こんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。今回は3Dプリンターについてお話ししたいと思います。
日本橋はやし矯正歯科で行っている3Dデジタル矯正において、非常に有効なツールである「3Dプリンター」。様々な業界での活用法がニュースの話題にもよく取り上げられていますが、デジタル矯正ではいち早くこの画期的な機材を取り入れ、矯正臨床に応用してきました。
最近では特に、非常に重要な役割を担っており、デジタル矯正にはなくてはならないシステムが増えてきています。それでは、いくつか見ていきましょう。
目次
セットアップモデル(矯正治療後の歯の移動の予測モデル)の作製
矯正治療では、従来より石膏模型を使って歯の移動の予測モデルを作製し、患者さんに説明用として使ってきました。
しかしこれは元の石膏模型を分割し、歯を1本1本手作業で並べるという、とても時間と労力が必要な作業なのです。
この作業の負担を減らし、なおかつより正確な予測モデルを作成するため、デジタル矯正治療ではこのセットアップの作業を完全にデジタル化。
最終的な予測モデルを3Dプリンターでプリントすることが可能となりました。
▼3Dプリンターで出力された歯の移動のセットアップモデル。
3Dプリンターでプリントされた予測モデルを用いた矯正装置装着用ジグの作製
矯正治療では、歯に矯正装置(ブラケットと呼ばれています)を接着して、ワイヤーをその装置にセットして歯を動かしていきます。ですので、この矯正装置がより正確な位置に接着できるかどうかがとても大切になります。
特に裏側矯正ではブラケットの位置づけが非常に大切で、その後の治療の進み具合を左右することもあります。
日本橋はやし矯正歯科で行っているデジタル矯正では、ロボットが屈曲した高精度カスタムワイヤーを用いています。
このカスタムワイヤーがブラケットの位置的なエラーを補正し、より良い位置に歯を動かすことが可能なのですが、もちろん、元々ブラケットがちゃんと適切な位置に着いているにこしたことはありません。
▼裏側矯正で用いるブラケット装着用のジグ。
このジグを使うことによって、より正確な位置にブラケットを接着することが可能になりました。
現在のところ、裏側矯正に用いるブラケット接着用のジグは、3Dプリントされた予測モデル上で、歯科技工士が手作業でつくることが多いです。こちらの写真のジグも、技工士さんが手作業で作製したものです。
ブラケット装着用のジグを直接3Dプリンターで作製!!
この方法が現在のところ、最も効率よく、より正確な位置にブラケットを接着することができます。しかし、現段階で実用化されているのは表側矯正の場合のみです。
▼左がソフトウェア上で設計された表側矯正に用いる装置の接着用のジグ、右が実際にプリントされたジグ。
左の画像データを直接3Dプリンターで出力し、プリントされたものがジグになります。シンプルな工程ですが、非常に精度の高いものが完成します。
裏側矯正用のジグのプロトタイプの試作
日本橋はやし矯正歯科で運用しているデジタル矯正は、常に進化を続けています。
現時点で実用化されているのは表側矯正用だけですが、もちろん裏側矯正用も実用化を目指して開発を続けています。
私は、アメリカ発のデジタル矯正システムであるsuresmileのインストラクターを務めています。ですのでsuresmileの新しいサービスやソフトウェアの機能追加に関して、試作品の試用を行ったり、ソフトウェアのベータ版をリリース前に使う機会があります。
▼私が製作に初期段階から協力した裏側矯正用のブラケットの装着ジグの試作品。
このように裏側矯正でも、直接ジグを3Dプリンターでプリントすることができるようになるのはもうすぐです!!
ここからデザインの変更はあるかと思いますが、最終的にはかなり完成度の高いジグがリリースされるでしょう。とても楽しみです。
いかがでしたでしょうか?
新しい3Dプリンターは、デジタル矯正治療をより進化させ、より良い治療結果を患者様に提供することができる画期的なテクノロジーです。
日本橋はやし矯正歯科は、これからも新しいテクノジーを用いながら、より良い矯正治療を患者様に提供すべく努力して参ります。