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ソーシャル・スマイルのためのソーシャル6(social 6 )

2016/01/22 06:22:25
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みなさんこんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

今回は部分的な矯正治療、特にソーシャル6(social 6)とよばれる上あごの前歯6本の矯正治療についてお話したいと思います。

 

 

【ソーシャル・スマイル、social 6とは】

 

▼この写真の違いが分かりますか?

様々な笑顔左から右に向かって、以下の状態です。

  • 安静にしている状態
  • 笑顔の最初の段階:ソーシャル・スマイルと呼ばれます
  • 笑顔の第二段階で大きく笑っています

中央の「にっこり笑った状態」は社交の場で最も多く見られる笑顔なので「ソーシャル・スマイル」、そしてその時にはっきりと見える前歯6本が「social 6」と呼ばれています。

 

このソーシャル・スマイルを美しく改善したいとの想いから、矯正治療を受けられる患者様が多く来院されます。

 

 

【「social 6」の矯正治療、日本人は難しい】

 

患者様は、この「気なっている前歯のみを治療することは可能なのか?」という疑問を持っています。

 

そして歯科医師の中には「前歯のみの矯正治療は簡単で、矯正治療の専門知識なしに行うことができる」と考えている場合が多いと思います。

 

もちろん、ちょっとした前歯の捻じれや少しの隙間を治す、それだけなら治療できる場合もありますが、そううまく行くケースは実は非常に少ないのです

 

欧米人の場合は日本人と比較して歯の凸凹が少ないので、比較的難易度の低い治療で改善できることが多いですが、日本人は歯の凸凹が多いので、この前歯6本(social 6)のみ治療ではとても困難な場合があります

 

私は、前歯6本のみの矯正治療を決して否定しているわけではありませんし、患者様が前歯のみの治療を希望され、結果に満足されるのであれば、積極的に行っています。

 

すべての矯正治療で言えることだとは思いますが、矯正治療の治療目標は

  • 患者様がどの程度の歯並びで満足することができるのか
  • 決して“矯正医目線からの完璧な歯並び”を目指すのではなく、どこにお互いが妥協できる目標を設定するのか

ということだと考えます。そして前歯6本のみの治療はこういった点で、多くの状況で妥協が必要になることが多いです。

 

 

【soclal 6の治療を希望された実例】

 

▼この患者様は、上顎の前歯のみの治療を希望され来院されました。

ソーシャル6矯正前の歯列1

ソーシャル6矯正前の歯列2

 

▼まず、前歯6本をそのまま並べたときのシミュレーション結果です。

ソーシャル6矯正最初のシミュレーション赤い矢印の部分を見ていただくとお分かりなるように、ただ並べただけでは出っ歯になってしまいます。

 

▼これを受けて、前歯の幅を小さくする処置(IPR:Inter Proximal Reduction)を行った場合のシミュレーションを行いました。

ソーシャル6が出っ歯にならないように調整したシミュレーション

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出っ歯にならないようにIPRを行った結果、確かに出っ歯はかなり矯正されます。

ところがこれで、歯を削る量が1.0mmよりも多くなる部分ができてしまうことがわかりました。

※赤枠の部分が歯を削る量を示しています。

 

これだけの量のエナメル質を削ってしまうと、その内側の象牙質が露出し、知覚過敏などの症状が出てしまいます矯正の結果、歯の健康を損ねるようなことがあってはなりません

▼そこで、前歯だけの治療ではなく、上顎全体の部分矯正による治療を想定し、シミュレーションを行いました。

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IPRを行う歯の数が増えたことによって、

  • 歯を削る量をそれぞれ半分以下にできる
  • 象牙質が露出するリスクが小さくなる
  • また出っ歯にならないような治療をおこなえる

ということがことが分かりました。

このシミュレーションを基に患者様に説明をさせていただいた結果、前歯6本のみの治療ではなく、より安全で効果的な上顎全体の部分矯正で治療をスタートすることになりました。

 

また患者様が望んでいた「よりシンプルな矯正治療を受けたい」というご要望にもこたえることが出来る治療方針だと思います。


 

このように、

  • 上あご6本の前歯(social 6)のみの矯正治療も、けっして簡単な矯正治療ではない
  • 矯正専門医の知識と最新の技術があってこそ、より良いものにしていくことができる

ことがお分かりいただけたと思います。

矯正治療をお考えの方はより良い結果を得るために、ぜひ矯正の専門家にご相談されることをおすすめ致します。

 

参考文献:Carlos Alexandre. Aesthetics in Orthodontics: Six horizontal smile lines:Dental Press J. Orthod.131 (15)1, 118-131, 2010