こんにちは。日本橋はやし矯正歯科院長、林一夫です。
突然ですが、矯正治療で一番大切なことはなんでしょうか?
これから治療を受けられる方のほとんどは「治療が終わった後の歯並び」と答えるでしょう。
しかしベテランの矯正歯科医は皆「患者さまが総合的に満足される結果」と答えると思います。
今回のお話はとても大切なのでみなさまぜひお読みください。
目次
理想の治療とは何か?
QOLを第一に考えた治療
私が矯正歯科医として治療をしてきた経験から、理想の治療とは「患者さまのQOLを考慮した治療」だと申し上げます。
QOL(Quality Of Life、生活の質)という言葉を改めて考えてみましょう。
国立がん研究センターのサイトの説明が分かりやすいので引用します。
治療や療養生活を送る患者さんの肉体的、精神的、社会的、経済的、すべてを含めた生活の質を意味します。
QOLは、このような変化の中で患者さんが自分らしく納得のいく生活の質の維持を目指すという考え方です。治療法を選ぶときには、治療効果だけでなくQOLを保てるかどうかを考慮していくことも大切です。
https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/quality_of_life.html
矯正治療はもちろん歯列を正すことがメインとなりますが、それに伴うことが沢山あります。
それを治療前のカウンセリングで十分に患者さまにご説明をしなければ患者さまが後悔してしまうこともあるのです。
QOLに関わるものは?
それでは治療結果以外の部分でQOLを下げる可能性がある負担について説明いたします。
- 身体的な負担
矯正治療の場合は、抜歯をするのかしないのか、またどの歯を抜歯するのかで、負担の程度が変わります。
また、サージェリーファーストでは、上下顎骨両方を手術するのか、下顎のみの手術で行うのかで、身体的は負担が大きく変わります。 - 経済的な負担
矯正治療費はもちろんのこと、矯正治療でお仕事をお休みすることがあったり矯正治療のために購入するものがあったりなどの経済的な負担です。
外科手術を伴う場合は手術や入院の費用も含まれます。 - 社会的な負担
営業職や接客業など人前でお話するお仕事の方や、司会者やタレントさんなど外貌が重要になるお仕事の方は治療法計画を綿密に立てる必要があります。
それ以外にも「矯正器具が気になってお仕事や学業に集中できない」「お友達の視線が気になる」「矯正中だということを知られたくない」など様々なことが負担となります。
また矯正期間が長くなればなるほど負担が大きくなる傾向にありますので、当院の3Dデジタル矯正でできるだけ矯正期間を短縮しております。
小さな負担でも大きなストレスになる
上記に記載したのは負担の中のごく一部。中には些細に思われることもあるでしょう。
しかしご本人にとっては大変な悩みであったり、小さな負担が積もり積もって大きな問題になることもあります。
どうか、皆さまに最良の矯正治療を行なって頂くためにも「これぐらいのこと」と思わないでください。
つい「治療結果」ばかりを求めがち
特に矯正治療未経験の患者さまは「より良い治療結果を」求めてしまいがちです。
それは現在悩んでいることをとにかく解消したいとのお思いがありますので仕方がないことです。
しかし問題なのは未熟な矯正歯科医も同様に考えているケースがあることです。
QOLの徹底説明の大切さ
このような場合は一見「最良の治療結果」で合意したように見えますが、その後に費用面や身体面(痛みなど)、社会面(治療の長期化など)でトラブルが起きることがあります。
とても残念ですがこれはQOLについての説明が足りなかったことが大きな原因と言えます。
当院ではカウンセリング時に矯正治療中、そして治療後にどのようなことがあるかを徹底的にお話させて頂きます。
正直「ちょっとしつこいかな」と自分でも思うことがありますが、患者さまにご納得をいただけるとホッとするものです。
ぜひこの記事をご参考に、矯正治療のカウンセリングに行かれた際は矯正歯科医に様々なことをご質問頂ければと思います。
当院はもちろん、これらを大前提に無料カウンセリング時に徹底したご説明を行なっておりますので、ご遠慮なくご連絡ください。
これを大切にすることで、みなさまがより素敵な笑顔を獲得できますように。
参考文献(サイト)
矯正治療を行う上で、口唇とオトガイの形態は、審美性を評価する上で重要であるり、矯正治療を希望する患者の 80%以上は審美性の改善を主訴に来院しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3863490