こんにちは、日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。
前回に続き、当院で行っている感染対策の取り組みについて、最新の機器の有効性を解説しながらお話したいと思います。
前回の記事はこちらとなります。
新型コロナ問題で歯科医院の感染症対策あり方が問われています
まず以下の記事をご覧ください。
「新型コロナ感染の懸念 歯科医院の5割が危ない理由」(現在元記事は削除されています)
以前から何度か記事になってきたことですので特に歯科医療に従事されている方はご存知の方も多いかと思います。
上の記事より引用します。
歯を削る時に使用するハンドピースは、回転を停止した時に血液や唾液などが逆流する「サックバック現象」が起きることがある。患者が新型コロナウイルスに感染していた場合、そのまま次の患者にハンドピースを使用すれば、感染する可能性は高い。
万が一サックバックが起きても、次の患者さまに使用する際に適切に滅菌されていれば問題ありません。
しかし、
厚労省の研究班として、東北大学の江草宏教授が2017年に行った調査では、「使用済みのハンドピースを患者毎に交換し、滅菌を行う」と答えた歯科医は、52%だったのである。
とあります。半数近くが患者さまごとに滅菌していないなど言語道断です。
歯科治療で用いるハンドピースと呼ばれる機器(簡単に言うとドリルです)は、しっかりとした感染対策の元、使用されなければなりません。
感染症対策:当院のハンドピースの滅菌について
日本橋はやし矯正歯科では、デンツプライシロナ社製のダックユニバーサルという最新滅菌機器を用いてこのハンドピースを効果的に滅菌し、日々の診療に用いています。
DAC Universal | DAC ユニバーサル
矯正歯科専門クリニックですので一般歯科に比べるとハンドピースの使用頻度は高くはありませんが、1回の使用毎に必ず消毒・滅菌を行い、感染対策を徹底して行っています。
ダックユニバーサルによるハンドピースの滅菌
滅菌の手順は以下のようになります。
1)内部洗浄:注水回路を水で洗浄します。
2)駆動回路を注油します。
3)温水による外部洗浄をおこないます。
4)滅菌:134℃で3分間の滅菌を行います。
上記の工程で洗浄、滅菌処理が完了します。
このような処理を毎回行うことで、仮に記事あったようなサックバック現象が起こったとしても、感染リスクを排除することが可能ですので、みなさまご安心ください。
感染症対策:オートクレーブ(高圧蒸気滅菌装置)による滅菌について
また、以前国会の答弁でオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)に関する内容がありました。
「衆議院議員石井啓一君提出歯科用ハンドピースによる院内感染防止策に関する質問に対する答弁書」の記事より引用します。(現在は元記事は削除されています)
お尋ねの歯科用ハンドピース(以下「ハンドピース」という。)については、使用後に高圧蒸気滅菌装置(オートクレーブ)等による滅菌を行うことが望ましいと考えているが、充てん物の研磨等に使用する場合は、治療時に雑菌の付着を防ぐための措置を講ずるとともに、使用後に薬物による消毒を行うことによっても、感染予防に十分な効果が得られるものと認識している。
すべての手用機器はオートクレーブによる滅菌処理を行い、診療に用いています
日本橋はやし矯正歯科では、同じくデンツプライシロナ社製のクラスB滅菌器のDACプロフェッショナルを使用しています。
DAC Professional DAC プロフェッショナル | デンツプライシロナ
歯科医院の衛生環境を高める点において非常に重要な機器となります。
当院は開院当初より患者さまの安全を全力でお守りするため、衛生と感染症対策に取り組んでおります。
どうぞご安心してご来院くださいませ。
参考サイト(文献)
Autoclave sterilization of dental handpieces: A literature review
歯科院におけるオートクレーブ滅菌の重要性を述べています。
厚生労働省委託事業「歯科診療における院内感染対策に関する検証等事業」
一般歯科診療時の院内感染対策に係る指針(第 2 版)