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矯正治療の歯根吸収問題の写真

デジタル矯正システムで矯正治療はより安全になるか?

みなさんこんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

今回は、矯正治療の安全性、特にデジタル矯正システムを用いた場合に、私たちが患者様に提供することが出来るより安全な治療計画・治療デザインについてお話したいと思います。

 

矯正治療には様々な治療の限界やリスクがありますが、デジタル矯正システムで、そのリスクの一部を軽減することは可能です。今回はその具体例を交え、ご説明したいと思います。

 

 

矯正治療におけるリスクについて

 

矯正科医は、患者様にとって最良の治療を行うべく日々努力しています。そして、患者様自身も良い歯並び、調和のとれた笑顔によってもたらされる恩恵を理解し、矯正治療を受けて頂いています。

 

そしてその一方で、矯正歯科治療には治療の限界とリスクがあることも知っていただければと思います。

 

矯正治療を受けるに当たって考えなければならないリスクはいくつか存在していますが、今回は「歯根吸収」を例にとり、「安全な矯正治療の治療デザインとは何か」について考えてみたいと思います。

 

 

歯根吸収とは何か

 

歯根吸収とは「歯根の先端の部分が組織に吸収され、歯根が短くなる」ことを指し、矯正歯科治療でしばしば見られる現象です。

 

「歯根が短くなる=歯が抜けやすくなる」ということではないのですが、吸収されないにこしたことはありませんので、できれば施術前に分かっておきたいリスクです。

 

ですので、その原因についても調査されていますが、残念なことに現在、個々の患者様の歯根吸収の発生頻度や程度を予測する方法がありません

 

なお、

  • 歯根が最も吸収されやすいのは「上顎の前歯部(上の前歯)」
  • 軽度のものを含めると約9割の症例で歯根吸収が発生
  • 吸収の程度は平均で1.5 mm

ということが分かっています。

 

また、ごく稀に重度の歯根吸収を生じることがありますが、それによって歯が抜けてしまうようなことはありませんので過度な不安をお持ちになる必要はないでしょう。

 

 

 

「切歯管」が原因となる上顎前歯部の歯根吸収の実際例

 

こちらは、矯正治療中に歯根吸収が生じた症例のレントゲン写真です。赤い丸の中で、上顎の前歯の歯根が吸収されてしまっていることが分かります。

歯根吸収前の初診時の写真

初診時。まだ歯根吸収は起きていません。

矯正治療中の歯根吸収の写真

治療中。歯根吸収が起きてしまっています。

切歯管には神経や血管が通っているので、比較的硬い骨で形づくられています。そのため歯根が硬い骨からの圧力を受け、歯根吸収に至ってしまった、という流れになります。

 

 

リスクを前もって把握することはできないの?

 

「じゃあ、このリスクは前もって把握することはできないの?」

当然そのような疑問が生じますよね。

 

もちろん「矯正治療には歯根吸収のリスクがある」ということは矯正歯科医であれば誰でも知っています。

しかし「歯がどういう動きをするからどこにどういう歯根吸収のリスクが生じるか」については、歯の根っこの動きまで見ないとわからないのです。

そして従来の矯正治療では歯の根っこの情報まで把握することができませんでした。

 

ですが、3Dデジタル矯正は、専用のスキャナーで顎の骨の情報まで取得し、それをもとに歯と歯の根っこの動きまでをシミュレーションできます。

つまり「どこに歯根吸収のリスクがどのように生じるか」ということを治療前に把握することが可能になったのです。

 

ちなみに、歯根吸収以外の様々なリスクをこの3Dデジタル矯正で前もって把握し、リスクをできるだけ回避するように治療計画を立てます。

 

詳しくは本コラムの後半で記載させていただきましたのでぜひ最後までお読みください。

 

※すべてのリスクを100%なくすことができるというわけではありません。
しかしながら従来の治療法に比べると格段に減らすことが可能になりました。

 

 

3Dデジタル矯正での個別の調整の実際例

 

今回例に挙げる患者様の3Dモデル、横顔とお口の中の写真がこちらになります。赤い矢印は3Dモデルでの切歯管の位置を示しています。

歯根吸収の切歯管の写真

この患者さまの場合、

  • 重度の出っ歯を治す
  • 口元の突出した感じを改善する

という必要がありましたので、可能な限り上顎の前歯を後ろに下げる治療を計画しました。

そしてこの患者さまの3Dモデルを用いて「前歯を出来るだけ後ろに下げる」平均的な歯の傾きを与えた場合のシミュレーションを行ったところ、上顎の歯根か完全に切歯管にぶつかってしまうことが分かりました。

切歯管に歯根が重なっている3D図

切歯管に歯根が完全に重なってしまっています。

歯根が切歯管にぶつかった状態を示したシミュレーションとなり、このように歯を動かしてしまうと、歯根吸収を起こす確率が非常に高くなってしまいます

そこで歯の角度を調節して、切歯管に歯根がぶつからないようにシミュレーションをやり直しました。

切歯管と歯根の距離を適切にした3D

少し前側に矯正の位置を調整することで、切歯管との位置関係を適切に保てています。

このような設計をすることで、少しでも歯根吸収のリスクを減少させることができると考えています。

 

 

デジタル矯正システムは、従来の矯正治療にはできないリスク回避が可能

 

こういった調整が可能なのは、本当にデジタル矯正システムの大きなメリットだと痛感します。

 

というのは、従来の矯正治療での2Dのレントゲン写真だけでは、切歯管と歯根との正確な位置関係を把握することはできないからなのです。

 

また、従来の矯正治療では「2Dのレントゲン写真を参考にして、平均的な位置や角度に歯を配列する」ことを目標として治療を行ってきましたので、このような対応もあまり重要視されてきませんでした。

 

しかし患者様のお口の中の状態は本当にそれぞれで、ひとつとして典型的なものなどありません。

 

もちろん、今回の例は、平均値を目標としたシミュレーションと比較した場合、歯の位置は少し前方になり、歯の傾きはやや直立した状態になってしまいます。

 

しかし、患者様にとってより安全な方法を選択することにより、最も適切な治療デザインで、患者様の歯根吸収のリスクを回避することができました。

 

常に安全で最良な治療を行うには「平均的な位置や角度だけを目標にするのではなく、患者様それぞれの状態を正確に把握して、より柔軟に治療をデザインしなければならない」と思っています。

 

なお、現在主流のストレートワイヤー法による矯正治療は、上顎前歯の歯の傾きは、平均値を基準に設計されています。

  • 正確に個々の患者様の状態を骨の中まで見通すことが出来ない場合
  • 単純に平均値を基準とした治療計画

こういった場合は危険な治療になってしまう可能性がありますので、注意が必要です。

 

————————————————

 

新しいテクノロジーを用いたデジタル矯正治療では

  • 治療期間の短縮
  • 治療の品質の向上

こういったことはもちろんですが、さらに

  • より安全な矯正治療

をご提供できることを、このたびのコラムでお分かりいただけたと思います。

 

このような利点をぜひ分かっていただき、多くの患者様にデジタル矯正システムによる矯正治療を選択していただければと考えています。

suresmile conferenceで受賞した様子の林一夫院長

3Dデジタル矯正の治療の品質について

みなさんこんにちは、日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

 

前回のコラムでは、3Dデジタル矯正を用いた場合の治療期間の短縮についてお話しました。そこで触れたのが「患者様が最も気にすることのひとつが、治療期間である」ということです。

 

前回の記事はこちら:3Dデジタル矯正による治療期間の短縮について

andy Moles先生のオフィスにて、林一夫院長

アメリカのsuresmile systemのパイオニアドクターであるRandy Moles先生のオフィスにて。(2015年3月、ウィスコンシン州ミルウォーキー)

 

治療期間が短い=治療の品質が高い、という訳ではない

 

早く歯列を綺麗にし、通院や治療を終わらせるというのはもちろん大切なことです。しかしいくら早く治療が終わったとしても、本当にきちんと歯並びが整っていなければ、治療自体の意味がなくなってしまうと思いませんか?

 

気をつけなければならないのは、早い治療が必ずしも品質を担保してくれる訳ではないということなのです。

 

すべての歯科医院や矯正方法が同じ品質を保っているわけではなく、もちろん「早い」からといっても、結果が伴う保障はありませんから、早いというだけで決めてしまうのはとても危険なことだと思います。

そこで今回は、治療期間の短縮が可能な3Dデジタル矯正の治療の品質(どれだけきれいに歯並びが直るのか)について考えてみたいと思います。

3Dデジタル矯正はその治療期間の短縮の場合と同様に、治療の品質に関してもすでにいくつかの報告があります。これらの報告は国際的な学術雑誌に掲載されたものなので、信頼性も高いと思います。

 

どのように治療の品質を評価するのか

 

評価基準については、統一されたものでなくては客観性の乏しいデータになってしまいますので、ここでは現在、世界的に最もよく用いられている矯正治療の質の評価基準「ABO(American Board Orthodontics)スコア」を用いて検証しています。ここでは詳細は割愛しますが、簡単に説明すると

 

重度な凸凹があったり、何かしら歯並びに関連する問題があるとスコアが大きくなる

 

つまり「治療前と治療後でどれぐらいスコアが小さくなるか」で、治療の質を評価することができます。

 

従来の方法と3Dデジタル矯正治療との比較

 

前述したABOスコアを用いて「従来の方法で治療した場合の治療の品質」「3Dデジタル矯正で治療した場合の治療の品質」を比べた3編の学術論文をまとめると、以下の結果になります。

 

1)3Dデジタル矯正が良い治療結果だったところ

 

  • 水平的な歯の位置づけ
  • 捻じれて生えている歯の改善
  • スキマの閉鎖
  • 前歯の前後的な位置づけ
  • 上下の歯の接触状態の改善

2)従来の方法と3Dデジタル矯正で治療結果の品質に違いがなかったところ

 

  • 上顎の12歳臼歯の前後的な位置づけ
  • 上顎の12歳臼歯の上下的な位置づけ
  • 下顎の12歳臼歯の歯根の位置づけ

3)3Dデジタル矯正が悪い治療結果だったところ

 

  • 特になし

 

さらに要約すると以下の結果となっています。

  • 多くの項目で従来の治療と比較して良い治療結果が得られている
  • 従来の方法と比較して治療結果が劣るという結果は見られなかった

このように最新の3Dデジタル矯正は「治療期間の短縮だけでなく、より良い治療結果も得られる」ことがお分かり頂けると思います。

 

 

3Dデジタル矯正には専門の技術力が必要です

 

しかしながら、誰もがただ3Dデジタル矯正を使えば良い治療結果が得られるということではありません。

矯正専門医が、自らの知識を最大限に発揮して、より効率的な治療計画を立てる

ということで、初めて得られる結果であると考えます。

3Dデジタル矯正は、あくまで矯正治療のツールのひとつです。そのよさを発揮するには豊富な矯正治療に関する知識が不可欠であり、その意味では非常に難しいシステムでもあります。

 

私は、3Dデジタル矯正が矯正治療に変革をもたらし、未来の矯正治療を形作る基本のテクノロジーだと信じています。私もさらに研鑽を積み、皆様により良い矯正治療を提供できるように努力を続けて行こうと思います。

suresmile conferenceで受賞した様子の林一夫院長

2012年3月にテキサス州ダラスで行われたsuresmile conferenceにおいて、”Outstanding SureSmile Patient Management”を受賞しました。そのときの授賞式の様子です。大学時の後輩である上地先生も外科矯正に関するアワードを受賞しました。

 

※参考文献:
Sachdeva RC, Aranha SL, et al., Treatment time : Suresmile vs conventional. Orthodontics; 13(1):72-85, 2012.

Alford TJ, Roberts WS, et al., Clinical outcomes for patients finished with the suresmile method compared with conventional fixed orthodontic therapy. Angle Orthod. 81(3):383-388, 2011.

Larson BE, Vaubel CJ, et al., Effectiveness of computer-assisted orthodontic treatment technology to achieve predicted outcomes. Angle Orthod. 83(4):557-562, 2012.

Saxe AK, Louie LJ et al., Efficiency and effectiveness of suresmile. World J Orthod. 11(1):16-22, 2010.

suresmile導入による治療期間短縮のグラフ

3Dデジタル矯正で治療期間が短縮できます

みなさんこんにちは、日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

今回は私たち日本橋はやし矯正歯科で運用している3Dデジタル矯正“suresmile system”の治療の効果(治療期間の短縮)についてお話したいと思います。

 

「3Dデジタル矯正で、治療期間が短縮できるか?」この問いに対し、治療結果のデータからは「短縮されている」という結論を導き出すことができます。

 

それでは、以下に説明をしていきましょう。

 

 

4万人以上の治療結果が裏付ける短縮時間

 

suresmileを開発したOraMetrix社では、ほぼすべての治療結果に関するデータを蓄積し、以下の結論を独自に導き出しています。

4万人以上の患者における治療結果からsuresmileを用いることによって治療期間を約30%短縮することができる。

短い治療期間はすべての患者様が最も重要視されている項目ですし、これが事実ならばsuresmileを用いた矯正治療はとても良いものだと思います。

しかしながら、独自のデータはどうしてもバイアスがかかることが多いため、その他の論文も引用し、私なりにsuresmileを用いた場合の矯正治療の治療期間の短縮について考察してみたいと思います。

 

 

学術論文を元にして、それぞれの論文の結果をまとめたものです

 

現在、学術論文の検索は、ウェブ上のデータベースで簡単に行うことができます。世界的によく用いられている

  • PubMed
    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed
  • Web of Science
    研究機関専用のデータベース。契約しないと閲覧できないサイトなので、ここではURLは伏せさせて頂きます。

これらのサイトで

  1. “suresmile” をキーワードとして検索
  2. その結果、17編の論文が検出された
  3. そこから発表された年が新しい順に4つの論文を選択
  4. さらに私がOraMetrixとの共同研究プロジェクトの際に用いた他大学の学会発表用の研究データを追加

上記の条件で計算しました。こちらの図は、その結果をグラフにまとめたものです。

suresmile導入による治療期間短縮のグラフ

3Dデジタル矯正を用いることによる矯正治療の治療効果(治療期間の短縮)に関する項目をまとめると、次のようになります。

 

最も治療結果が短縮された報告では、従来の矯正治療と比較して約47%短縮された

これは今までの矯正治療で平均的に約2年間の治療期間が必要であったのに対し、suresmileを用いることによって、平均的な治療期間が約1年間に短縮されたということです。

 

すべての報告の患者群で治療期間の短縮が認められ、その範囲は29~47%

各研究で用いられた被験者数は33~89人であり(被験者数は多いほうが良い)、ある程度信頼できる結果であると考えます。


しかしながら

「日本人に多い歯を抜いて行う治療」

「欧米人で多い歯を抜かないで行う治療」

が混在している結果ですので、今後、より詳細な調査・研究を、私を中心とした研究プロジェクトで報告したいと思っています。

 

そしてさらに、suresmileなどの3Dデジタル矯正を適切に用いることにより「歯を抜く必要がある難しい治療でも、確実に治療期間を短縮できるという明確な科学的根拠を示すことができる」と考えています。

 

suresmileカンファレンスでの林 一夫院長

2013年、テキサス州ダラスでの suresmile ドクター・カンファレンス。
久保田先生、上地先生、田上先生、蓮田先生とともに。

 

※参考文献:
Sachdeva RC, Aranha SL, et al., Treatment time : Suresmile vs conventional. Orthodontics; 13(1):72-85, 2012.

Alford TJ, Roberts WS, et al., Clinical outcomes for patients finished with the suresmile method compared with conventional fixed orthodontic therapy. Angle Orthod. 81(3):383-388, 2011.

Larson BE, Vaubel CJ, et al., Effectiveness of computer-assisted orthodontic treatment technology to achieve predicted outcomes. Angle Orthod. 83(4):557-562, 2012.

Saxe AK, Louie LJ et al., Efficiency and effectiveness of suresmile. World J Orthod. 11(1):16-22, 2010.

Orametrixインストラクター研修の林先生

デジタル技術時代の歯科矯正医のあり方とは

デジタル技術時代の歯科矯正医のあり方とは、後述するように、

 

デジタル技術というパワフルなツールを利用することによって正確な患者情報にアクセスすることができ、その情報を有効活用できる環境づくりをしていく

 

ということが重要だと思っています。

 

 

皆さん、こんにちは。今回はデジタル矯正治療のあり方について考えてみたいと思います。

 

少し専門的な内容になってしまうかもしれませんが、治療を行う医師にはその”理念”や”哲学”も非常に大切な要素になって来ますので、私の考え方が少しでも伝われば嬉しいと思います。

 

ノースカロライナ大学での林先生

2008年、ノースカロライナ大学のProffit先生、Ko先生と共に。

 

 

トフラーが予言した情報化社会がもたらしたもの

 

未来学者のアルビン・トフラー(アメリカの評論家、作家、未来学者)をご存知でしょうか?

彼は今ほどデジタル化が進んでいなかった1980年代当時には誰も想像しなかった”情報化社会”を予言し、当時の社会に大きな影響を与えました。

 

彼はその著書の中で「情報化社会では、脱大量化、多様化、カスタム化によってその変化が加速されるだろう」と未来を予測しました。

そしてインターネット技術・デジタル技術が進んだ現在、彼の言葉通りに進化を続けています。

 

もちろん矯正治療の領域でも、デジタル技術の発展とともに類似の変化が進行していると思います。しかし、この情報化社会の中で新たな問題も発生しています。

 

  • 重要な新しいアイデアの有効期間がますます短くなっている
  • 新しい技術が次から次へと出現する

といった問題です。こうした状況の中で常に新しいデジタル技術を矯正歯科治療に融合させようとする場合、その費用は決して安いものではありません

私たち矯正科医が、計画し期待する変化に合わせて「最適なデジタル技術を、必要に応じて選択して、適用する」ことがとても重要であると考えます。

 

 

新しい技術だけではなく忘れてはならない基本

 

どんなに高度な技術が発展し、多くのアイデアがあふれ出てくるとしても、決して変わらない基本は存在しています

 

Dr. Zachrisson(オスロ大学)の言葉のように「最終的に矯正医は、歯だけでなく、歯を含む硬組織と軟組織の両方を考慮して治療する必要がある tissue engineer(※)である」と考えることができます。

 

※tissue engineer=ティッシュ・エンジニア。米国で生まれた比較的新しい考え方で、人体の臓器や組織を代替品を用いて作り出す、生命科学と工学の融合を行う技術者を指します。詳しくはまたこのコラムで説明して行こうと思います。

 

 

患者様に最善の治療を提供するために、洗練された良いtissue engineerになるには、診断と計画と実際の治療の過程一つ一つを疎かにせずに集中すべきだと考えます。

矯正治療にsuresmileなどのデジタル技術を組み合わせることも、決してこの原理から離れるものではなく、もしかしたら、より便利で簡単にその原理に忠実であろうとする努力の一環だと考えることが出来るかもしれません。

 

つまり、デジタル矯正治療におけるinnovation(革新)の最終目標は、

デジタル技術というパワフルなツールを利用することによって正確な患者情報にアクセスすることができ、その情報を有効活用できる環境づくり

であると考えます。

 

 

矯正治療にデジタル技術がもたらすもの

 

矯正領域でデジタル技術を適用すると、確かに「診断、治療計画、実際の治療の全過程」をより簡単かつ快適にしてくれるのは事実です。

例えば以下のような例が分かりやすいでしょう。

 

  1. 立体的な三次元情報を読み取ることで、患者様の解剖学的構造や、医師の治療哲学などをそのままダイナミックな視覚データとして具体化させることができる
  2. すべてのデータをネットワーク技術を利用して、他の分野の先生や、患者様と情報を共有することができる
  3. 多様で精密な三次元データをもとに、治療の前に、様々なシミュレーションを試みることで、最良の治療計画を立案することができる
  4. 最後に、このすべての利点が、最終的な治療結果を向上させる原動力になる

 

近年は矯正の領域だけでなく、様々な分野で「デジタル」技術が用いられています。

今後は間違いなく、「デジタル技術を導入するのかしないのかではなく、デジタル技術をどの程度、またどのように適用するのか、すなわち、デジタルテクノロジーの効率的な適用および運用について考えなければならない」という時代が訪れることになります。

 

Orametrixインストラクター研修の林先生

2015年、Orametrix社でsuresmile systemインストラクタードクターとしての研修(右から2人目)にて。同じ目標を掲げる素晴らしい仲間たちと。

 

矯正治療のデジタル技術の適用と革新

 

社会心理学者が言う”適用”(application)の意味を見ると以下のような内容が確認できます。

 

  • いくつかの特別な用途や目的に何かを新たに入れる行動、またはその何かを実際に活用すること
  • 綿密に注意集中をして継続的な努力を傾ける行動

 

私は、矯正科医が知っておくべきデジタル技術の”適用”である「正しい活用法」のすべての答えが、ここにあると考えています。

また“革新”(innovation)という言葉は、こんにち、すべての分野で最も多く使われる言葉ではないかと思います。その意味を具体的にビジネス関連辞書で探してみると

アイデアや発明が、社会的意義のある新たな価値を創造し、顧客が喜んでよりコストを支払うことができる製品やサービスに変化する過程である。

と書かれています。結局のところ、suresmileなどを基にしたデジタル矯正におけるinnovationの最終的な目標は、まさにこれではないかと私は考えています。

私の願いは「デジタル矯正が、その支払うコストに相応した明確な価値をもつ、真のinnovationになること」であり、今後もできる限りの努力を続けていこうと思っています。

笑顔の林先生

日本橋はやし矯正歯科 院長の林一夫です。-ご挨拶-

皆さんこんにちは。日本橋はやし矯正歯科、院長の林一夫です。

治療を行う林先生

まだ日本には大変少ないデジタル矯正システムでの治療をご提供します。

このたび、日本橋茅場町にこのような美しいクリニックを開院することができ、本当にうれしく思っています。私の今までの矯正歯科治療の経験を最大限に発揮し、私の大切な患者様方に心から喜んでもらえるように頑張っていきます。

 

日本国内において、今までほどんど提供できなかった新しい治療を、私の大切な患者様に提供することができると信じています。

 

日本橋はやし矯正歯科を選んでくださったすべての患者様に100%の満足を得ていただくために、患者様ご自身が治療に参加することかできる環境、そして何より、早くてより良い治療結果をご提供いたします。

医院は東京駅や日本橋駅、茅場町駅などからもとても近く、都内の方はもちろんのこと、他地域にお住いの方も通いやすい立地となっております。

皆様の幸せな生活のために、私がお手伝いできることがあります。ぜひ、日本橋はやし矯正歯科にお越しください。

 

林先生

より優れた技術で患者様に良い治療結果をお約束します。毎日をたくさんの笑顔で過ごしましょう。