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デジタル矯正システムで、より安全な矯正治療を!!【その2】

2016/01/12 03:15:54

日本橋はやし矯正歯科 院長 林 一夫

資格ドクターの紹介はこちら

・日本矯正歯科学会認定医
・日本矯正歯科学会指導医
・日本顎関節学会専門医
・日本顎関節学会指導医
・デンツプライシロナ公認 SureSmile/Adance/Orhto/Aligner ファカルティ・ドクター/インストラクター・ドクター

歯根がぶつかっている3Dモデル歯根部分の写真

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科です。
お悩みの方は当院の無料カウンセリングも是非ご検討ください。

 

みなさんこんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。
以前このコラムで、矯正治療についての安全性について書きました。

デジタル矯正システムで、より安全な矯正治療を!!

デジタル矯正システムは口腔内の細かな情報を取得できるので、従来より安全性の高い治療計画・治療デザインが行うことが可能になってきています。

今回は最近経験した患者様の “八重歯の治療例” をごらん頂きながら、再度別の視点からお話したいと思います。

 

 

八重歯の矯正治療の例

みなさんご存知のように、矯正治療は歯を動かして歯ならびを整えます。
「歯ならび」というと、歯の表面、見た目を連想しますよね。でも、よく考えてみると
歯を動かす=歯根を骨の中で動かす
という非常に大掛かりな治療なのです。そしてそのためには、歯根と骨の正確な情報が必要です。それがなければ、本当の意味での安全な治療を行うことは不可能なのです。

 

▼八重歯(犬歯低位唇側転移)の患者様の口の中の写真です

矯正治療の安全性、八重歯の写真

このような場合、犬歯(出っ張っている歯が犬歯です)の1つ後ろの歯、第一小臼歯を抜歯して、治療をすることが多いです。

 

▼三次元モデルに分かりやすく色をつけてみました

矯正治療の安全性、犬歯3Dモデルの写真

これは、写真の患者様の診断用三次元モデルです。色が変わっている歯が第一小臼歯で、この歯を抜歯して、治療を行うことになりました。

 

 

レントゲンでの確認の仕方

まず、この状態での歯根をレントゲンで確認してみましょう。

 

▼レントゲンで見てみましょう

八重歯のレントゲン写真1

この写真は、上顎の犬歯・第一小臼歯・第二小臼歯のレントゲン画像です。何か問題点を発見できましたか?

 

▼異常が認められる部分に色をつけてみました

yaeba_chiryoumae_xray2

このように第二小臼歯と犬歯の歯根が曲がっています(湾曲根)。このように二次元のレントゲン写真でも歯根の湾曲を診断することは、ある程度可能なことが分かります。

 

 

三次元モデルで見てみましょう

では、三次元モデルを用いると、どこまで詳細に分かるのでしょうか。矯正のシミュレーションを行いながら見て行きます。

 

▼第一小臼歯を抜歯したシミュレーションです

八重歯を治療した3Dモデルの写真

こちらは歯冠(歯の見えている部分)のみを参考に、第一小臼歯を抜歯した場合の歯の移動のシミュレーションを行った三次元モデルを示します。見えている部分はとてもきれいに並べることができていますね。

 

▼この状態の歯根の三次元的な位置関係はどうでしょうか

歯根がぶつかっている3Dモデル全体の写真

これが矯正後のシミュレーションの三次元モデルです。これを拡大して行くと、様々な問題が発生していることが分かります。円の部分に注目してください。

 

▼拡大して色をつけてみました

歯根がぶつかっている3Dモデル歯根部分の写真

着色した部分が、このように完全にぶつかってしまっています。つまり、この治療計画のまま歯を動かしてしまうと、

  • 治療途中で歯が動かなくなってしまう
  • 歯の根っこの衝突した部分が吸収される

という可能性が高く、その結果歯根に大きなダメージが生じてしまいます。

 

▼シミュレーションを重ねて修正を繰り返します

歯根がぶつかっている3Dモデル歯根部分矯正後の写真

幾度かのシミュレーションでの修正を行い、この患者様の場合には、矢印のように歯根がぶつからないように配慮した位置に、目標の再設定を行いました。

 

このように、三次元情報を基に詳細な歯の移動を計画することで、より安全な矯正治療を提供することが可能になります。

 

 

「見た目の完成度」だけが矯正治療ではありません

歯の移動の再計画の結果、見えている歯冠の部分だけを参考にしたシミュレーションと比べて「歯列の見た目」はやや見劣りするかもしれません

 

  • 犬歯の傾きはやや直立した状態
  • 第二小臼歯はやや後ろに傾いた状態

になってしまっているからです。

しかし前回のコラムでもお話しましたが、安全で最良な治療を行うには、患者様それぞれの状態を正確に把握して、より柔軟に治療をデザインしなければならないと思っています。

患者様の健康を最優先に考えれば「見た目を優先にした結果、安全性を損ねる」ということは決してあってはならないからです。

 

新しいテクノロジーを用いたデジタル矯正治療では ”より安全な矯正治療” を提供することができることをまた別の治療例からお分かり頂けたと思います。

このような利点をぜひご理解、ご納得された上で、多くの患者様にデジタル矯正システムによる矯正治療を選択して頂ければと考えています。

 

▼前回のコラムも併せてお読み下さい。

デジタル矯正システムで、より安全な矯正治療を!!

日本橋はやし矯正歯科 院長 林 一夫

資格ドクターの紹介はこちら

・日本矯正歯科学会認定医
・日本矯正歯科学会指導医
・日本顎関節学会専門医
・日本顎関節学会指導医
・デンツプライシロナ公認 SureSmile/Adance/Orhto/Aligner ファカルティ・ドクター/インストラクター・ドクター

経歴

1995年 北海道医療大学歯学部卒業
1999年 北海道医療大学大学院歯学研究科歯学専攻博士課程修了・学位取得
1999年 海道医療大学歯学部矯正歯科学講座 助手
2003年 アメリカ・ミネソタ大学歯学部口腔科学科 客員研究員
2006年 北海道医療大学歯学部矯正歯科学講座 講師
2007年 北海道医療大学歯学部口腔構造・機能発育学系歯科矯正学分野 講師
2007年 北海道矯正歯科学会 理事
2008年 アメリカ・ノースカロライナ大学歯学部矯正科 客員教授
2008年 北海道医療大学歯学部口腔構造・機能発育学系歯科矯正学分野 准教授
2011年 Digital Orthodontics 研究会 副会長
2015年 日本橋はやし矯正歯科 開院
2018年 K Braces矯正歯科原宿駅前 総院長就任
2021年 日本デジタル矯正歯科学会 副会長就任
2002年 11月 日本矯正歯科学会認定医(第2293号)
2007年 8月 日本矯正歯科学会指導医(第608号)
2013年 5月 日本顎関節学会専門医(第343号)
2013年 5月 日本顎関節学会指導医(第208号)

治療内容について