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治療期間短縮のための当院の取り組み

みなさんこんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林一夫です。
矯正治療の期間は皆さんとても気にされるところだと思います。

当院ではいくつかの治療期間短縮のアプローチを行っていますので、今回はそれをご紹介いたします。

 

矯正治療はなぜ期間がかかるのか

 

「少しずつ動かす」から時間がかかる

 

矯正治療になぜ期間がかかるのか?のおさらいをしてみましょう。

矯正治療は歯に力をかけて目的とする場所に歯を動かすことで、歯並びと咬み合わせの改善を行います。

歯を歯根ごと、ほんの少しずつ徐々に動かし、動かす過程で様々な調整をして、治療を進めていきます。

 

重症度が高いほど治療期間が長くなる

 

歯を並べる広さが足りない場合は抜歯することも多いです。

そうなると抜歯した後にその傷がある程度塞いでから矯正治療を再開する…と、重度であればあるほど多くの工程を要し、複雑な治療になります。

 

3Dデジタル矯正は治療期間を短縮できる治療法です

 

当院で行っている3Dデジタル矯正は、シミュレーションにより従来の矯正治療での無駄な動きを排除し、最短距離で歯を動かすことで治療期間の短縮を行っています。

抜歯を伴わないような比較的簡単な症例では6ヶ月ほどの治療期間で終了する場合もあります。

 

しかし大きな凸凹や重度の出っ歯の治療では、小臼歯(前から数えて4番目もしくは5番目の歯)を抜歯して治療を行うので2年半ほどの治療期間となります。

 

高周波の振動で治療期間短縮を

 

現在、当院では高周波の振動を発生させる装置を用いた矯正治療期間の短縮が可能な治療プランのオプションをご提案しています。

 

高周波の振動を歯に与えることによって歯の移動自体が早くなり治療期間が短縮できます。さらに歯の移動に伴う痛みの緩和も可能です。

 

装置に関するお問い合わせはカウンセリング時にスタッフまでお問い合わせください。

 

参考文献/サイト

 

高周波振動を適用することによる矯正治療への効果はいろいろと研究されています。

 

1)高周波振動により歯の動きが速くなる可能性を示唆した論文です。

 

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2212443818301644

Alansari S, et al., The effects of brief daily vibration on clear aligner orthodontic treatment, J World Fed Ortho 2018.

 

https://journals.plos.org/plosone/article/figure?id=10.1371/journal.pone.0196540.g003

Alikhani M, Alansari S, Hamidaddin MA, Sangsuwon C, Alyami B, et al. Vibration paradox in orthodontics: Anabolic and catabolic effects. PLoS ONE 2018. 13(5):e0196540.

 

2)高周波振動により矯正治療の治療期間が短縮される可能性を示唆した論文です。

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30002296/

Shipley T. Effects of High Frequency Acceleration Device on Aligner Treatment-A Pilot Study. Dent. J. 2018, 6(3), 32.

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30397398/

Judex S, Pongkitwitoon S. Differential Efficacy of 2 Vibrating Orthodontic Devices to Alter the Cellular Response in Osteoblasts, Fibroblasts, and Osteoclasts. Dose Response. 2018;16(3):1559325818792112. Published 2018 Aug 16. doi:10.1177/1559325818792112

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31497574/

Shipley T, Farouk K, El-Bialy T. Effect of high-frequency vibration on orthodontic tooth movement and bone density. J Orthodont Sci 2019;8:15.

 

上記の研究結果が示しているのは効果がある可能性を示すものであり、すべての人に当てはまるわけではありません。

しかし治療期間を可能な限り短縮したい場合は、効果的なアプローチであると考えています。
高周波の振動を発生させる装置はいくつか開発され、実際の矯正臨床に応用されています。

 

SureSmile vPro 9万5千円(税込み)

 

 

使用においてご注意頂きたいこと

 

高周波の振動を発生させる装置は日本国内での医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(いわゆる薬機法)では認定されていないため、歯科医師の裁量権での使用をお願いしています。

 

また医薬品副作用被害救済制度の対象外の場合があることをご理解の上でご使用いただいております。

 

加速矯正に関してよくまとめられた著書です。私も参考にしています。

加速矯正論文の表紙の画像

https://www.shien.co.jp/act/d.do?id=8009

矯正体験レポート【スタッフA】(3)IPRの説明と感想

こんにちは、日本橋はやし矯正歯科のスタッフAです。

今回はIPRのご説明をメインに体験レポートしていきますのでよろしくお願いします。

 

今回は連載の第3回目です。

初めてご覧になる方は、ぜひ1回目からご覧ください!

矯正体験レポート【スタッフA】(1)過蓋咬合やガタガタ歯が悩み!

矯正体験レポート【スタッフA】(2)どの矯正方法を選ぶ?

 

出っ歯の改善をIPRで行う

 

私の悩みでもある出っ歯を、今回はIPR(Inter Proximal Reduction/ディスキング)とも呼ばれます)という方法で改善を図っていきます。

【IPR(Inter Proximal Reduction/ディスキング)とは】

 

IPRとは歯と歯の間を歯に影響のない範囲で削る処置です。

前歯を後ろに下げたり、凸凹の強い歯並びの場合に歯の可動域をつくるために行います。

歯を削るのは怖くない!!

 

歯を削ると言われると「痛いかな?」「虫歯になりやすくなるのかな?」とご心配される患者さまもいらっしゃいますが、大丈夫!

痛みも、虫歯になりやすくなることもありません。

治療中は目元がドレープカバーで見えないため、使用している器具も見えないのでより一層心配になりますよね?ですので器具をご説明します。

 

こちらが研削用ストリップという器具です。

IPRのための研削用ストリップ

0.1mm、0.2mm~の厚さを必要に応じて研削します。

一般的なコピー用紙で0.1mm、はがきで0.2mmくらいの厚さと考えると、少しイメージつきますでしょうか?

この小さな小さなやすりで、歯と歯の間をこすっていくという感じです。

私の場合は、上の前歯を1.5mm引っ込めるためにIPRを行い、下顎の前歯は現状維持の予定です。

 

3Dデジタル矯正のシミュレーション

 

当院で行っている3Dデジタル矯正では、ヴァーチャルペイシェント(3Dモデル)でのシミュレーションで、治療開始前に目指す歯並びを画面上で再現することができます。

画面上で上下左右にぐるぐると回転させながら、立体に確認することができます。

3Dデジタル矯正によるヴァーチャルペイシェント(3Dモデル)でのシミュレーション画像

画像の下の方に細かな数値がありますが、これがIPRが何mm必要で、前歯が何mm下がるのかなどが細かく数値化されています。

 

このシュミレーションにより、画面上で

  • 何mmのIRPが必要か
  • もっと出っ歯の改善をしたいなら便宜抜歯による治療でどこまで前歯を下げられるか

など、ヴァーチャル上で事前に確認することができるのです!

 

こうして、歯科医師と患者さま双方の治療の目標地点を確認し共有し合い、必要がなかった抜歯を回避できたり安全に治療ができるという訳です。

 

私の場合は抜歯は必要なく、IPRにより上の前歯を1.5mm引っ込め、下顎の前歯は維持という計画になりました。

 

ブラックトライアングル改善のため正中は0.3mm削りました

 

私は正中(真ん中)にブラックトライアングルが認められたため、特に正中は0.3mm研削が必要でした。

下の写真をご覧ください。

正中(真ん中)にブラックトライアングルが見られる前歯の画像

上の前歯の間に小さな黒い三角形の隙間があります。これをブラックトライアングルと言います。

 

ブラックトライアングルについては以下のコラムをご覧ください。

ブラックトライアングルは、デジタル矯正システムで予測可能に

 

処置は10分くらいで終了しました。

IPR(ディスキング)が完了した画像

前歯の犬歯から犬歯まで研削しています。

スペースが閉じたら悩んでいたブラックトライアングルも解消されそうで嬉しいです。

なお、おおよそ1~2か月で研削したスペースはしっかり閉じてしまいます。

 

痛みはなく、振動だけでした!

 

実際の処置の感想は「痛みはないが、ブィーンと歯からの研削による振動が頭に響く感じ」でした。

以前のスッタフブログにも紹介されていましたが、まさに工事現場にいるようでした。

 

その時の記事がこちらです。ぜひご参考に読んでくださいね。

矯正体験レポート第三回:カスタムワイヤー編!


今回のレポートはここまでとなります。

また随時更新しますので、よろしくお願いいたします!
 

 

矯正体験レポート【スタッフC】(1)写真写りが気になっていた

こんにちは、日本橋はやし矯正歯科のスタッフCです。

僕も矯正治療をはじめましたのでこちらでレポートしていきます。よろしくお願いいたします。

矯正治療を始めたスタッフCの画像

本来、矯正治療に男性も女性もありませんが、比較的少ない男性の事例となりますので、男の方も積極的に参考にしていただけるかと思います。

 

では、私が矯正治療を決意するまでのお話から今回は進めて参ります。

 

 

やろうやろうと思いながら先延ばし…

 

自分の歯並びに問題があることは、随分前からわかっていました。 

 

「いつかやろう、いつか」

 

そう思いながらもなかなか重い腰が上がらず、37歳になってしまった僕がついに矯正治療を始めることに至った経緯からお話します。

 

 

歯医者怖い!

 

矯正したいと思っていたのになぜ今までやらなかったのかというと、

  • 理由その1「矯正って痛そう」
  • 理由その2「2年くらいかかるよね?毎月歯医者行くってめんどくさい」
  • 理由その3「…歯医者怖い(小声)」

 

歯医者で働いているのに歯医者怖いとか言ってすみません。

 

でもこれが本音です。

 

だからみなさんの気持ちがめっちゃわかります!!

なので、やろうやろうと思っていても、そのうちそのうち…と先延ばしにしていました。

でも、結局やることになったんだから、思った時がやる時だ!と今は思っています。

 

 

「旅行の記念写真」が矯正治療のきっかけ

 

そんな僕が矯正を始めようと思ったキッカケは、数年前の沖縄旅行でした。

普段の生活ではほとんど需要がありませんが、旅行となると避けて通れないものがあります。

そうです、写真撮影です。

 

青い海、白い砂浜、晴れ渡る空、気の置けない仲間とビーチでBBQ。

これ以上ない最高な時間を過ごしているにも関わらず、カメラを向けられることに不快感を覚えている自分に気付いたのです。

 

口元が気になる、写真に残されたくない…

カメラを向けられるとついついオリオンビールの缶で口元を隠したりして。

 

そして、

「そこまで気になっているなら、矯正してきれいな歯並びを手に入れよう。

他人の目を気にせず笑顔で写真に納まる人生を選ぼう」

 

沖縄の大きなオレンジ色の夕日に照らされながら、矯正を始める覚悟を決めた瞬間でした。

 

 

重度のすきっ歯を改善したい

 

まず、口の中の写真と顔の写真を見ていただきます。

顔の外からの写真です。

スタッフCの顔の外からの写真

下顎の前歯の所に大きな隙間があるのがよくわかりますね。

いわゆるすきっ歯の状態で、写真に写るときにこれが本当に気になっていました。

 

専門的には空隙歯列弓といいます。正面からの顔の写真を撮るとこの隙間が目立つことがわかると思います。

スタッフCの歯の正面の画像

 

左右から見るとこんな感じです。

結構隙間が空いちゃっていますね…。
スタッフCの口腔内右側の画像スタッフCの口腔内左側の画像

 

院長の診断によりますと、程度は比較的重度とのことでした。ガーン!

 

そんなこんなで矯正治療が始まります。

 

 

まずは精密検査をします

 

精密検査の内容

 

精密検査の内容は、レントゲン撮影・CT撮影・印象採得・写真撮影(顔面・口腔内)です。

 

精密検査は、矯正治療を始めるにあたって必要な情報を得るための、とても大切な検査です。

 

レントゲン、CTで詳しく分析します

 

レントゲンの情報から頭蓋骨の骨格的な特徴や歯が生えている角度を分析し、CTの情報から歯槽骨の大きさや厚み、歯の大きさや歯根の形などさまざまな情報を得ます。

その情報をもとに「平均値と比べてどこがどれくらいずれているのか」という問題点を抽出します。

僕の場合は、下の歯に複数の隙間があり、左側の噛み合わせがⅡ級咬合(上顎に対して下顎が遠心位を取っている状態)だったため、左上の犬歯から左下の第一大臼歯にゴムをかけて左上の歯を遠心へ、左下の歯を近心へ移動させて正しい噛み合わせを作る予定です。

 

それから、上顎の歯の幅径が下顎の歯の幅径より2.4mmも大きかったため、上顎の歯を削って上下の歯の幅径のバランスをとって咬み合わせを整える予定です。

上下の歯の幅径を合わせることによって、上顎の前歯の前突も改善されて調和のとれた歯並びを手に入れることができるのです。

 

suresmileシステムのシミュレーション

 

当院で導入しているsuresmileシステムは、デジタル模型で矯正前と矯正後のシミュレーション画像を比較できることはもちろん、歯の移動量や歯の幅径を数字で見ることができるので安心して治療が受けられると思います。

以下の画像の赤枠の2.4mmという数字。

3Dデジタル矯正の治療前のシミュレーション画像

これが、上顎の歯のほうが下顎の歯より2.4mm大きいというデータです。

 

ということで、精密検査・診断・クリーニングを済ませていよいよ矯正装置の装着です。

 

ハーフリンガルでの矯正、矯正開始の感想

 

僕は、上顎は裏側、下顎は表側にブラケットを付けるハーフリンガルタイプで治療します。

 

装置を装着した感想は「なんかゴワゴワする」という感じです。

心配していた痛みは今のところほとんどないのですが、鎖状の連結ゴムをかけているので圧迫感があります。

しかし装置を装着して1週間もするとゴワゴワ感にも慣れてきてあまり気にならなくなってきました。

 

左上の犬歯から左下の第一大臼歯にかけているゴムも、喋ったり水を飲んだりするくらいならほとんど気になりませんが、あくびをするとかなり牽引感があります。

大きな口を開けることは控えたほうが良さそうです。


初回は矯正を始めたきっかけと精密検査、そして装置を装着した感想を書きました。

 

次は食事と歯磨きに関して書こうと思います。
ではまた次回。

矯正体験レポート【スタッフB】(1)出っ歯、口ゴボ、ガタガタ歯が悩み!

こんにちは!日本橋はやし矯正歯科のスタッフBです。

実はスタッフAとともに、私も矯正治療をはじめました。

こちらも「ほぼ」リアルタイムのレポートです、どうぞよろしくお願いいたします!

 

矯正治療を始めたスタッフBの画像

私もお顔を出すのが苦手なので後ろ姿で失礼します…。

 

 

現在進行形のスタッフAのコラムもぜひお読みください!

矯正体験レポート【スタッフA】(1)過蓋咬合やガタガタ歯が悩み!

 

矯正体験レポート【スタッフA】(2)過蓋咬合やガタガタ歯が悩み!

 

 

スタッフBの歯並びの悩みについて

 

私は以前から自分の歯並びにコンプレックスがありました。

 

  • 上の前歯が出ている(出っ歯)
  • 口元が出ている(口ゴボ、ゴボ口とも呼ばれます)
  • 下の歯のガタガタ歯(歯の凸凹、叢生)
  • Eラインがキレイじゃない(鼻先と顎をつないだライン)

です。

 

実際のお口の中のお写真をお見せしちゃいます。

 

まずは横から見た状態です。

スタッフBの口腔内右側の画像

 

前歯が全体的に前の方に突き出ています。これが「口ゴボ」です(涙)

上の歯が突き出ているのでこれが「出っ歯」となります。

 

正面からの写真も公開します。

 

スタッフBの口腔内正面の画像

前歯は上の歯が完全に被さっていて、下の歯もガタガタしていて綺麗ではありません。

 

 

笑ったときの顔に自信がもてず、ずっと矯正したいなと思っていました。

そんな私がついに矯正スタートします!

 

矯正には従来型の矯正治療とデジタル技術を応用した最新の矯正治療がありますが、当院では後者のデジタル矯正ですべての患者様を治療しています。

デジタル矯正の素晴らしいところを紹介しつつ、経過をお見せするので読んでいただけたらと思います。

 

カウンセリングから精密検査まで

 

まず始めに、院長先生(林先生)とカウンセリングを行います。

その後、精密検査を行います。精密検査の内容は口腔内写真、顔の写真、歯型取り、レントゲン撮影になります。

精密検査の結果をふまえて林先生が診断をします。

 

診断の結果、上下裏側矯正(ワイヤー矯正)に決定しました!

また、今回の治療の具体的な内容は以下となります。(数字の順番で治療が進みます)

  1. 上下左右の親知らずの抜歯(全部で4本)
  2. 口蓋正中(上顎の真ん中)に矯正用インプラント(TADs/emporary Anchorage Device)埋入
  3. 装置装着(下顎)
  4. 上下左右四番目の抜歯(全部で4本)
  5. 装置装着(上顎)
  6. ディスキング(IPR/Inter Proximal Reduction:歯の隙間を適切にする処置)

※症例により順番が異なって参ります。

 

抜歯は全部で8本です!

 

①親知らずの抜歯

 

矯正を始める前に親知らずの抜歯を行います。

 

親知らずは、矯正に支障がでないように抜歯する場合がほとんどです。

 

抜かない場合もありますが、私の場合は根っこに埋まっている状態の親知らずはなんと横向きに生えていたため、抜かざるを得ない状態でした(笑)。

横向きに生えていると、前の歯を押してしまう可能性があるのです。

 

また、日本人は顎が小さいので歯が並びきらずにがたついてしまうことが多いそうです。

私も例外ではなく、そのためにも親知らずを抜歯しました。

 

 

 

抜歯後は腫れることがあるのでスケジュールを調整しましょう

 

無事親知らずの抜歯が終わりました。

上の親知らずはそれほど大変ではありませんでしたが、下の親知らずは抜くのに少し時間がかかりました。

麻酔をして痛み止めも飲むので痛くはないですが、抜歯後一週間は顔がとても腫れました!!

友達に「(昔話の)コブ取り爺さんみたいだね」といわれたほどです。

なので抜歯後に大事な予定はなるべく入れないほうがいいですよ!

 

②矯正用インプラントの埋入

 

矯正用インプラントはインプラントアンカー、アンカースクリュー、TADs(Temporary Anchorage Device)などとも呼ばれます。

歯を動かすための固定源になるもので、直接骨に埋め込みます。

 

こういう状態です。初めて見る方はちょっとびっくりするかも!?

矯正用インプラント(アンカースクリュー)を埋入した画像

材質はチタンなので人体へのため害性はなく安全です。

矯正用インプラントを埋入すると歯を大きく動かすことができますので、治療期間も短縮することが可能です。

 

※稀にチタンに金属アレルギーがある方もいらっしゃいます。
金属アレルギーについては以下のコラムをご確認ください。

金属アレルギーと当院の矯正治療について

 

矯正用インプラントを入れる手順です

 

矯正用インプラントを入れる(埋入する)ためにはまず、表面麻酔をしてから、浸潤麻酔をします。

次に矯正用インプラント埋入する場所を決めて、ドリルで穴を開けていきます。

 

穴を開けるのはとても痛そうで振動も怖い…!
と思ってましたが、思ったより振動もなく、痛みもありませんでした。

 

その後、専用の器具で矯正用インプラントの埋入となります。

麻酔をしてから矯正用インプラント埋入完了まで15分くらいで終わりました。あっという間です!

 

埋入後は、ブラシでやさしく磨いていきます。矯正用インプラントの周りに汚れがたまってしまうと、周りの歯茎が腫れてしまったり、痛みがでてくることもあるので要注意です。

 

③下顎の矯正装置を装着します

 

このタイミングで、下顎にも裏側矯正の装置が入ります。

下顎に裏側矯正の装置をセットしている画像

次に上顎4番目の抜歯をおこなっていきます。

 

④上下左右四番目の4本の歯を抜歯

 

矯正装置を入れた後に、親知らず以外の「上下左右四番目の4本の歯」を抜歯しました。

 

歯自体は虫歯もなく健康だったので、実は4本すべてを抜歯するのは少し抵抗がありました。

ですが歯は、対合歯(たいごうし:噛み合う上下の歯)がないとどんどん出てきてしまい、歯並びが悪くなり咬み合わせが悪くなってしまいます。

 

「対合歯」も重要な要素です

 

なお対合歯とは以下のイラストの「①に対して②」「③に対して④」またはその逆を指します。

対合歯の画像

そのため、今後のことを考えて上下4本を抜歯しました。もったいないような気もしますが、理想の歯並びになるためです!

日本人は顎が小さい人が多く、歯が並びきらずにガタガタ歯になってしまうことがあるそうで、私もその中のひとりです。

 

こちらは私のレントゲン写真です。

スタッフBの歯のレントゲン画像

上の歯に比べて、下の歯がとっても窮屈そうに並んでいることがわかります。

 

当院では抜歯も行っています

 

他の矯正専門クリニックでは、便宜抜歯を別のクリニックにお願いすることがありますが、当院では口腔外科の専門医の先生も在籍していますので、適切な便宜抜歯を行うことができます。

いちいち別な歯医者さんに行かなくて済むのでこういうちょっとした負担の回避も患者さまのストレス軽減につながります!

 

今回の抜歯は痛みも腫れも少なかったです

 

この4番目の歯の抜歯は、親知らずの抜歯よりも痛みが少なく腫れることもほとんどありません。
私の場合、まったく痛みがなく簡単に抜けました。

すでに親知らずを抜いていて、合計8本の歯を抜歯するので慣れもありましたが…(笑)

 

⑤上顎に矯正装置を取り付けます

 

矯正用インプラントの埋入を終え、抜歯が完了したら、その周囲にPLAS(パラタル・レバー・アーム・システム)という器具と矯正装置を装着します。

PLAS

このPLASという装置からゴムでひっぱると効率よく歯を動かすことができます。

 

お口の中を見ると何やらいろいろ装置がありますが…外から見るとこの通り!

スタッフBの抜歯後の画像

抜歯した以外は見た目はほとんど何も変わらないです。

この抜歯した跡の空間が、歯が移動することによりなくなっていくことになります。


ここまでかなり駆け足でご説明しましたが、次は治療の経過をご報告します。

楽しみにお待ちください!

金属アレルギーと当院の矯正治療について

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科院長の林 一夫です。
「金属アレルギーですが矯正治療は可能ですか?」というご質問をしばしばお受けいたします。

 

金属アレルギーの方でも矯正治療は行えますが、検査や気をつけることなどについてご説明させていただきます。

 

金属アレルギーで多いアレルゲンについて

 

歯科医療でよく使用されるうち、アレルゲンとなりやすい金属はこちらです。

  • ニッケル
  • コバルト
  • クロム

上記がすべてではなく、稀にチタンなどでもアレルギー反応を起こされる方もいらっしゃいます。これについては後述します。

 

まずはパッチテストを行います

 

金属アレルギーが疑われる場合に行う検査で一般的なのはパッチテストです。
パッチテストについては以下の参考文献をご覧ください。

 

参考文献

 

金属アレルギーについて(概要)

金属アレルギーの一般的な説明です。症状や検査方法について。
https://www.jda.or.jp/park/relation/metalallergy_04.html

 

歯科治療の金属アレルギーについて

 

日本橋はやし矯正歯科の金属アレルギー対策

 

当院では、金属アレルギーの方の矯正治療では、アレルゲンとなりにくい

  • チタン製
  • 金属ではなく、セラミック製

いずれかの矯正装置を使用し矯正治療を行います。

 

一般的な矯正用ワイヤーは、アレルゲンとなりやすいニッケルを含有することが多いですが、当院が使用する高精度カスタムワイヤーはニッケルを含有しないベータチタン製で作製することが可能です。

 

金属アレルギーを考慮しアレルゲン対策を万全に行っておりますのでどうぞご安心ください。

 

金属アレルギーの方の実際の矯正治療例

 

こちらは、金属アレルギーの方が実際に矯正装置をつけた表側矯正の写真です。

金属アレルギーの方が実際に矯正装置をつけた表側矯正の写真

 

材料は

  • ブラケット:セラミック製
  • 臼歯部用チューブ:チタン製
  • ワイヤー:ベータチタン製

を使用しています。

 

この材料の組み合わせは金属アレルギー対策はもちろんですが、透明で目立たないので、見た目を気にされる方にも支持されています。

 

チタンにアレルギー反応がみられる場合

 

非常に少ないですが、ごく稀にチタンをアレルゲンとする金属アレルギーの方がいらっしゃいます。この場合は金属を使わない「マウスピース型矯正装置」を使用することになります。

 

マウスピース矯正装置の写真

 

参考文献

歯科用金属アレルギーの動向(過去 10 年間に広島大学病院歯科でパッチテストを行った患者データの解析)
http://ir.tdc.ac.jp/irucaa/bitstream/10130/2810/1/4_23.pdf

 

症状の出方は患者様により様々です

 

以上、わかりやすく説明させて頂きましたが、金属アレルギーの程度や生活スタイルは患者様それぞれです。

例えば、ピアスやアクセサリーなどに反応することで金属アレルギーと診断された患者様が、矯正装置で必ずアレルギー反応が出るかと言えばそうとも限りません。

ですので、どのように治療を進めるかは、患者様のご意向を第一に、話し合いをもとに決めて参ります。

 

裏側矯正を希望されたケースの例

 

ここでご説明するのは裏側矯正をご希望の患者様。

裏側矯正装置は必ずニッケルを含有しておりますので、金属アレルギーが重度の方には使用できないことがあります。

ですが、こういう患者様のお口の中をよくよく調べますと、虫歯治療の金属の詰め物(ニッケルが含まれる)が既にある場合もあります。

アレルギー症状が出ていない(軽症である)ので、患者様ご自身も気づかないことも実はしばしばあるのです。

 

こういう方の場合は治療の過程で、裏側矯正装置を試験的に着けて、アレルギー反応が出るかを見ていく場合があります。

(もちろんパッチテストと併用します)

 

金属アレルギーは突然発症することがあります

 

ほとんどの金属アレルギーの方は「気がついたら反応するようになった」はずです。

つまり、今日アレルギーが出なくてもある日突然出ることがあるので、気になる方は皮膚科でパッチテストを受けておいて頂ければと思います。


金属アレルギーが気になる、詳しく聞きたいという方はカウンセリングの際にご質問ください。