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口ゴボ・八重歯をハーフリンガル矯正で改善した症例|Eラインを整える抜歯矯正のプロセス

2026/03/05 11:30:26

この記事の監修・執筆者: 林 一夫(日本矯正歯科学会 指導医)

日本矯正歯科学会および日本顎関節学会の両方で指導医資格を持つ専門家。デジタル技術を駆使した安全な矯正治療を提唱。

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資格

日本矯正歯科学会認定医(第2293号)
日本矯正歯科学会指導医(第608号)
日本デジタル矯正歯科学会認定医
日本顎関節学会認定 歯科顎関節症専門医(第343号)
日本顎関節学会認定 日本顎関節学会指導医(第208号)
・デンツプライシロナ公認 SureSmile/Adance/Orhto/Aligner ファカルティ・ドクター/インストラクター・ドクター

上顎裏側・下顎表側矯正(ハーフリンガル矯正)で口元の突出感(口ゴボ)を改善した骨格性Ⅰ級症例

 

みなさまこんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林一夫です。

今回も当院で矯正治療を行い、無事に治療を終了した患者さまの症例をご紹介いたします。

「出っ歯」と「八重歯」の改善をご希望の患者さま

 

今回の患者さまは 20歳女性で、「出っ歯」と「八重歯」の改善を主訴として来院されました。

 

 

治療前の状態

 

 

まずは治療前の口腔内写真です。

上顎右側犬歯の「低位唇側転位(いわゆる八重歯)」が認められます。

また、上下顎の正中線もわずかではありますがズレていることがお分かりいただけると思います。

 

右側の口腔内写真では、上下顎前歯が前方へ強く傾斜している(出っ歯)ことが確認できます。

このような状態は 歯槽性の上下顎前突と呼ばれます。

 

前歯が前方へ傾くと、口唇も前方へ突出しやすくなります。その結果、

  • 口元が前に出て見える(口ゴボ)
  • 口が閉じにくい(口唇閉鎖不全)

といった症状が生じることがあります。

この患者様も、歯並びの改善とともに口元の突出感の改善を強く希望されていました。

 

 

治療前の横顔

 

治療前の横顔の写真です。

上下口唇の突出感があり、口元のバランスがやや前方に突出している状態が認められます。

 

 

本症例の診断

 

 

本症例は以下の特徴を持つ症例でした。

 

  • 口唇閉鎖不全、上下顎前歯の唇側傾斜、上顎両側犬歯の低位唇側転位、上下顎に中等度の叢生が認められる骨格性Ⅰ級症例

 

どんな装置と抜歯方法で治療したのか

 

本症例では

  • 上顎両側第一小臼歯
  • 下顎両側第二小臼歯

の抜歯を行い、ハーフリンガル矯正(上顎裏側・下顎表側)によって治療を行いました。

 

 

ハーフリンガル矯正の特徴

 

ハーフリンガル矯正は

  • 上顎は裏側矯正なので目立ちにくい
  • 下顎は表側矯正なので治療効率がやや高い
  • 下顎が表側矯正なので上下裏側矯正より費用が抑えられる

というメリットがあり、審美性と治療効率および費用のバランスが良い治療方法です。

ハーフリンガル矯正の詳細は以下のページをご覧ください。

【症例あり】ハーフリンガル矯正

治療の流れ

 

  1. 精密検査(CBCT・セファロ・模型分析)
  2. 診断および治療計画の説明
  3. 上顎小臼歯の抜歯と上顎裏側装置の装着
  4. 下顎小臼歯の抜歯と下顎表側装置の装着
  5. レベリング・アラインメント
  6. 抜歯スペースの閉鎖
  7. 咬合の最終調整

 

 

治療後

 

 

治療後の正面口腔内写真です。

八重歯は適切に改善され、上下の正中線も一致しています。しかしながら、下顎前歯部にわずかなブラックトライアングルが認められます。

ブラックトライアングルは歯並びが整った際に歯の形態や歯肉の状態により生じることがあり、矯正治療では一定の確率で起こる可能性があります。

 

※当院では、3Dシミュレーションで事前にこのリスクを予測し、極力回避または最小限にとどめるよう、必要に応じて歯の形を微調整(IPR)するなどの対策を行っています。

 

IPR(ディスキング)についての詳細は以下をご覧ください。

矯正体験レポート【スタッフA】(3)IPRの説明と感想

 

側面の咬み合わせ

 

側面の口腔内写真です。

上下顎前歯の唇側傾斜が改善され、機能的にも審美的にも良好な咬合関係が得られました。

 

 

横顔の変化

 

治療後の横顔の写真です。

上下口唇の突出感が改善され、よりバランスの取れた自然な口元になりました。

また鼻先と顎先を結ぶEラインの内側に口唇が収まり、バランスが整いました。

患者さまも大変喜ばれており、治療結果に満足していただくことができました。

 

 

症例まとめ

 

診断
  • 口唇閉鎖不全
  • 上下顎前歯の唇側傾斜
  • 上顎両側犬歯の低位唇側転位
  • 上下顎に中等度の叢生
  • 骨格性Ⅰ級症例
治療方針
  • 上顎両側第一小臼歯、下顎両側第二小臼歯の抜歯
  • ハーフリンガル矯正(上顎裏側・下顎表側)
リスク
  • 歯肉退縮
  • ブラックトライアングル
  • 歯根吸収
治療期間 3年
治療費 125万円(税込)※精密検査料別(2022年当時)

 

 

この症例に関するよくある質問

 

 

Q.出っ歯と八重歯の治療には、必ず抜歯が必要ですか?

 

A.抜歯の有無は「歯を並べるスペース」と「理想の横顔(Eライン)」のバランスで決まります。

 

歯を並べるスペースが著しく不足している場合や、口元の突出感(口ゴボ)を大きく下げたい場合は、小臼歯を抜歯してスペースを確保することが有効な手段となります。

当院では3Dデジタルシミュレーションを用い、抜歯した場合としない場合で「横顔がどう変わるか」を事前に比較し、納得のいく計画をご提案します。

 

3Dデジタルシミュレーションの詳細は以下をご覧ください。

側貌(横顔)の術後シミュレーション

 

Q.ハーフリンガル矯正とは何ですか?

 

A.ハーフリンガル矯正とは、上顎は裏側矯正、下顎は表側矯正を組み合わせた治療方法です。

 

Q.ハーフリンガル矯正のメリットは何ですか?

 

A.「目立ちにくさ」「治療効率」「費用」の3つのバランスに優れている点です。

 

最も目立つ上顎には裏側装置を使用し、比較的目立ちにくい下顎には表側装置を使用します。

すべて裏側にする「上下裏側矯正」に比べて費用を抑えられるだけでなく、下顎の装置操作がしやすいため治療期間の短縮にも繋がります。

当院でも、審美性と効率を両立させたい方に人気の高いプランです。

 

Q.矯正治療後に「ブラックトライアングル」ができるのは防げますか?

 

A.完全に防ぐことは難しいですが、事前の予測と処置で目立たなくすることが可能です。

 

ブラックトライアングル(歯の隙間の小さな三角形)は、重なっていた歯が整う際に歯肉の形態によって生じます。

当院では3Dデータで発生リスクを事前に把握し、必要に応じて「IPR(歯の幅の微調整)」を行うことで、隙間が目立たないよう改善を行います。

 

Q.出っ歯を治すと、本当に横顔(Eライン)も変わりますか?

 

A.はい、前歯の傾きを改善することで、口元の突出感が解消されEラインが整います。

 

特に本症例のように前歯を後退させる治療を行うと、連動して唇も下がります。

鼻先と顎先を結ぶ「Eライン」の内側に口唇が収まるよう、院長がミリ単位で後退量を計算して治療を監修するため、多くの方が横顔の変化に満足されています。

 

Q.出っ歯はマウスピース矯正でも治せますか?

 

A.軽度から中等度の出っ歯であれば、マウスピース矯正でも治療可能な場合があります。

 

ただし歯の移動量が大きい場合や抜歯が必要な症例では、ワイヤー矯正の方が治療効率が高いこともあります。

正確な診断には精密検査が必要です。

 

 

 

追記:出っ歯・八重歯の矯正治療について

 

出っ歯や八重歯は、日本人に比較的多く見られる歯並びの特徴です。

特に前歯が前方へ傾いている場合、口元の突出感や口唇閉鎖不全を伴うことがあります。歯並びの問題は見た目だけではなく、

 

  • 口が閉じにくい
  • 前歯で噛みにくい
  • 虫歯や歯周病のリスクが上がる

 

など、機能的な問題を引き起こすこともあります。

 

矯正治療では

  • 歯を並べるスペースの確保
  • 前歯の傾きの改善
  • 噛み合わせの調整

を行うことで、歯並びと口元のバランスを整えていきます。症例によっては、小臼歯の抜歯を行うことで、前歯を適切な位置まで後退させることが可能です。

 

また近年では

  • 表側矯正
  • 裏側矯正
  • ハーフリンガル矯正
  • マウスピース矯正

など、さまざまな治療方法から患者さまに適した方法を選択することができます。出っ歯や八重歯でお悩みの方は、一度矯正専門医による診断を受けることをおすすめします。

 

この記事のまとめ

 

  • お悩み:出っ歯、八重歯、口元の突出感(口ゴボ)
  • 上顎裏側・下顎表側の「ハーフリンガル矯正」+抜歯
  • 結果:抜歯スペースを活用して口元を下げ、バランスの取れたEラインを実現
  • ポイント:院長による精密な3Dシミュレーションで、リスクを最小限に抑えた治療計画を立案

この記事の監修・執筆者: 林 一夫(日本矯正歯科学会 指導医)

日本矯正歯科学会および日本顎関節学会の両方で指導医資格を持つ専門家。デジタル技術を駆使した安全な矯正治療を提唱。

院長プロフィールの詳細はこちら

資格

日本矯正歯科学会認定医(第2293号)
日本矯正歯科学会指導医(第608号)
日本デジタル矯正歯科学会認定医
日本顎関節学会認定 歯科顎関節症専門医(第343号)
日本顎関節学会認定 日本顎関節学会指導医(第208号)
・デンツプライシロナ公認 SureSmile/Adance/Orhto/Aligner ファカルティ・ドクター/インストラクター・ドクター

経歴

1995年 北海道医療大学歯学部卒業
1999年 北海道医療大学大学院歯学研究科歯学専攻博士課程修了・学位取得
1999年 海道医療大学歯学部矯正歯科学講座 助手
2003年 アメリカ・ミネソタ大学歯学部口腔科学科 客員研究員
2006年 北海道医療大学歯学部矯正歯科学講座 講師
2007年 北海道医療大学歯学部口腔構造・機能発育学系歯科矯正学分野 講師
2007年 北海道矯正歯科学会 理事
2008年 アメリカ・ノースカロライナ大学歯学部矯正科 客員教授
2008年 北海道医療大学歯学部口腔構造・機能発育学系歯科矯正学分野 准教授
2011年 Digital Orthodontics 研究会 副会長
2015年 日本橋はやし矯正歯科 開院
2018年 K Braces矯正歯科原宿駅前 総院長就任
2021年 日本デジタル矯正歯科学会 副会長就任
2002年 11月 日本矯正歯科学会認定医(第2293号)
2007年 8月 日本矯正歯科学会指導医(第608号)
2013年 5月 日本顎関節学会専門医(第343号)
2013年 5月 日本顎関節学会指導医(第208号)

治療内容について