:2023年6月27日(火)

 

基礎的な顎変形症に対する外科的矯正治療の講義を学部の学生に行いました。

 

第3回日本臨床歯科CADCAM学会(大阪)サマーフェスティバル・ランチョンセミナー

 

テーマ:「SureSmile Alignerの臨床」
開催:2023年7月16日(日)

 

2023年には振動型フィッティング装置Vproと保定装置リテーナーが発売となり、ますます治療効果を高めることが期待できるようになったSureSmile Aligner。

 

ここでは現在日本で使用可能なSureSmile Alignerにフォーカスを当て、製品の歴史から特徴、実際の症例供覧を交えてお話いたしました。

 

当日の内容は以下の記事で説明しています。
【ドクター向け】SureSmileアライナー・ランチョンセミナー(大阪)

 

 

第 17 回東北矯正歯科学会秋期セミナー(Webinar 開催)

 

テーマ:「3Dデジタル矯正の臨床」
開催:2023年11月23日(木・祝日)

 

今回の講演では、歯科用コーンビーム CT(CBCT)データを基にした3D 患者モデル(ヴァーチャルペイシェント)の特徴と有効性をお話しました。

 

歯、歯根、歯槽骨を正確にモデル化した仮想患者モデルから得られる情報非常に多くまた有用であり、効果的で効率的な治療計画の立案が可能となるばかりでなく、より安全な治療を患者に提供することができます。

 

 

第10回日本アライナー矯正研究会(東京ポートシティ竹芝)

 

テーマ:「最新の suresmile アライナーを用いた矯正治療」
開催:2023年12月2日(土)、3日(日)

 

最新のsuresmileアライナーに関する講演を行いました。
運用に関する最新トピックも含めて、前回お話しできなかった治療が終了した症例も複数供覧しました。


こちらで紹介したすべての講演が終わったわけではございませんが、ひとまず今年の講演活動がすべて形になることで少し安堵しています。

 

すでに来年行われる講演の予定に向け、日々の診療と共に全力で行って参りたいと思います。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。