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suresmile study clubで、治療期間が6か月で終了した症例を発表した

Suresmile study club!!

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

 

日本橋はやし矯正歯科で行っている新しい3Dデジタル矯正は、アメリカのOrametrix(オーラメトリックス)社が提供する suresmile system を中心に、いくつかのシステムを組み合わせてより良いシステムを構築することによって運用されています。

 

今回のコラムでは、先日行われた suresmile system 勉強会のレポート、そして全国規模の Suresmile study club!! 発足についての内容をお届けします。

 

 

 

Suresmile study club!!  勉強会について

 

この suresmile system は、2010年に私を含めた3施設から日本での運用が始まり、現在は全国で15施設を数えます。

 

そして私は suresmile system のインストラクター・ドクターとして2015年から活動を行っております。

 

このコラムでも何度か触れてきましたが、suresmile system は常に進化しています。ユーザーである矯正医は、新しい矯正システムを有効に活用すべく、この進化に遅れることなく常に勉強することが必要になります。

 

そこで、私は日本で suresmile system を導入しているドクターの方々と協力して「 Suresmile study club!! 」という勉強会を立ち上げました。

 

 

 

 

 

銀座で行われた Suresmile study club!! 勉強会の様子

 

今回は、銀座にあるアソーインタナショナルさんの会議室をお借りして、ミーティングを行うことができました。こころから感謝いたします。

 

suresmile study clubの勉強会を行ったASO international

 

この日の勉強会では症例の発表のほか、私は

  • 基本的なソフトウェアの使用法の復習
  • 新しく追加された機能などの解説

などをインストラクターとして行ってまいりました。

 

また、

  • 実際の運用時に遭遇したトラブルや、その解決方法などの共有
  • より効率的な運用ができるように日本でのサポート体制の構築

などを行い、とても意義深い勉強会になりました。

 

今回私は、治療期間が6か月で終了した症例を発表させていただきました。こちらが発表の様子です。

suresmile study clubで、治療期間が6か月で終了した症例を発表した

 

また、日本で suresmile を導入している先生方から運用に関する質問を受け、どのように改善していくことができるのかを議論しました。

 

これらの先生方は、皆さん著名な矯正科医であり、一つひとつの議論がとても有意義であり、私もとても勉強になります。

suresmile study clubでの発表の様子

最後に、今後の勉強会のスケジュールや、組織の運営に関する協議を行いました。

 

いよいよこの秋から日本全国の suresmile ドクターが集結し、またアメリカのOrametrix(オーラメトリックス)本社からもマーケティングや技術部門の担当者に参加して頂く、全国規模の study club!! を発足させることになります。

 

矯正歯科の業務と並んでインストラクターとしての業務がますます増え、忙しくなりますが、日本の矯正治療が3Dデジタル矯正で変革するその場に立ち会える喜びでいっぱいです。

 

今後も機会を見て、私が行っている様々な活動を紹介していきますので、よろしくお願いいたします。

機能的な側方誘導3

アゴの運動機能を再現した3Dシミュレーション【機能的な側方誘導の解消】

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科の林 一夫です。

今回は、新しい3Dデジタル矯正で可能になったアゴの運動機能を再現した矯正治療のシミュレーションについて、「機能的な側方誘導」の症例を挙げながらお話ししたいと思います。

 

 

 

早期接触、機能的な側方誘導とは

 

今回は、咬み合わせが上下反対になっている患者様の例です。

上下反対の咬み合わせの写真

写真、丸で囲んだ部分の咬み合わせが上下反対( cross bite :クロスバイト)になっています。

 

この上下反対に「早期接触」が発生し、「機能的な側方誘導」に至ってしまうメカニズムをイラストで説明します。

 

▼前から見たところを断面で見ています。

正常な奥歯の咬み合わせ

 

正常な位置で、矢印のように咬もうとしています。

 

▼ところが咬み合う前に接触してしまう場合があります。

早期接触

 

丸で囲んだところが、上下の歯が均等に咬み合う前に先にあたってしまっています。この部分が「早期接触」と呼ばれます。

 

▼さらに下顎が均等に歯が当たるところまで咬み込もうとします。そうすると…

機能的な側方誘導

 

下のアゴが矢印方向(側方)に誘導されて、位置がずれてしまいます。この状態を「機能的な側方誘導」といいます。

 

これが続くとアゴが横にずれた状態となり、正面から見ると左右非対称な顔になっていることがあります。

 

 

 

3Dシミュレーションで早期接触部位を発見

 

「早期接触」は、どこの歯にどの程度症状が出ているのかを見つけ出すことがとても重要です。そして正確な診断をもとに咬み合わせを改善することがより良い治療結果に繋がります。

 

新しいデジタル矯正では咬んだ部位を正確に把握し、歯が当たっている部位とそうでない部位を視覚的に表現することができます。

 

▼「機能的な側方誘導」を持つ患者様の上下の歯が咬み合った部分を色分けして示しました。機能的な側方誘導の3Dシミュレーション1

歯が当たっている部分が緑色と黄色で表現されています。この状態では、ほぼ均等にかみ合っているように見えます。

 

しかし、この患者様の下アゴの骨の位置は横にずれた状態、つまり「機能的な側方誘導」が起こってしまっています。

 

▼そこでアゴの運動を再現できる3Dシミュレーションで本来のアゴの位置(矢印方向)に下顎を少し動かしてみます。

機能的な側方誘導2

 

▼すると、異常が発現しました。赤で記された部分です。

機能的な側方誘導3

 

このようにかみ合わせが逆の奥歯( cross bite になっている奥歯)に赤い部分が出現しました。この部分が先ほど説明した「早期接触」の部位になります。

 

よって、この早期接触を改善するように歯をならべることで

  • 下あごの位置の側方誘導が解消され、よりバランスの取れたアゴの運動機能を獲得できる

さらには、

  • アゴの位置が正常な位置に戻ることで顔面非対称がわずかに改善できる

といった可能性があることが分かりました。

 

いかがでしたでしょうか?

新しい矯正技術である3Dデジタル矯正では、アゴの運動機能に関連した咬み合せの不正の原因を正確に見つけ出し、最善の治療方針・治療計画を立てることができることがお分かりいただけたと思います。

 


 

矯正治療の質の向上や治療期間の短縮には、適切な治療方針の立案が不可欠です。

日本橋はやし矯正歯科では新しい3Dデジタル矯正技術を駆使して、みなさまにより良い矯正治療を提供できるように、鋭意努力して参ります。

歯の凹凸、叢生の患者様の3Dシミュレーション最初の状態

デジタル矯正システムで、より安全な矯正治療を!!【その3】

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科院長の林 一夫です。

矯正治療は患者様の安全性が最も重要で、このコラムでも度々テーマに取り上げてきました。

 

デジタル矯正システムで、より安全な矯正治療を!!

デジタル矯正システムで、より安全な矯正治療を!!【その2】

 

今回はデジタル矯正システムを用いて私たちが患者様に提供することができるより安全な治療計画・治療デザインについて、また別の視点からお話したいと思います。

 

 

歯の凸凹(叢生)の矯正について

 

矯正治療において最も多い主訴(患者様が一番気にしている症状)は、歯の凸凹、叢生(そうせい)です。この歯の凸凹を解消して良い歯並びを獲得するには、歯を抜く必要がある場合があります。

 

凸凹の解消には、歯をならべるための十分なスペースが必要であり、そのスペースを確保するためにどうしても歯を抜く必要が出てくるケースです。

 

しかしもちろん「健康な歯を抜かないで治療してほしい」という患者さまももちろんいらっしゃいます。

矯正治療は歯並びだけでなく、患者様のその後の生活全般を見据えて行わなければいけませんので、可能な限りその患者様のご希望に沿った治療方法をデザインすることが重要になります。

 

 

歯を抜かない治療の問題点

 

歯を抜かない場合の治療では、一般的に以下のような処置を行い、凸凹の歯をならべるためのスペースの確保を行います。

  1. 前歯を前方に出す。
  2. 歯列弓(歯がアーチ状に並んでいる状態)を横に広げる。
  3. 奥歯を後ろに下げる。

しかし、上記の方法にはそれぞれに問題点があります。

 

1. 「前歯を前方に出す」場合の問題点

この方法は前歯を唇側に飛び出させる必要があり、治療により、より口元が前に出た感じの横顔になってしまう可能性があります。

 

2. 「歯列弓を横に広げる」場合の問題点

歯列弓を横に広げる場合では、過剰に歯を動かしてしまうと奥歯の歯の根っこ(歯根)が骨から外に飛び出してしまうことがあります。

 

3. 「奥歯を後ろに下げる」場合の問題点

治療期間がかなり長くなる傾向があり、また矯正用インプラント(矯正用アンカースクリュー)の併用が必要な場合が多いです。

 

 

それではこの患者様を例に、歯を抜かない治療方法と安全な治療計画について考えてみましょう。

 

 

重度の凸凹の状態へのアプローチ

 

この患者様は、上下顎ともに重度の凸凹があります。

 

▼こちらがその患者様の下顎の写真です。

歯の凹凸、叢生の患者様の写真

 

▼この下顎を3Dモデルにすると、より分かりやすくなります。

歯の凹凸、叢生の患者様の3Dシミュレーション

歯の凸凹を治療するにはスペースが足りないということが、この画像でお分かり頂けると思います。

しかし患者様は非抜歯(歯を抜かない)による治療を強く希望されており、そのご希望に応える治療計画が必要でした。

 

また

  • 現在の口元はバランスが取れているので、口元を前に出すような「1. 」の処置は行えない
  • 治療期間をできるだけ短くしたいとのご希望で、治療期間が長くなる「3. 」の方法は採用できない

ということで、必然的に「2. 」の「歯列弓(歯がアーチ状に並んでいる状態)を横に広げる」方法を採用し、非抜歯による治療計画を立てることなりました。

 

 

3Dシミュレーションが再現した重大な問題

 

▼こちらは最初のシミュレーションです。

歯の凹凸、叢生の患者様の3Dシミュレーション最初の状態

前歯が唇側に出ないようにしながら歯の凸凹を解消すると、このように奥歯の歯根が骨から飛び出してしまうことがわかりました。

そこで歯根を骨の中に維持しながら凸凹を解消するために、  IPR  ( Interproximal Reduction:ディスキングとも言います)を併用して歯をならべた場合のシミュレーションを行いました。

 

※  IPR  とは歯の幅を少し削って小さくすることで、歯をならべるためのスペースを獲得する方法です。

詳しくはこちら:矯正体験レポート第三回:カスタムワイヤー編!

 

 

▼これが IPR を併用した場合のシミュレーション結果です。

歯の凹凸、叢生の患者様の3DシミュレーションIPRでの結果

歯根がしっかりと骨の中に維持され、なおかつ凸凹が解消し、また前歯が唇側に出ることを防止しながら歯をならべることができるとわかりました。

 

IPR は削る量が多くなると歯がしみる原因になってしまうので、CT画像から正確なエナメル質(歯の一番外側の硬い組織)の幅を測定し、その範囲を超えないような量を削ります。

 


 

このように3Dデジタル矯正治療では、骨と歯根との三次元的な位置関係を正確に再現し、その情報を元にシミュレーションを行うことができます。

 

これにより、今まで予測することが難しかった歯の移動によるリスクを正確に予測することができ、より安全で患者様のご要望にお応えできる治療計画を提案するこが可能となりました。

 

日本橋はやし矯正歯科では、矯正治療にご不安のある患者様でも、個別によくご相談し納得頂きながら、このような治療デザインを丁寧に設計させて頂いております。

アゴの動機能のアゴの運動機能を再現した3Dシミュレーション1 開咬の3D4

アゴの運動機能を再現した3Dシミュレーション1【開咬症例の治療】

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科の林 一夫です。

今回は、新しい3Dデジタル矯正で可能になったアゴの運動機能を再現した矯正治療のシミュレーションの第一回として、開咬のある患者さまの症例を例に挙げながらお話ししたいと思います。

 

 

 

アゴの動きにとても重要な歯の位置

 

歯の位置とアゴの運動は非常に密接に関係しています。矯正治療によって歯を動かすとアゴの位置も変化し、より良い状態に改善される場合があります。

 

 

▼開咬のある患者さまの場合

 アゴの動機能のアゴの運動機能を再現した3Dシミュレーション1 開咬の写真

 

この患者さまは、開咬と呼ばれる不正咬合を持っています。

開咬についてはこちら:どのような“歯並び”でお悩みですか?

この状態を治療するには前歯を“挺出”(ていしゅつ:ひっぱり出すこと)させて前歯を咬ませる治療を行います。

 

しかし症状が重度の場合は、挺出するだけでは治せないことがあります。その場合、奥歯を“圧下”(あっか:歯を骨側に押し込むように動かすこと)させ、下顎の骨自体がより咬みこむように位置が変化することを利用して治療することがあります。

 

 

 

圧下の3Dシミュレーション

 

▼この患者様の3Dモデルです。

アゴの動機能のアゴの運動機能を再現した3Dシミュレーション1 開咬の3D2

 

これは、大臼歯を“圧下”させる前の3Dモデルです。次に、この3Dモデルの上顎の臼歯部(赤丸で囲った部分)を骨側に押し込むように移動させます。

 

 

▼押し込まれた(圧下した)状態のシミュレーションです。

アゴの動機能のアゴの運動機能を再現した3Dシミュレーション1 開咬の3D1

 

すると、このように上顎の歯と下顎の歯との間にスキマができるのがわかりますね。

 

 

 

骨格と併せたシミュレーション

 

▼レントゲン写真に3Dシミュレーションを組み合わせてみます。

アゴの動機能のアゴの運動機能を再現した3Dシミュレーション1 開咬の3D3

 

このように臼歯部を骨側に押し込むと、下顎の骨自体が矢印方向に回転しながら、咬みこむように位置が変わります。

 

 

▼そして、このように大きく変化します。

アゴの動機能のアゴの運動機能を再現した3Dシミュレーション1 開咬の3D4

 

青の点線が移動前、赤の実線が移動後の下顎の骨の位置を示しています。

下顎骨が反時計回りに回転して奥歯がかみ合っており、また前歯のかみ合わせも改善されているのがお分かりいただけると思います。

そしてこのような下顎骨の位置変化によって、赤の矢印のようにオトガイ部が前方に移動し、綺麗なアゴの形も得られる結果になっています。

 

 

 

骨格性の問題の改善につながっている

 

この患者様の場合は、もともとの下顎の骨の位置が後ろにあり、骨格性の上顎前突も併せ持っていました。

今回のシミュレーションではそれに対して、下顎の位置的な不正もある程度改善できることがわかりました。

 

つまり「開咬を治すと同時に、下顎の後退症に対するアプローチを行う」という高度な治療をより高い精度でシミュレーションし、結果を予測することができました。

 


 

いかがでしたでしょうか?

少し難しかったかもしれませんが、3Dデジタル矯正によって、今まで不可能と思われたダイナミックな下顎骨の位置変化もより精度を高くシミュレーションすることが可能になり、より良い矯正治療を皆様にお届けすることができるようになってきました。

 

また機会を見てその他の症例で、下顎運動を再現したより正確な治療計画のデザイン方法について説明していきたいと思います。

ハイブリッド矯正治療とは

(2016年4月19日公開/2024年7月29日更新)

 

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

日本橋はやし矯正歯科では、新しい3Dデジタル矯正を基にした「ハイブリッド矯正治療」を提供しています。

今回は、ハイブリッド矯正について

  • どのような治療なのか
  • その優れている点

などをご紹介させていただきたいと思います。

 

 

 

より効率的に矯正するハイブリッド矯正

 

矯正治療には、表側矯正、裏側矯正、マウスピース矯正による矯正治療などいくつかの代表的な治療方法があり、一般的には各治療方法を単独で用いて治療を行います。

 

しかし、各治療法には利点や欠点、向き・不向きがあります。

 

そこで、これらの利点だけをうまく融合させより効果的・効率的で、患者様の多様な要望に答えることができるようにデザインされた治療方法が「ハイブリッド矯正治療」なのです。

 

今回は、裏側矯正と矯正による矯正治療を組み合わせた「ハイブリッド矯正治療」に関してお話したいと思います。

 

 

 

裏側矯正とマウスピース矯正による矯正治療のメリット・デメリット

 

それでは、それぞれの治療法のメリット、デメリットを整理してみましょう。

 

裏側矯正のメリット

 

  • 装置が見えない
    人目を気にしなくて済みます。
  • 治療期間が短い
    現在は3Dデジタル矯正技術の進化により、表側矯正と変わらないほど治療期間の短縮ができています。
  • きれいな歯並び(特に前歯)を早い段階で実感できる
    半年ぐらいで前歯が最初に並んできますので、この段階できれいな歯並びを実感しながら治療を続けることができます。
  • かなりの難症例でも対応可能
    顎の骨がずれている等の「骨格に問題がある」ケース以外であれば、ほとんどすべて、かなりの難症例でも治療が可能です。

 

 

裏側矯正のデメリット

 

  • 口腔内の違和感など
    裏側に装置が着くため、発音がしにくかったり、口の中に違和感が生じることがあります。
  • 歯磨きなどがしづらくなる
    裏側に装置が着くため、歯磨きなどのお口の環境維持が難しい場合があります。

 

 

マウスピース矯正による矯正治療のメリット

 

  • 装置が目立たない
    歯に透明な装置をかぶせる方法なので、装置が目立たず見た目に分かりづらいです。
  • 歯磨きなどが楽
    装置が取り外せるので、歯磨きなどのお口の環境維持がとても楽に行えます。

 

マウスピース矯正による矯正治療のデメリット

 

  • ワイヤー矯正よりも治療が長期化することがある
    特に難症例の治療の場合は、治療の長期化が懸念されます。
  • 着脱の面倒がある
    装置を使わないと治療が進まず元に戻ってしまうこともあるため、患者様の協力度が治療期間に大きく影響します。

 

 

 

メリットを融合したハイブリッド矯正治療

 

こういったケースでは

  • 治療の前半(半年~1年)を裏側矯正
  • 治療の後半(半年~1年)をマウスピース矯正による矯正治療

で行うと、それぞれのメリットを生かした新しい矯正治療をデザインすることができます。それでは症例のシミュレーションを通して説明していきます。

 

▼この患者様は、歯の凸凹と八重歯を治したいと考えています。

ハイブリッド矯正治療を受ける患者の歯

口元が出ているため、歯を抜いて出来るだけ前歯を後ろに下げ、口元も引っ込めたいというご要望がありました。

 

その他のご要望としては、

  • 見えない矯正装置にしたい
  • できるだけ治療期間を短縮したい
  • 治療中も快適に生活したい

などをご希望されました。そこで、治療の前半を裏側矯正で行い、治療の後半をマウスピース矯正による矯正治療で行うハイブリッド矯正を提案させていただきました。

 

custom_combination-new

 

写真をご覧頂ければお分かりかと思いますが、この患者様のように歯の凸凹が大きく、歯を抜いて前歯を後ろに下げる治療が必要な場合、マウスピース矯正による矯正治療のみの治療では難しいことが多いです。

 

 

治療前半は、裏側矯正による歯の移動

 

治療の前半では、ワイヤーを用いた裏側矯正が効果的な、以下のような歯の動きを行います。

  1. 八重歯になっている犬歯を後ろに下げながら、
  2. 前歯の重度の凸凹をある程度改善し、
  3. 歯を抜いた隙間を可能な限り閉じる

 

▼治療開始前の患者様の歯列です。

ハイブリッド矯正の裏側矯正1

 

▼治療前半、裏側矯正が完了した歯列がこちら。

ハイブリッド矯正の裏側矯正2

だいぶ整ってきました。

 

 

治療後半はマウスピース矯正による矯正治療を行います

 

次に、裏側矯正の装置を撤去し、マウスピース矯正による矯正治療に移行することでより快適な環境で治療を継続し、最終的な咬み合わせを得ることが出来ます。

 

以下のような治療の後半の歯の移動は、マウスピース矯正による矯正治療でも十分対応できる歯の移動です。

  1. 残っている隙間を閉じ、
  2. それぞれの歯の位置を微調整し、最終的な位置へ歯を動かす

 ▼治療後半、マウスピース型歯科矯正装置による治療開始直後の歯列。

ハイブリッド矯正治療、マウスピース矯正による矯正治療開始直後

 

▼マウスピース矯正による治療終了後の歯列です。

ハイブリッド矯正治療、マウスピース矯正終了

 

このように、ハイブリッド矯正治療は高度で精密な設計が必要となりますので、どこでも受けられるというわけはありません。

 

しかし新しい3Dデジタル矯正治療によって歯の移動の精度が格段に向上し、このような治療が行えるようになりました。そしてさらに治療期間を大幅に短縮することも可能になったのです。

 

ご興味のある方は、是非ご相談にいらしてくださいね。

 

患者様の様々なご要望にこたえることができるよう、新しい3Dデジタル矯正治療を活用した新しい矯正治療を、日本橋はやし矯正歯科は積極的に提案していきます。