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デジタル矯正システムの治療の品質について

2015/09/30 06:40:50
suresmile conferenceで受賞した様子の林一夫院長

みなさんこんにちは、日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

 

前回のコラムでは、デジタル矯正システムを用いた場合の治療期間の短縮についてお話しました。そこで触れたのが「患者様が最も気にすることのひとつが、治療期間である」ということです。

 

前回の記事はこちら:デジタル矯正システムによる治療期間の短縮について

andy Moles先生のオフィスにて、林一夫院長

アメリカのsuresmile systemのパイオニアドクターであるRandy Moles先生のオフィスにて。(2015年3月、ウィスコンシン州ミルウォーキー)

 

【治療期間が短い=治療の品質が高い、という訳ではない】

 

早く歯列を綺麗にし、通院や治療を終わらせるというのはもちろん大切なことです。しかしいくら早く治療が終わったとしても、本当にきちんと歯並びが整っていなければ、治療自体の意味がなくなってしまうと思いませんか?

 

気をつけなければならないのは、早い治療が必ずしも品質を担保してくれる訳ではないということなのです。

 

すべての歯科医院や矯正方法が同じ品質を保っているわけではなく、もちろん「早い」からといっても、結果が伴う保障はありませんから、早いというだけで決めてしまうのはとても危険なことだと思います。

そこで今回は、治療期間の短縮が可能なデジタル矯正システムの治療の品質(どれだけきれいに歯並びが直るのか)について考えてみたいと思います。

デジタル矯正はその治療期間の短縮の場合と同様に、治療の品質に関してもすでにいくつかの報告があります。これらの報告は国際的な学術雑誌に掲載されたものなので、信頼性も高いと思います。

 

【どのように治療の品質を評価するのか】

 

評価基準については、統一されたものでなくては客観性の乏しいデータになってしまいますので、ここでは現在、世界的に最もよく用いられている矯正治療の質の評価基準「ABO(American Board Orthodontics)スコア」を用いて検証しています。ここでは詳細は割愛しますが、簡単に説明すると

 

重度な凸凹があったり、何かしら歯並びに関連する問題があるとスコアが大きくなる

 

つまり「治療前と治療後でどれぐらいスコアが小さくなるか」で、治療の質を評価することができます。

 

【従来の方法とデジタル矯正治療との比較】

 

前述したABOスコアを用いて「従来の方法で治療した場合の治療の品質」「デジタル矯正システムで治療した場合の治療の品質」を比べた3編の学術論文をまとめると、以下の結果になります。

 

1)デジタル矯正システムが良い治療結果だったところ

  • 水平的な歯の位置づけ
  • 捻じれて生えている歯の改善
  • スキマの閉鎖
  • 前歯の前後的な位置づけ
  • 上下の歯の接触状態の改善

2)従来の方法とデジタル矯正システムで治療結果の品質に違いがなかったところ

  • 上顎の12歳臼歯の前後的な位置づけ
  • 上顎の12歳臼歯の上下的な位置づけ
  • 下顎の12歳臼歯の歯根の位置づけ

3)デジタル矯正システムが悪い治療結果だったところ

  • 特になし

 

さらに要約すると以下の結果となっています。

  • 多くの項目で従来の治療と比較して良い治療結果が得られている
  • 従来の方法と比較して治療結果が劣るという結果は見られなかった

このように最新のデジタル矯正システムは「治療期間の短縮だけでなく、より良い治療結果も得られる」ことがお分かり頂けると思います。

 

 

【デジタル矯正システムには専門の技術力が必要です】

 

しかしながら、誰もがただデジタル矯正システムを使えば良い治療結果が得られるということではありません。

矯正専門医が、自らの知識を最大限に発揮して、より効率的な治療計画を立てる

ということで、初めて得られる結果であると考えます。

デジタル矯正システムは、あくまで矯正治療のツールのひとつです。そのよさを発揮するには豊富な矯正治療に関する知識が不可欠であり、その意味では非常に難しいシステムでもあります。

 

私は、デジタル矯正システムが矯正治療に変革をもたらし、未来の矯正治療を形作る基本のテクノロジーだと信じています。私もさらに研鑽を積み、皆様により良い矯正治療を提供できるように努力を続けて行こうと思います。

suresmile conferenceで受賞した様子の林一夫院長

2012年3月にテキサス州ダラスで行われたsuresmile conferenceにおいて、”Outstanding SureSmile Patient Management”を受賞しました。そのときの授賞式の様子です。大学時の後輩である上地先生も外科矯正に関するアワードを受賞しました。

 

※参考文献:
Sachdeva RC, Aranha SL, et al., Treatment time : Suresmile vs conventional. Orthodontics; 13(1):72-85, 2012.

Alford TJ, Roberts WS, et al., Clinical outcomes for patients finished with the suresmile method compared with conventional fixed orthodontic therapy. Angle Orthod. 81(3):383-388, 2011.

Larson BE, Vaubel CJ, et al., Effectiveness of computer-assisted orthodontic treatment technology to achieve predicted outcomes. Angle Orthod. 83(4):557-562, 2012.

Saxe AK, Louie LJ et al., Efficiency and effectiveness of suresmile. World J Orthod. 11(1):16-22, 2010.

日本橋はやし矯正歯科
院長 林 一夫

ドクターの紹介

日本矯正歯科学会認定医
日本矯正歯科学会指導医
日本顎関節学会専門医
日本顎関節学会指導医
デンツプライシロナ公認 SureSmile/Adance/Orhto/Aligner ファカルティ・ドクター/インストラクター・ドクター

経歴

1995年 北海道医療大学歯学部卒業
1999年 北海道医療大学大学院歯学研究科歯学専攻博士課程修了・学位取得
1999年 海道医療大学歯学部矯正歯科学講座 助手
2003年 アメリカ・ミネソタ大学歯学部口腔科学科 客員研究員
2006年 北海道医療大学歯学部矯正歯科学講座 講師
2007年 北海道医療大学歯学部口腔構造・機能発育学系歯科矯正学分野 講師
2007年 北海道矯正歯科学会 理事
2008年 アメリカ・ノースカロライナ大学歯学部矯正科 客員教授
2008年 北海道医療大学歯学部口腔構造・機能発育学系歯科矯正学分野 准教授
2011年 Digital Orthodontics 研究会 副会長
2015年 日本橋はやし矯正歯科 開院
2018年 K Braces矯正歯科原宿駅前 総院長就任
2021年 日本デジタル矯正歯科学会 副会長就任
2002年 11月 日本矯正歯科学会認定医(第2293号)
2007年 8月 日本矯正歯科学会指導医(第608号)
2013年 5月 日本顎関節学会専門医(第343号)
2013年 5月 日本顎関節学会指導医(第208号)