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サージェリーファーストの優れた治療効果(1)

(2019年1月24日公開/2023年1月24日更新)

 

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

日本橋はやし矯正歯科では、サージェリーファーストに力を入れています。

 

 

 

サージェリーファーストは優れた治療法です

 

顎の骨の変形や顔面非対象などの治療は、外科手術を先に行うサージェリーファーストが最も効果的です。

日本橋はやし矯正歯科では、年間50症例以上(令和5年1月現在)のサージェリーファーストによる治療を行っています。

 

当院のサージェリファーストについてはこちらをごらんください。

 

サージェリーファースト (外科矯正)

 

また、これまでコラムでも様々な側面からご紹介しておりますので、ぜひお読み頂ければと思います。

 

サージェリーファーストに力を入れています

 

 

より進化したサージェリーファースト

 

 

サージェリーファーストの治療方針の決定方法

 

そして今回から数回にわたり、実際の症例をご覧頂き、サージェリーファーストの優れた治療効果についてお話したいと思います。

 

※今回の患者様の事例です。実際の治療は個人差がありますのであくまで参考とお考えください

 

 

骨格性の下顎前突と前歯部切端咬合

 

今回ご紹介する患者様の術前の写真です。

この患者様は骨格性の下顎前突と前歯部切端咬合を改善をご希望され来院されました。

お口の中の様子です。

歯だけではなく、下顎の骨が前側に出ているため「骨格性の下顎前突」となります。

 

 

診断と治療方針、リスクや副作用など

 

カウンセリングから診療を経て、以下の診断と副作用やリスクを患者様にご説明し、治療方法を決めて参りました。

 

  • 診断:骨格性の下顎前突、前歯部切端咬合、上顎前歯の唇側傾斜、下顎前歯の舌側傾斜、上下顎中等度の叢生
  • 治療法:上顎骨の前方移動(ルフォー)、下顎骨の後方移動(下顎枝矢状分割術)、非抜歯
    、裏側の矯正装置による治療(サージェリーファースト)
  • 治療期間:1年6ヶ月
  • リスク:治療中の虫歯の可能性、上顎前歯部の歯根吸収
  • 副作用:治療中の矯正装置による口内炎、治療後の開咬の後戻り

ほとんどの患者様がそうですが、最初は矯正治療だけで完結するとお考えでご来院されます。

ですが、このように

  • 外科的治療を併用する必要がある場合
  • 外科的治療を併用した方が圧倒的にメリットがある場合

も少なくありません。そのような場合は、患者様にご理解頂けるよう、より一層慎重にお話をさせて頂き、お互いの十分な理解の中で治療を開始します。

 

 

上下顎の位置を外科的に改善する治療方針で非抜歯となりました

 

この患者さまの治療を「外科的治療」「歯科矯正治療」に分けると以下のようになります。

  1. 外科的治療:上顎骨を前方に出す、下顎骨を後方へ下げる
  2. 歯科矯正治療:非抜歯での治療

この患者さまの場合は、カウンセリング時のシミュレーションの時点で「上下顎を手術する場合は抜歯は必要ない」と判断されており、実際のその通りになりました。

 

まずは外科的治療で上顎を前方に、下顎の骨を後方に下げますと通常の矯正治療を行える程度に咬み合わせが改善されてきます。

術後約1か月ほどで口がしっかり開くようになり、その後は矯正治療を行いました。

 

こちらが治療後の写真です。

切端咬合も改善され、整った咬み合わせになりました。

 

 

サージェリーファーストで治療期間も大幅短縮

 

もし仮に、矯正治療のみで治療していた場合であれば治療期間は3年以上が必要なのですが、サージェリーファーストの場合は、治療期間が大幅に短縮されます。

 

今回の治療期間は一年半でしたので、サージェリーファーストでかなりの期間短縮になりました。

期間の内訳は以下となります。

  • 歯の凸凹の改善:6ヶ月
  • 最終的な咬み合わせと配列の調整:1年

外科手術後は骨の内部の血流などが亢進し、歯の動きがとても早くなることが研究により分っています。その効果が非常に良く現れた症例だと思います。

 

適切な診断と治療方針を基にしたサージェリーファーストによる治療を行うことで、とても効果的な治療が行えることをお分かりいただけたと思います。


今後も、今回の治療例のように医療法の広告ガイドラインに添った適切な形式で、術前術後の症例をご紹介していきたいと思っています。

新 マウスピース矯正システム「シュアスマイル・アライナー」パッケージのご紹介です

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

今回は、新しいマウスピース矯正システムであるsuresmile aligner(シュアスマイル・アライナー)についてお話したいと思います。

 

Dentsply Sirona(デンツプライシロナ)がOrametrix社の親会社となったことは以前お話しましたが、このたびシュアスマイル・アライナーが刷新され、より使いやすいシステムとなりました。

 

 

 

同じマウスピース矯正でも、インビザラインと比較したシュアスマイル・アライナーの最大の利点は、

 

歯、歯根、骨のすべてを3Dモデル化し、バーチャルペイシェントと呼ばれる仮想患者を用いて治療計画を立てることができること

 

です。

 

つまり、より安全で効果的な歯の移動を達成することが可能となっています。

 

システムの詳細はあらためてこちらのコラムで解説させて頂きますが、今回は新しくなったパッケージをご紹介します。

 

 

とても使いやすい、シュアスマイル・アライナーのパッケージ

 

新しいパッケージはシンプルでスタイリッシュ、そして何より「使い勝手がとても良い」ものになっています。

 

使い勝手が良いというのは、マウスピース矯正の

  • 治療をより効率的に進められる
  • 患者様が分かりやすく治療を続けやすい

という大切な側面がありますので、今回の刷新はとても素晴らしいことだと思っています。

 

 

シュアスマイル・アライナーをオーダーすると、このようなパッケージで届きます。

シュアスマイルアライナー(マウスピース矯正装置)が入っている箱(左)と、患者様用のキット(右)

マウスピース型矯正装置(アライナー)が入っている箱(左)と、患者様用のキット(右)です。

とても美しいケースになり、デザインもとても洗練されました。

 

 

マウスピースは、ステップごとにパッケージされています。

シュアスマイルアライナー(マウスピース矯正装置)がステップごとにパッケージされている画像

それぞれのマウスピース自体にも番号が印字されています。とても使いやすいです。

 

一見地味なようですが、こういう部分が普段の治療に少しずつ影響を与えるので、私はとても重視しています。

 

そしてこちらは、同封されている取り扱い説明書です。

シュアスマイルアライナー(マウスピース矯正装置)の取扱説明書の画像

英語なので、患者様みなさまにお渡しする際に必要に応じてご説明しています。

 

 

 

患者様用のキットもとても便利になりました

 

そしてこちらが患者様用キットです。

シュアスマイルアライナー(マウスピース矯正装置)の患者用キットの画像

男性の素敵な笑顔が印象的なパッケージです。

 

こちらには

  • マウスピースを保管するケース2種類
  • マウスピースの洗浄剤が入った白い箱
  • カラーの解説書

が入っています。

 

 

さらに、患者様に便利なものが付属されたことも画期的です。

シュアスマイルアライナー(マウスピース矯正装置)に同梱されたアライナーチューイとリムーバーの画像

アライナーチューイーと呼ばれるマウスピースの適切な装着のために患者様で咬んでもらう材料と、マウスピースの取り外しを補助するリムーバーも、このキットに入っています。

 

治療に必要なものがすべてひとつにパッケージされ、より便利になったことがとても嬉しいです。


私は“suresmile system”(シュアスマイル・システム)のFaculty Doctorですので、日本で先駆けてこのシステムを導入することができました。

 

この最新のマウスピース矯正でより良い治療をご提供できるように頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします。

レーザー治療器の実際の効果をご紹介します。

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。
今回は、新しく導入したレーザー治療器について、その臨床応用の一例を紹介します。

 

▼レーザー治療器に関してはこちらもご覧ください。

レーザー治療器を導入しました。

 

裏側矯正は装置を適切な位置に装着できない場合がある

 

日本橋はやし矯正歯科の患者様の8割以上は裏側矯正を選択されています。

表側から見えないので誰にも気づかれず、日常の社会生活をそのまま送ることができる裏側矯正はとても人気です。

 

しかし、裏側矯正には独特の難しさがあることも事実です。

例えば、表側矯正と比較すると装置を装着する歯の面積が小さいので、そのままでは適切な位置に装置を装着できない場合がまれにあります。

 

裏側矯正装置を装着できない実例

 

▼この写真は、装置装着前の上顎の前歯です。

装置装着前の上顎の前歯、歯肉が盛り上がっていて装置をつけられない画像

丸の部分の歯肉が盛り上がっており、適切な位置に装置をつけることができません。

 

そこで、レーザー治療器を用いて、この部分の歯肉を切除し、歯の面を露出させ、矯正装置をセットすることにしました。

 

▼レーザー治療器に関してはこちらもご覧ください。

レーザー治療器を導入しました。

 

レーザーを使用して装置を装着できるようにします

 

▼まずは切除を行う部位に麻酔をします。

切除を行う部位に麻酔をかけた画像

麻酔をすると写真のように歯茎の色が白くなります。

これは、毛細血管が収縮することによる「貧血帯」と呼ばれる現象が出現した状態です。

 

▼実際の施術の様子です。レーザーを使用しています。

レーザーで施術中の画像

このようにレーザーで歯茎を切除すると全く出血が起こりません。

 

メスなどで切開すると大量に出血してしまい、すぐに装置を装着することができません。

しかし最新のレーザー治療器は出血を起こさず組織を切除できるので、その場で矯正装置を装着することができます。

 

レーザーを当てた部分を見てみましょう

 

▼歯茎を切除した状態です。

レーザーにより不要な歯肉を切除した画像

このように綺麗に歯の面を露出させることができました。

これで適切な位置に装置を装着することができます。

 

 

▼装置を装着した直後がこちらです。

レーザーで不要な歯肉を切除後に矯正装置を装着した画像

裏側矯正は装置の正確な位置づけがとても大切です。

レーザーを用いて歯茎を切除したことで、このように一番良い位置に、迅速に装置を装着することができました。

 

レーザー治療器は治療中及び日常生活での患者様の身体的な負担が少なくなる素晴らしいものだと感じております。

日本橋はやし矯正歯科では最新の技術と機器でより良い治療を提供できるよう、日々努力を重ねております。

suresmileのfaculty doctorに選ばれた記事のsuresmileに掲載された林院長紹介ページ

suresmile systemのFaculty Doctor として正式発表されました。

こんにちは、日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

 

今回は私が、日本橋はやし矯正歯科で運用している“suresmile system”のFaculty Doctor(教育する立場にあるドクターという意味合いです)として正式に発表されましたのでご報告させていただきます。

 

 

 

suresmile systemを開発・運用しているOrametrix社の親会社がDentsply Sirona(デンツプライシロナ)となったことは以前のコラムでご報告いたしました。

 

▼こちらのコラムで説明しています。

AAO(アメリカ矯正歯科学会総会)参加レポート

 

 

そしてこのたび、Dentsply Sironaから正式にFaculty Doctorとして認定され、国際的なウェブサイトで発表が行われました。

suresmileのfaculty doctorに選ばれた記事のsuresmileのウェブサイト これが新しいsuresmileのウェブサイトです。

とても洗練されたデザインで、システムの先進性をとても良く表現しています。

 

▼suresmileの公式サイト

suresmileu – suresmileu

 

 

ABOUTからFUCALTYに進んだページに、このようにFaculty Doctorの一覧が掲載されています。

suresmileのfaculty doctorに選ばれた記事のsuresmileに掲載されたドクター一覧

ここに世界で活躍するsuresmile doctorとともに私が紹介されています。

 

各ドクターをクリックすると、その詳細を見ることができます。

suresmileのfaculty doctorに選ばれた記事のsuresmileに掲載された林院長紹介ページ

 

私のバイオグラフィーはこのように紹介して頂いています。

 

 

日本で最初のFaculty Doctorとして正式な発表となったことは大変光栄なことですが、責任ある立場として一層身が引き締まる思いです。

 

 

これからも日本を代表して、新しいデジタル矯正を世界の仲間とともに広めていきたいと思っています。

 

 

 

年に一度、ほとんどすべてのFaculty Doctorがアメリカの本社に集まってミーティングを開催しています。

 

今年も参加予定ですので、またここでご報告させて頂きます。

韓国の学術誌に論文が掲載されました。

こんにちは、日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

今回は、私の最新の業績についてご報告いたします。

 

昨年、韓国の国際的な学術雑誌(Korean Journal of Clinical Orthodontics: KJCO)から最新のデジタル矯正システムに関する執筆依頼があり、3篇を投稿させて頂きました。

 

今回の7月号では1、2篇が無事に出版されました。7月号の表紙です。

デジタル矯正の論文が発表された韓国の学術誌の表紙

7月を始めに今後9月号、11月号に掲載されます。

 

これは論文の最初のページです。

 

デジタル矯正の論文が発表された韓国の学術誌の内容

 

韓国のデジタル矯正の第一人者Hun先生とPark先生との共著で、全9篇からなるデジタル矯正特集と、とても貴重な内容になっています。

 

私は、後半の3篇の論文を担当しました。内容は以下の通りです。裏側矯正、サージェリーファーストアプローチがメインのトピックです。

 

7. The latest approach for treatment planning based on 3D virtual patient
using suresmile

8. The new practice of lingual orthodontics with suresmile technologies

9. Computerized 3D diagnosis and orthognathic surgery with robot
bending wire of suresmile

 

日々の矯正治療のお仕事をこなしながらの論文執筆はとても大変ですが、このように出版されると報われた気持ちになります。

 

これからも最新のデジタル矯正での矯正治療をより良いものにできるよう、世界に向けて発信していきたいと思います。

 

デジタル矯正にご興味のある先生方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。お待ち申し上げております。