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マウスピース矯正とワイヤー矯正

アライナー矯正(マウスピース矯正)とワイヤー矯正の違い-6選

矯正治療を検討している人の中には、矯正中に装着するワイヤーが目立つことが気になるという人もいるのではないでしょうか。

最近では、従来のワイヤー矯正治療だけでなく透明で目立たないアライナー矯正(マウスピース矯正)を選択する人も増えています。

 

この記事では、アライナー矯正(マウスピース矯正)とワイヤー矯正の違い、アライナー矯正の治療の流れや注意点などを解説します。

矯正治療を検討している人はぜひ参考にしてください。

 

 

 

 

アライナー矯正とは

アライナー矯正は透明なマウスピース状の装置を付けて矯正する方法なので、マウスピース矯正とも言われています。

従来のワイヤー矯正と比較して周りに矯正治療をしていることが分かりにくいことが特徴です。

また、ワイヤーに食べ物が引っかかるなどの心配もないため、不快感や異物感もおさえられます。

 

しかし、アライナー矯正(マウスピース矯正)は、全ての歯並びに効果的というわけではありません。

自分の歯並びがアライナー矯正の治療に適しているかを歯科医師に確認しておく必要があります。

 

 

アライナー矯正(マウスピース矯正)とワイヤー矯正との違い

 

アライナー矯正(マウスピース矯正)とワイヤー矯正は見た目や痛みなどいくつかの違いがあります。

アライナー矯正とワイヤー矯正の主な違いは以下の通りです。

 

アライナー矯正 ワイヤー矯正
見た目 装置が透明であるため目立たない 表側矯正は装置が目立つが裏側矯正であれば見えない
痛み 比較的少ない 最新のデジタル矯正の場合は比較的少ない
メンテナンス性 アライナーを取り外しできるためメンテナンスしやすい 装置の取り外しができないため歯みがきをしっかり行う必要がある

治療費の目安
※クリニックによっても異なります

70~110万円程度(全体的に矯正するケース)
50万円程度(部分的に矯正するケース)
100万程度(表側)
140万円程度(裏側)
治療期間の目安
※歯並びの症状によっても異なります
 1~2年程度(全体的に矯正するケース)
6カ月~1年6カ月程度(部分的に矯正するケース)
1~3年程度(表側・裏側共通)
適応できる範囲 歯並びの症状や骨格によっては適応できないケースもある デジタル矯正ではほぼすべての症例に対応可能

それぞれのメリット・デメリットについては、次項で詳しく解説します。

 

 

アライナー矯正(マウスピース矯正)のメリット

 

アライナー矯正(マウスピース矯正)の大きなメリットとして装置が目立ちにくいことが挙げられます。

人前に出る仕事や矯正治療をしていることを周りに気づかれたくないという人でも安心です。

 

衛生的で痛みが比較的少ないことや金属アレルギーの人でも安心して治療できることもメリットです。

取り外しができるアライナー(マウスピース)は、歯みがきをしやすいため虫歯や歯周炎になりにくいでしょう。ワイヤー矯正よりも装着時の痛みや異物感も比較的少ないです。

 

また、装置の材料には金属が含まれていないため、金属アレルギーが心配な人でも安心して矯正治療を進められます。

 

 

アライナー矯正(マウスピース矯正)のデメリット

 

アライナー矯正(マウスピース矯正)の主なデメリットとして自分自身で装着時間を管理しなければならないことが挙げられます。

アライナー(マウスピース)を装着する時間は1日あたり22時間以上が好ましいです。

装着時間が足りないとしっかり歯を動かせないため充分な効果が得られません。

たとえ違和感があっても、必要以上に取り外さないように注意が必要です。

 

また、アライナー矯正(マウスピース矯正)はどんな歯並びでも対応できるわけではありません。

たとえば、抜歯が必要な矯正治療や前歯の重なりが大きすぎる歯並びなどは不得意です。

アライナー矯正(マウスピース矯正)が自分の歯並びに適しているのかを確認する必要があります。

 

 

ワイヤー矯正のメリット

 

基本的にどんな歯並びでも適応できることがワイヤー矯正の大きなメリットです。

マウスピース矯正では適応できない口元を大きく変える治療でも、ワイヤー矯正ならあきらめずに治療を進められる可能性があります。

 

たとえば、抜歯が必要な矯正治療の場合、抜いた歯の部分の隙間を埋めるために歯を大きく移動させることも可能です。

また、マウスピース矯正よりも歯の移動速度がやや早いため治療期間を短縮できる可能性があります。

 

ワイヤー矯正は従来から行われている矯正方法で、多くの症例があるため安心して治療できることもメリットといえるでしょう。

 

 

ワイヤー矯正のデメリット

 

基本的なワイヤー矯正は、歯の表面に矯正ブラケットを装着するためどうしても矯正装置が目立ちます。

装着していることが分からない裏側矯正もありますが表側矯正よりも比較的割高です。

 

また、ワイヤー矯正は、一本一本の歯にブラケットを装着するためブラケットと歯の隙間などに食べカスが詰まりやすく歯をみがきに時間をかける必要があります。

歯のみがき残しは虫歯になるなど口腔内のトラブルを引き起こす原因となるため注意しましょう。

 

ワイヤー矯正では装置を調整した日から3日間程度は痛みが続くことがあります。その後の痛みは1週間程度で治まります。

 

 

アライナー矯正(マウスピース矯正)の治療の流れ

アライナー矯正の治療の流れ

アライナー矯正(マウスピース矯正)はどのように進められていくのか気になる人もいるでしょう。

治療の内容や流れは矯正歯科やクリニックによって異なります。ここでは、一般的なアライナー矯正(マウスピース矯正)の流れを紹介します。

 

1.初診・歯科矯正相談

 

まずはクリニックに初回カウンセリングの予約をしましょう。

予約はネット上から可能なクリニックが多いです。

クリニックに来院したら歯科医師による初診を受けます。クリニックによっては無料カウンセリングが受けられることもあります。

日本橋はやし矯正歯科では無料のカウンセリング時にCT撮影を行いより詳細な診断行っています。

 

口腔内の診察として歯並びやかみ合わせだけでなく、虫歯や歯周病などの問題がないかも確認していきます。

治療方法や費用の目安、歯についての悩みなど気になることがあれば、初診で相談や確認をしておくと安心です。

 

2.精密検査・分析

 

初診を受けて治療することが決まった後、歯科矯正の治療計画を立てるための口腔内の精密検査と分析を行います。

精密検査の主な内容は、顔写真や口腔内の写真、レントゲン写真の撮影などです。

 

初診時よりもさらに詳しく、口腔内の状態や歯の表面、裏側などさまざまな角度から歯並びをチェックしていきます。

精密検査後は検査結果の分析です。

分析はコンピュータによるデータ解析が行われるケースもあります。

歯並びやあごの形などの問題点を見つけてより適切な治療方法を検討していきます。

日本橋はやし矯正歯科では、患者様ごとの3Dモデルを作成し、歯、歯根、骨の情報から最適な治療計画を提案することが出来ます。

 

3.歯科矯正前診断・治療計画

 

精密検査の分析結果を元に、歯並びの症例に適切な治療方法を選択し治療計画を進めていきます。

 

治療計画に同意するとアライナー矯正(マウスピース矯正)を行うための治療計画が発注されます。

治療計画の発注後にキャンセルをした場合、キャンセル料が発生する場合があるため、発注前にしっかりと確認しておくことが大切です。

 

1カ月程度で治療計画が完成します。

その際に完成した治療計画を確認させてもらうと安心です。

治療計画を確認する場合は再診療などの費用がかかることがあります。

しかし、治療計画を確認しておくことで大まかな治療の流れが把握できるため治療に向けての心構えができるでしょう。

 

日本橋はやし矯正歯科では最新のSureSmile Aligner(シュアスマイル・アライナー)と呼ばれるマウスピース矯正システムを用いた治療を行っております。

治療計画の見える化を行い、ゴールを患者様と共有することで安心して治療を受けていただくことが出来ます。

 

4.アライナー(マウスピース)の発注・治療開始

 

治療計画の完成後にアライナー(マウスピース)の発注をします。アライナー(マウスピース)は3-4週間程度でクリニックに届きます。

アライナー(マウスピース)がクリニックに届いたら治療を開始していきます。

 

まずは、動的治療と呼ばれる歯を動かすための治療を行い、歯並びや咬み合わせの改善をしていきます。

1〜2カ月毎に歯科医院やクリニックに通院して歯の動きや矯正装置が適合するかなどの確認を行います。

症例にもよりますが、約1〜2年程度の通院期間を経て治療を行うケースが一般的です。

 

5.保定・メンテナンス

 

歯を動かして歯並びや咬み合わせを改善できたら矯正装置を取り外し、保定やメンテナンスを行います。

アライナー(マウスピース)で理想的な位置に歯を動かしても、何もしないままだと歯が自然に治療前の位置に戻ろうとしてしまいます。

したがって、歯の周りの組織が安定するまで保定装置の装着が必要です。

 

保定装置の装着期間は、初診時の歯並びの症状によって異なりますが、2-3年間程度の保定を行うことが一般的です。

また、保定期間中や保定終了後は3-6カ月毎を目安に歯のメンテナンスを受けるようにしましょう。

 

 

アライナー矯正(マウスピース矯正)での失敗例

 

矯正装置が目立ちにくくメンテナンスもしやすいアライナー矯正ですが失敗例もあります。

 

前述したようにアライナー矯正(マウスピース矯正)には向かない症状があります。

しかし、担当の歯科医師が適応症状の判断を間違えたり、矯正治療の技術や経験が不足していたりした場合、なかなか歯並びがきれいに治らないといった失敗例も少なくありません。

 

理想的な歯並びにならなかった上に治療費の請求をされた、追加の治療費を請求された、多額のキャンセル利用を請求されたというようなリスクも避ける必要があります。

 

そこで、次項でアライナー矯正でのトラブルを避けるための注意点について解説していきます。

 

 

アライナー矯正(マウスピース矯正)での注意点

 

アライナー矯正(マウスピース矯正)に関するトラブルを避けるために注意しておきたいことを解説します。

アライナー矯正(マウスピース矯正)を希望する際は、理想的な歯並びを手に入れるためにも注意点をしっかりと確認しておきましょう。

 

アライナー矯正(マウスピース矯正)で効果が出るか確認する

 

前述したように、アライナー矯正(マウスピース矯正)では歯の移動が大きい症例には適用が難しい場合があります。

具体的には、著しい前突のある前歯や骨格のずれが大きい症例、ねじれた歯を大きく回転させる必要がある症例などには上手く適用できない可能性があります。

 

また、アライナー矯正(マウスピース矯正)で治療を始めたものの、予定した効果が得られない場合はブラケット装置などに切り替えて治療することになるかもしれません。

 

そうならないためにも、アライナー矯正(マウスピース矯正)を行う前に歯科医師による適切な診断を受け、アライナー矯正(マウスピース矯正)でどの程度の効果が期待できるのかなどをしっかりと確認しておく必要があります。

 

治療計画に納得した上で治療に臨む

 

治療を開始してからのトラブルを防ぐためにも、歯科医師に治療計画を共有してもらい、治療費の内訳やキャンセル時の清算方法、治療によって起こり得るリスクなどを確認しておきましょう。

 

治療を受ける際は、治療に関する確認事項に納得をした上で同意しなければなりません。

治療に関する確認事項は、後から見直せるように口頭だけでなく文書化したものを入手しておくと安心です。

 

また、治療期間中に転勤の可能性が考えられる場合、転院した際の医療費の精算方法についても確認しておくといいでしょう。

 

 

アライナー矯正の症例

アライナー矯正(マウスピース矯正)に適応できる治療にはどのようなものがあるのでしょうか。一般的な症例と治療方法を紹介します。

 

①歯のかみ合わせの不具合

 

正常な歯並びでは上の前歯は下の前歯に覆い被さる状態です。

上下の前歯がぶつかり合っており上の前歯が下の前歯に被さっていない症例もアライナー矯正(マウスピース矯正)を行えます。

この場合、正常な歯並びの人よりも奥歯が傷みやすいため、審美面だけでなく歯の健康のためにも矯正治療が必要です。

 

前歯部だけの治療で改善可能なケースは少なく、ほとんどの日本人の症例では全体矯正での治療が推奨されます。

綿密に設計された治療計画を基に治療を行うことで非抜歯治療であれば治療期間は1-1年半ほどです。

 

治療例


 

症例1:歯の噛み合わせの不具合がある治療例

治療前   1年4か月後
左側から見た写真 左側から見た写真

 

25歳女性です。重度の“出っ歯”と“口ゴボ”の改善をご希望され来院されました。
上顎の小臼歯を2本抜歯して治療を行いました。
抜歯したにも関わらず、治療期間は1年4か月と短い期間で治療を終了することができました。suresmileアライナーの効果がとてもよくわかる症例です。

 

●患者さまプロフィール

25歳女性

 

●治療の概要

アライナー矯正(マウスピース矯正)

 

●治療の期間

1年4か月

 

●治療の料金、費用

カウンセリング料:無料
精密検査料:50,000円(税込️/2022年3月現在)
治療費:1,000,000円(税込️/2022年3月現在)


②すきっ歯

 

すきっ歯は、歯と歯の間に隙間ができている歯並びのことです。

医学的には空隙歯列(くうげきしれつ)と言います。

審美的な問題以外にも歯の隙間に食べ物が挟まることで虫歯や歯周病の原因になる、歯の隙間から空気が漏れて発音しにくいなどのデメリットがあります。

 

すきっ歯でも比較的軽度な症状の場合はアライナー矯正(マウスピース矯正)が可能です。

治療期間は1~2年程度が目安となります。

ただし、歯磨きが不完全な状態で装置を着用すると虫歯や歯周病リスクが高まるため、念入りに歯磨きを行う必要があります。

 

 

まとめ

 

アライナー矯正(マウスピース矯正)を考えている方は、必ず自分の歯の症状がアライナー矯正(マウスピース矯正)が適用できるのかを診察してもらうことが大切です。

矯正をしていることが気づかれにくく、表側のワイヤー矯正に比べて目立ちにくいアライナー矯正できれいな歯並びを目指しましょう。

 

日本橋はやし矯正歯科ではデジタル矯正システムを採用しています。

歯の根本やあごの骨を立体的に映像化し、口腔内の状態をより細かく分析した上で丁寧に矯正治療を行います。

歯の矯正治療を考えている方はぜひご相談ください。

 

また、日本橋はやし矯正歯科では最新のSureSmile Aligner(シュアスマイル・アライナー)と呼ばれるマウスピース矯正システムを用いた治療を行っております。

治療計画の見える化を行い、ゴールを患者様と共有することで安心して治療を受けていただくことが出来ます。

歯科矯正で横顔美人

【Eラインを手に入れる!】歯科矯正で横顔美人になれるケースを3つ紹介

横顔に自信がない、横顔美人になりたいと悩みを抱えている方も少なくありません。

中には、横顔美人に近づくための方法を知りたい方もいらっしゃるでしょう。

 

本記事では、横顔美人の代名詞ともいえるEライン(イーラインと読みます)とは何か、自分でEラインを確認する具体的な方法などを解説します。

また、Eラインの条件や理想のEラインになるための治療方法、治療例なども合わせて紹介しているため、理想的なEラインを目指したい人はぜひ参考にしてください。

 

Eライン(イーライン)って何?説明します

 

Eラインって何?
Eライン(esthetic line)とは、人の側貌(横顔)で、鼻の先端と顎の先端を結んだラインを指します。

1950年代にアメリカの矯正医が提唱した概念で、側貌(横顔)の美しさの指標の一つとして次第に知られるようになりました。

理想的なEラインの基準は、日本人と欧米人では異なる部分があります。

 

日本人の場合、欧米人と比較して鼻が低く下顎の先端が後ろにあるため、上唇の位置がEラインからやや後方にあり、下唇はEラインに接するかやや後方にあることが理想的です。

 

欧米人は日本人と異なり、鼻が高く下顎の先が前方にあることが一般的です。

したがって、理想的とされるEラインの基準も、上下の唇がEラインよりも大きく後に位置するケースが多いです。

 

ただし、理想的とするEラインの基準は人によって異なる部分のあるため一般的な基準として参考にしてください。

 

Eライン(イーライン)を確認する方法

 

一般的に見て自分のEラインは整っているのか確かめる方法があります。

Eラインは、人差し指を使って簡単にチェックできるので、次にあげる方法を試してみてください。

具体的な確認方法は、まっすぐ立てた人差し指の先を鼻の先端に付け、指の付け根当たりを顎の先端に当てるだけです。

人差し指でEラインを描いたような状態になります。

 

整ったEラインの目安は、唇が人差し指に触れない、もしくはかすかに触れるかのどちらかです。

唇が人差し指に少し触れる程度が、理想的なEラインとされています。

自分の唇が人差し指にしっかりと付いている場合は、横顔のシルエットがスマートに見えない可能性があります。

また、口元が突出している場合は、正面から見たときの印象にも影響を及ぼしている可能性が高いです。

 

Eラインが整っていると、横顔のシルエットが美しく見え、相手に目鼻立ちがはっきりとした印象を与えます。

整ったEラインになるためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。

 

Eライン(イーライン)の条件

 

整ったEラインの条件として主に以下の3点があげられます。

 

  • 鼻が高い
  • 口元の突出が見られない
  • 顎の後退が見られない

上記の3つの条件を満たした場合に整ったEラインが実現します。次に、バランスが整っている顔の条件も確認しておきましょう。

 

人が美しいと感じる顔はそれぞれの好みや美意識などによって異なります。

しかし、一般的に美しいとされる顔には黄金比と呼ばれる共通の要素があることが分かっています。

 

黄金比とは、美しい顔に共通する顔の縦・横の長さや目・鼻・眉毛の位置、大きさなどの比率のことです。

例えば、顔の縦・横の長さの理想的な比率は1.46:1で、左右の目の間が目の幅と同じ長さになっているなどがあげられます。

万人が美しいと認める顔の持ち主は、黄金比に示される比率を満たしています。

 

一目瞭然!Eライン(イーライン)での違い

 

さて、下の写真を見て美しいと感じられるのは左右どちらの写真でしょうか?

 

Eラインでの違い

 

Eラインでの違い2

 

Eラインでの違い3

 

いずれも、右だと思われた方が多いと思います。左が術前、右が術後の写真です。
左右の写真の違いを分かりやすくするために、鼻の先端から顎(オトガイ)にかけて直線で結んでみたので一目瞭然ですね。

 

  • 左(術前)の写真
    口元が出ている状態で、上下顎前突、バイマキ(bimaxillary protrusion)などともいわれます。今は“口ゴボ”といわれることも多いです。
  • 右(術後)の写真
    矯正治療後。左の術前と比べて、上下唇がこの線上に触れるか、やや内側にある状態になりました。この口元が、Eラインを得られた状態です。

 

 

きれいなEライン(イーライン)ではない主な原因

 

整ったEラインの人がいる一方で、口元が突出しているなどのきれいなEラインではない人がいるのはなぜでしょうか。

本章では、きれいなEラインにならない主な原因をくわしく解説します。

 

口ゴボの場合

 

きれいなEラインにならない原因の一つが口ゴボのケースです。

一般的な口ゴボの特徴は唇が突出している、鼻の下が長く前方に飛び出ているような状態を指します。

 

口ゴボの原因は大きく分けて先天性と後天性の2種類があります。

先天性の口ゴボは遺伝的な影響によるものです。生まれつきの骨格が口ゴボを形成している可能性が高いです。

 

一方で、後天性の口ゴボは顎の発育状態と口呼吸の2つの原因があります。

まず顎の成長が不十分だったり、逆に成長しすぎてしまったりすると口ゴボになりやすいです。

また、子どもの頃から口呼吸し続けることで口の周りにある筋肉が緩んで歯並びが悪くなり、口ゴボの状態になってしまいます。

 

口ゴボを放置すると虫歯や歯周病になりやすくなったり、口臭がきつくなったりするなどのリスクがあります。

 

日本橋はやし矯正歯科の口ゴボの治療例を見る>>

 

 

受け口の場合

 

受け口とは下顎が前方に突き出ている状態を指します。いわゆる下顎前突と呼ばれる症状のことです。

受け口の特徴があると下顎が突出しているのでしゃくれた印象が強くなり、きれいなEラインができないことが多いです。

また、噛み合わせが悪いため、食べ物を噛み切りにくく発音しづらい場合があります。

 

受け口の原因は、生まれつき下顎が大きい、もしくは上顎が小さい、前歯の生え変わりの際に不具合があって噛み合わせが上下逆になる、指しゃぶりや舌で歯を押し付ける癖によるものが考えられます。

 

受け口を放置し続けた場合、下顎の骨が前にずれる、顎関節症を発症する、口が閉じづらくなるなどのリスクが高まります。さらに、噛み合わせの悪さから食べ物を十分に咀嚼して飲み込めないため、消化不良を起こすなど、胃腸への負担が大きくなりやすいです。

 

日本橋はやし矯正歯科の下顎前突(受け口)の治療例を見る>>

 

 

歯科矯正でEライン(イーライン)になれる場合

 

歯科矯正の治療を受けることで整ったEラインに近づける可能性があります。

本章では、具体的にどのようなケースだと歯科矯正が有効なのかを解説します。

歯科矯正を検討する際に役立ててください。基本的に抜歯が必要になる場合が多いと認識して下さい。

 

例①出っ歯によって口元が突出している

 

出っ歯が原因で口元が前方に突出している場合は、歯科矯正が有効です。

出っ歯とは、前歯が前方に突き出ている状態を指します。

前歯が突き出ることで唇が押し出されてしまい、口元が突出しているように見えてしまいます。

 

歯科矯正で治療を受けて前歯の歯並びを整えれば、突出した口元を正常な位置に戻すことも可能です。口元の突出が改善されれば、整ったEラインに近づけることができます。

 

例②歯並びが悪いことで受け口になっている

 

受け口の原因もさまざまありますが、歯並びの悪さが原因の場合は、歯科矯正で改善できます。

例えば、上下の噛み合わせが逆になっているケースでは、歯科矯正で歯並びを整え、下顎の前歯を後方に下げることも可能です。

 

歯科矯正によって下顎の前歯が下がり、噛み合わせが正常な位置に改善できれば、受け口の状態も解消できます。

受け口が改善すれば、理想的なEラインに近づくことができるでしょう。

 

例③歯並びは良いが口ゴボになっている

 

歯並びが整っているものの、口ゴボの状態になっている場合も歯科矯正での改善が可能です。

口ゴボの原因が歯並びではなく、顎全体が前に突出しているケースの場合、歯科矯正が有効です。

 

例えば、小臼歯などを抜歯して空いたスペースを詰める形で前歯を後方に動かす治療を行うことで、口ゴボを改善できます。

また、口ゴボの解消によって横顔のシルエットがすっきりするため、整ったEラインを目指せます。

 

 

抜歯が必要なケース

 

繰り返しになりますが、整ったEラインに近づけるために歯科矯正を受ける場合、抜歯を行わなければ噛み合わせを整えられないケースが比較的多いです。

具体的に、次のようなケースは抜歯が必要です。

 

  • 出っ歯や歯並びの悪さ、受け口の特徴が見られる
  • 顎全体が前方に突出している
  • 歯列を整えるために親知らずを抜く必要がある
  • 口を閉じることができず、常に開いている
  • 歯が大きく、顎に収まりきれていない

上記のいずれかに該当する場合は、抜歯によって歯を後方にずらすためのスペースを確保しなければなりません。

抜歯をした場合、噛み合わせが改善するため、口内などの全身の健康状態にもよい影響を及ぼします。

 

 

抜歯が必要なケースで症状が重度の場合

 

次に、抜歯が必要な場合で、症状が重い場合の治療方法を解説します。

 

アンカースクリューが有効

 

アンカースクリューを歯茎に埋め込み、歯列を後方に下げる治療方法です。

アンカースクリューとは、チタン製のネジのことです。

歯を後ろに効率よくまた大きく動かすことが可能となり、より重度の口ゴボ等の治療に効果的です。

 

アンカースクリューの治療を受けることで、より理想的なE-lineを獲得できる場合が多いので、ぜひ担当医に相談してみてください。

 

 

日本橋はやし矯正歯科でのEライン矯正(イーライン矯正)の治療例

 

日本橋はやし矯正歯科では、整ったEラインに近づけるための歯科矯正を行っています。

ここでは、具体的な治療例を紹介します。

Eライン矯正の治療を検討している方はぜひ参考にしてください。

 

口唇閉鎖不全

 

矯正用インプラント(アンカースクリュー)を併用した治療例です。

インプラントを使った矯正では、先ほどご紹介したアンカースクリューを、歯茎の骨に埋め込み、歯を動かすワイヤーの固定源にします。

インプラント矯正では治療の幅が広がるといったメリットがあります。

 

インプラント矯正のメリットデメリット詳細

 

●治療前

 

上下の唇が前に突出し、顎の後退が強調されています。口腔内では出っ歯が見られました。

口唇閉鎖不全治療前1

 

口唇閉鎖不全治療前2

 

口唇閉鎖不全治療前3

口腔内の左右の丸い金属がアンカースクリューです。

治療期間が長期化しやすい裏側矯正でも、インプラント矯正と組み合わせることで前歯部を効果的に後退させることができます。

 

●治療後

 

口唇閉鎖不全や口ゴボが改善され、すっきりとした横顔になりました。

出っ歯も解消し、歯並びが整いました。

口唇閉鎖不全治療後1

 

口唇閉鎖不全治療後2

 

まとめ

 

歯並びの症状によっては、歯科矯正できれいなEラインを手に入れることが可能です。

整ったEラインになれば横顔美人を目指すことができます。

ただし、歯科矯正の治療方法や抜歯の有無は症例によって異なるため、信頼できる歯科医師に相談し自分に合った治療方法を検討しましょう。

日本橋はやし矯正歯科では、デジタル矯正システムを利用した歯科矯正を行っています。

デンタルローンなどの利用や無料相談も可能です。まずは気軽にお問い合わせください。

出っ歯(上顎前突)になる原因は?治療法を分かりやすく紹介

歯が出ていて唇を閉じにくい、唇が突出していて自分の横顔が好きになれないなど出っ歯で悩んでいる人は少なくありません。

出っ歯は見た目が気になるだけでなく放置しておくと虫歯などのトラブルの原因になる可能性があるため、できるだけ早く改善しておきたいです。

 

本記事では、出っ歯になる原因や治療方法、自力で改善できるのかなどについて解説します。

出っ歯の治療事例も紹介するため、出っ歯で悩んでいる方は治療を進める上での参考にしてください。

 

 

 

出っ歯とは?

 

出っ歯は上顎前突とも呼ばれ、上顎や上の前歯が前に出過ぎている歯並びのことです。唇を閉じると、頤(おとがい)と呼ばれる顎の先端に梅干しのようなシワが出ることもあります。

 

正常な歯並びの場合、横から見ると犬歯から後ろの歯については上下で互い違いに並んでおり、1歯対2歯という咬み合わせになっています。

一方出っ歯の場合、このような咬み合わせから0.5本分のずれが生じ、1歯対1歯となっているのです。

さらに激しい出っ歯ともなれば、歯1本分のずれが起きているケースもあります。

 

出っ歯になる原因は?

 

出っ歯になる原因は遺伝や癖など主に4つあります。人によっては無意識にしている癖もあるのではないでしょうか。ここでは、出っ歯になる主な原因を具体的に紹介します。

 

舌で歯を押す

 

舌で前歯を押し出したり、前歯で舌を噛んだりといった動作を習慣的に行うと、徐々に出っ歯になることがあります。

とはいえ自分では気がつかず、いつの間にか癖になっているケースが多く、他人に指摘してもらえることもなかなかありません。

癖になっていると気付いたら意識して直すことが大切です。

 

指しゃぶりや爪を噛む

 

爪を噛んだり指をしゃぶったりすることで、歯が押されて出っ歯になるケースもあります。

 

子どもの頃からの癖

 

口呼吸など子どもの頃からの癖が原因で出っ歯になることもあります。

口呼吸をすることで、無意識に舌で歯を押してしまったり、唇の力が弱くなることで顎の成長やかみ合わせに影響を与えたりすることが考えられます。

 

遺伝

 

出っ歯は遺伝が原因のケースもあります。

具体的には、上の前歯が前方に位置する状態や、上下の顎のバランスの悪さ(上の顎の骨が成長しすぎたり、下の顎の骨だけ成長が不足していたりすること)などです。

また、上の歯のサイズが大きいことで、結果的に出っ歯になってしまうこともあります。

 

 

出っ歯の主なタイプ

 

出っ歯の主なタイプには、上下顎前突と上顎前突の2種類があります。それぞれについて具体的な症状や治療法などを紹介します。

 

上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)

 

上下顎前突は、上下とも前歯が前面に突き出ている歯並びです。

正常な歯並び同様に上下顎の歯並びに前後的なずれがない咬み合わせが多いですが、犬歯~奥歯の咬み合わせがややずれている場合もあります。

また、歯だけが突き出ているケースだけでなく顎の骨に問題があるケースもあります。

 

上下顎前突では、口が閉じづらい、口元が出ているといった症状が見られます。また、将来的に前歯部分の歯周病にもなりやすいです。

 

主な治療法は、上下左右の小臼歯を合わせて4本を抜き、矯正を行うというものです。

抜歯によってできた隙間を利用し、上下の突き出た前歯を後ろに移動させます。

歯並びのデコボコが小さい場合は前歯を大きく移動させることが可能ですが、その分矯正の治療期間が長くなります。

 

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

 

上顎前突は、犬歯~奥歯の咬み合わせがずれており、上顎の歯列より下顎の歯列が後ろにずれている状態です。

下顎の骨は後にずれている場合もあれば、ずれていないこともあります。

 

上顎前突では、口を閉じづらい、咬む能力が低下するといった症状が見られます。

顎に負担がかかるため、顎関節症を引き起こすこともあり注意が必要です。

また、笑った時に歯茎が見えやすいことから、見た目のコンプレックスなど心理的な問題を抱えてしまうケースもあります。

 

治療法は歯の状態によって異なります。例えば下顎歯列のデコボコが小さく角度が正常な場合は、上顎左右の小臼歯のみ抜いて上顎の歯列に隙間を作り、前歯を後方に動かす矯正を行います。

 

一方、下顎歯列のデコボコや角度が大きく抜歯の必要がある場合は、上下左右の4本の小臼歯を抜き、上顎の前歯と下顎の前歯の両方を後方に動かすための矯正を行います。

 

 

出っ歯の治療事例

 

出っ歯は適切な治療を受けることができれば大きく改善できます。ここでは、前述した上下顎前突と上顎前突それぞれのケースについて、実際の治療事例を紹介します。

 

上下顎前突+叢生(そうせい)

 

横顔では上下の唇が前方に突出し、口元全体が出っ張った感じになっています。

口が閉じにくい「口唇閉鎖不全」の状態なので、無理に閉じようとするとオトガイ部に「しわ」ができてしまっています(「梅干し状の隆起」と呼ばれるものです)。

 

また口元が出っ張っている影響もあり、見た目に顎が引っ込んでいる(一般に「顎なし」と言われる状態です)のが強調されてしまっています。

上下顎前突+叢生の治療前(横顔)

口腔内は、重度の出っ歯と上下の前歯が前に傾いている状態(上下顎前突といいます)が認められました。

上下顎前突+叢生の治療前(歯)

この事例で行った治療は上下4本の歯を抜き、その隙間を活用することで前歯を後ろに下げる方法です。デジタル矯正システムを導入し表側矯正を行う治療法を選択しました。

 

治療内容は下記の通りです。

  • 上左右の第一小臼歯、下顎左右第二小臼歯を抜歯して、可能な限り前歯を後ろに下げる
  • 矯正用のインプラント(ミニスクリュー、アンカースクリューともいいます)を用いて、抜いた隙間を全て使って前歯を後退させる

上記内容で横顔と口元の改善を行うことになりました。

上下顎前突+叢生の治療後(横顔)

上下の前歯を後退させることで口唇閉鎖不全が改善したことで、とてもすっきりとした、審美的な横顔を獲得することができました。

口腔内の写真でも治療前からの改善がご確認いただけます。

上下顎前突+叢生の治療後(歯)

治療期間は2年6か月です。

 

 

上顎前突+叢生(そうせい)

 

上顎前突治療前

治療前は上顎前突の状態で、下顎に叢生が見られました。こちらの事例もデジタル矯正システムを使用しワイヤー矯正での治療を選択しています。

 

まず4本全ての親知らずを抜歯し、上顎の真ん中の骨に矯正用インプラントを埋め込みました。

麻酔から矯正用インプラントの埋め込みが完了するまでは、約15分程度です。

その後、下顎の裏側に装置を装着して上下左右の4番目の歯も抜き、上顎に器具と矯正装置を装着しました。

 

上顎に矯正装置を取りつけてから3カ月経過した時点で、横顔は美しくなり、口元の出っ張りも大きく改善されていきました。

 

上顎前突治療後

 

治療過程の詳細は以下の記事よりご確認いただけます。

 

矯正体験レポート【スタッフB】(1)出っ歯、ガタガタ歯が悩み!

矯正体験レポート【スタッフB】(2)歯列が改善してきました!

 

 

出っ歯は自分で改善できる?

 

alt名:出っ歯は自分で改善できる?
すでに生じている出っ歯を自分で改善することは不可能です。

矯正治療専門クリニック相談してください。しかしながら、矯正治療と並行して行うことで治療効果を高めることが出来るトレーニングがあります。

 

リップトレーニング

 

出っ歯の人が口を閉じると顎の先端部分にある頤(おとがい)に梅干しができることが多いです。

通常は口輪筋という口の周りを一周する筋肉を使用して口を閉じますが、出っ歯の人は唇を閉じる際に頤の筋肉を使うことが原因です。

 

そこで、口輪筋を使うトレーニングを矯正治療と並行して行うことが有効です。

 

口輪筋を使うトレーニングはいくつかありますが、どこでも簡単にできる方法として下記の方法があります。

 

  1. 「うー」と発音し唇を前に出す
  2. 「あー」と発音しながら口角を引き上げる(笑顔を作る)
  3. 1~2を10回程度繰り返す

 

M.F.T.(口腔筋機能療法)

 

重度の口唇閉鎖不全の場合、専門家の指導を受けながらのM.F.T. (口腔筋機能療法)を行うことが有効です。

医療法人社団デジタルデンティストリーのクリニックにはMFTの専門教育を受けた医師が在籍しておりますのでスタッフまでお問い合わせください。

 

M.F.T. (口腔筋機能療法)のトレーニングとして下記の方法があります。

 

  1. 口を大きく開けて「あ」と発音する
  2. 「い」と発音して口を横に大きく広げる
  3. 「う」と発音して口をできるだけすぼめる
  4. 「べ」と発音して舌を大きく下に伸ばす

また、普段から正しい舌の位置を知って意識しておく必要があります。

正しい舌の位置は上の前歯のふくらみの後ろ部分です。

 

 

まとめ

 

上の歯列より下の歯列が前面に出ている出っ歯の原因は、子どもの頃からの習慣や遺伝が主な原因です。

見た目のコンプレックスだけでなく、虫歯や歯周病など他の問題を引き起こす場合もあるため、できるだけ改善しておくことが重要です。

 

日本橋はやし矯正歯科では、デジタル矯正システムを用いた矯正治療によって、精度を高めながらそれぞれの患者様に合わせた最適な治療をデザインできます。

出っ歯や歯並びでお悩みの方はぜひご相談ください。

口唇閉鎖不全(ポカン口)はデメリットがいっぱい?治療方法と事例を紹介

口唇閉鎖不全(ポカン口)はデメリットだらけ?治療法と事例を紹介

いつも口が開いている状態である口唇閉鎖不全(ポカン口)は、放置しておくと口呼吸の習慣が定着するなどして様々なデメリットが生じ、日常生活に支障をきたしかねません。

 

この記事では口唇閉鎖不全になる原因や、放置した場合のリスクについて説明した後、口唇閉鎖不全を改善するための治療方法をご紹介します。既に口唇閉鎖不全だと判明している方はぜひ参考にしてください。

 

 

 

口唇閉鎖不全(ポカン口)とは?

口唇閉鎖不全(ポカン口)とは、その名の通り日常的に口が開いてしまっている状態です。食べたり話したりといった、口の基本的な機能が通常どおりに発達していない状態を言います。

口唇閉鎖不全のチェック項目

口唇閉鎖不全になっているか判断するにあたり、以下のようなチェック項目があります。

  • 咀嚼に問題がある
  • 舌が突出している
  • 食べる量や回数にムラがある
  • 発音障害がある
  • 口唇がしっかり閉じられない
  • 口腔習癖がある
  • 舌小帯に異常がみられる

咀嚼に問題があり、またそれ以外の項目に関して1つでも当てはまっている場合は、口唇閉鎖不全や口腔機能がしっかり発達していない可能性が高いです。

 

 

口唇閉鎖不全の原因

 

口唇閉鎖不全になってしまうのには、以下のような原因があります。

 

口に原因がある場合

 

口の筋肉の発達が不十分なことにより、口唇閉鎖不全に陥るケースが多いです。その他、歯並びが悪かったり、舌小帯が短いために舌の動きが制限されたりといったことも原因となります。また、低位舌(舌の筋肉が十分に発達せず、下側の歯についてしまう)ことも口唇閉鎖不全を引き起こすことがあります。

 

鼻に原因がある場合

 

アレルギー性鼻炎や鼻中隔湾曲症といった鼻の病気が重度な場合でも、口唇閉鎖不全になることがあります。

 

その他に原因がある場合

 

口や鼻以外で、例えば肥満といった原因が挙げられます。
口唇閉鎖不全の原因はさまざまです。

 

 

口唇閉鎖不全のデメリット

 

口唇閉鎖不全のデメリット
口唇閉鎖不全には、様々なデメリットがあります。まず口呼吸になってしまうことから、集中力が低下したり、鼻閉、気道閉塞、いびきなどの症状が発生したりする可能性があります。

また、喉や扁桃周辺が乾燥するため細菌の働きが活発となり、アレルギー疾患が出る場合もあるのです。

さらに口呼吸は鼻呼吸と比べてウイルスを取り込みやすい呼吸法であるため、風邪やインフルエンザにも感染しやすくなります。

 

口唇閉鎖不全は口呼吸の他、食生活の偏りをもたらすこともあります。

その蓄積が将来メタボリックシンドロームといった生活習慣病を引き起こす可能性があります。

 

 

口唇閉鎖不全の放置リスク

 

口唇閉鎖不全を放置していると、梅干状隆起が発現するというリスクがあります。

口元が出ていることを気にして、無理矢理口を閉じようとすることで、オトガイ部(下顎の前面)に膨らみができてしまうというものです。

この梅干状隆起によって、口元が出ている状態がより顕著になり、見た目の問題からコンプレックスを抱えるケースも多いです。

 

また口唇閉鎖不全の放置により、先ほど解説したデメリットが実際に生じる可能性がどんどん高まります。

そうなれば、単に見た目の問題だけで済まされず、あらゆる症状が出ることで日常生活に支障をきたしかねません。

こうしたことから口唇閉鎖不全はいつまでも放置せず、なるべく早期に改善しておくことが望ましいのです。

\口唇閉鎖不全の治療についてはこちら/

 

 

口唇閉鎖不全と口呼吸の関連性

 

口唇閉鎖不全の場合、アレルギー性鼻炎のような鼻の疾患がなく鼻呼吸ができたとしても、口がずっと開いていることから口呼吸になりやすいです。

こうした口唇閉鎖不全と口呼吸の関連性について、研究により以下のようなことがわかっています。( https://www.jstage.jst.go.jp/article/kds/60/1/60_KJ00004719264/_article/-char/ja/)[※]

 

  • 鼻を閉じた状態で口を開ける時、口唇閉鎖不全でない人はオトガイ筋(下顎の前面にある表情筋)がよく働いていたのに対し、口唇閉鎖不全の人は舌周辺の筋肉の働きが弱い

  • 口唇閉鎖不全の人は、鼻を閉じた状態では咀嚼時間が短くなった

  • 鼻を閉じた状態で咀嚼する際、口唇閉鎖不全でない人は口が開いた時に舌周辺の筋肉が最もよく働くのに対し、口唇閉鎖不全の人は口を閉じようとする時にオトガイ筋が最もよく働いた

 

※出典:口唇閉鎖機能と口呼吸の関連性|九州歯科学会雑誌
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kds/60/1/60_KJ00004719264/_article/-char/ja/

 

 

口呼吸になるデメリット

 

口呼吸になると以下のような様々なデメリットが生じてしまいます。

 

口臭の悪化

 

唾液の分泌量が減るため、口の中が乾燥状態となって様々な細菌が増殖します。こうした細菌が原因で、口臭が悪化してしまうのです。

 

風邪やインフルエンザにかかりやすい

 

口呼吸になることで、風邪やインフルエンザの原因となるウイルスが体内に入りやすくなるため、その分発症しやすくなります。

 

扁桃肥大、口腔内の乾燥による疾患の発生

 

喉や扁桃周辺が常に乾燥した状態になることで細菌が増殖し、扁桃肥大が引き起こされたり、アレルギー疾患にかかったりします。

 

噛み合わせの異常

 

口を閉じるための力と舌の圧力との間に不均衡が生じることで、上顎前突や開咬といった噛み合わせの異常が発生する場合があります。

 

 

口唇閉鎖不全の治療方法

 

口唇閉鎖不全やそれに伴う口呼吸を放置してしまうと、様々なデメリットが生じかねません。そのため、早期に口唇閉鎖不全を改善しておくことが重要です。

口唇閉鎖不全の治療方法は、一般的に以下のような手順をとります。

1. 口元が出ている状態を改善するうえで邪魔となっている歯を抜く
2. 抜歯したところのスペースを利用し、前歯を奥に移動させる矯正治療を行う

場合によっては虫歯などない健康な歯を抜かざるを得ない場合もあり、実際に治療を受ける際には精神面での準備が必要です。

 

\日本橋はやし矯正歯科の治療の流れについて/

 

口唇閉鎖不全の治療事例

 

ここでは口唇閉鎖不全の実際の治療事例を紹介します。

唇閉鎖不全の治療前(横顔)
唇閉鎖不全の治療前(正面)

唇閉鎖不全の治療前(歯)

口が閉じにくく、無理に閉じようとするとオトガイ部に“しわ”ができてしまっている状態です。

専門的には上下顎前歯の唇側傾斜により、口唇閉鎖不全の状態になっています。
このような場合は口呼吸を伴っていることが多く、お口の周りの筋肉のバランスが悪くなり、より症状が悪化することが知られています。
矯正治療によって見た目だけではなく、機能的に健康な状態に改善することが必要となります。

この場合、矯正用のインプラント(アンカースクリューともいいます)を用いて、抜いた隙間を全て使って前歯を後退させます。装置は、裏側矯正を選択されました。

 

治療後

 

 

唇閉鎖不全の治療後(正面)

 

唇閉鎖不全の治療後(歯)

 

治療期間は2年3か月でした。

矯正用のインプラント(ミニスクリュー)を用いることにより、上下の前歯を可能な限り後退させることができましたので、比較的短い治療期間でとても良い治療結果を得ることができました。

 

 

\日本橋はやし矯正歯科の料金について/

 

まとめ

 

口唇閉鎖不全(ポカン口)は、口呼吸を引き起こします。口唇閉鎖不全や口呼吸の状態を放置してしまうと、感染症や口臭悪化、生活習慣病など様々なデメリットが生じかねません。

 

口唇閉鎖不全は抜歯や歯列矯正によって治療することができます。

日本橋はやし矯正歯科では最新のデジタル矯正治療で最適な治療方法をご提案しておりますので、是非1度カウンセリングをお受けください。

裏側矯正とは?メリット・デメリット、治療例を解説

裏側矯正で後悔しないために。メリット・デメリットや事例写真を確認しよう!

歯の裏側に矯正装置やワイヤーを装着する裏側矯正は、他人に気付かれにくく、食事後も気にならない画期的な治療法です。

その一方で、高度な技術が求められたり、治療費が高かったりといったハードルの高さもあります。

 

この記事では、裏側矯正のメリット・デメリットについて詳しく解説したのち、実際の治療例についても紹介します。歯並びの改善のため、裏側矯正を検討している方はぜひ参考にしてください。

 

 

裏側矯正とは?

 

「裏側矯正」とはその名の通り、歯の裏側に矯正装置(ブラケット)を装着することで行う矯正方法です。まず矯正を行いたい一つひとつの歯に装置を着けます。そしてそれらの装置に1本のワイヤーを通すことで少しずつ歯に力を加え、歯の位置を移動させます。

通常の歯列矯正は「表側矯正」とも呼ばれ、歯の表側に矯正装置を装着する方法です。裏側矯正と同様、装置に1本のワイヤーを通すことで少しずつ歯を移動させます。

 

裏側矯正について詳しく見る>>

 

 

裏側矯正のメリット

裏側矯正には様々なメリットがあります。

矯正装置やワイヤーを歯の裏側に装着することから、他人に気付かれにくく、普段人と会う機会が多い場合でも安心して行えます。

その他には、虫歯になりにくかったり、食事後も食べ物が矯正装置に詰まることが少なかったりといったメリットもあるのです。

 

ここでは裏側矯正の持つメリットについて、一つひとつ詳しく解説します。

 

まわりに気付かれることなく歯列矯正が可能

 

矯正装置やそこに通すワイヤーは全て歯の裏側に装着されているため、他人に気づかれにくくなっています。

接客業をはじめとして、人と会って話す機会が多い仕事をされている方におすすめの矯正方法なのです。

ただし、治療前の歯並びの状態によっては、下の歯の上側あるいは上の歯の下側に装置が取り付けられている場合があります。

こうした場合、口の中をしっかり見られてしまうと、矯正装置やワイヤーが見える可能性があります。よって、絶対に気付かないわけではありません。

 

虫歯になりにくい

 

裏側矯正の場合、矯正装置やワイヤーが全て歯の裏側にあることから、口が閉じやすくなります。また、唾液による自浄作用が大きく、歯が虫歯菌に侵される可能性が低くなるのです。

 

一方表側矯正の場合、歯の表側、つまり唇とぶつかる箇所に装置が取り付けられています。そのためどうしても口が閉じにくくなり、お口の中が乾燥することがあります。

矯正前の状態と比べて虫歯菌に侵されやすく、歯磨きなどのケアが不十分な場合は虫歯になりやすくなってしまうのです。

 

食事後も気にならない

 

食事後、矯正装置に食べ物がある程度詰まってしまうことは避けられません。

しかし、装置が歯の裏側にあるため目立つことはなく、気にせず食事を楽しむことが可能です。表側矯正の場合、装置に食べ物が詰まるとどうしても目立ちます。

 

また裏側矯正は表側矯正に比べ、取り付けられた装置が口のより奥側に位置することから、食べ物が詰まりにくいのもメリットです。

 

 

裏側矯正のデメリット

 

裏側矯正は良いことばかりでなく、デメリットもあることを押さえておきましょう。

 

まず、裏側矯正は従来の表側矯正と比べて費用がやや高いことが挙げられます。

それだけでなく、治療の初期段階で滑舌に影響が出てしまう場合があったり、表側矯正と比較すると治療期間が長くなる傾向にあったりします。

 

日本橋はやし矯正歯科が行っているデジタル矯正では、裏側と表側の治療期間の差はほとんどありません。ぜひお問い合わせください。

 

ここでは裏側矯正を行う場合のデメリットについて、一つひとつ詳しく解説します。

 

表側矯正に比べて費用が高い

 

歯の裏側は表側と比較して凹凸が大きく、矯正装置を作るのに手間がかかります。

また、実際に装置やワイヤーを取り付ける際の技術的な難易度が高くなるため、表側矯正に比べて費用が高くなります。

 

表側矯正を行う場合の費用は80~100万円程度が相場となりますが、裏側矯正の場合は150万円程度かかってしまうことが多いです。

日本橋はやし矯正歯科の裏側全体矯正は、140万円ほど※(税込み)ですので、比較的価格が抑えられています。

 

※2022年4月現在の金額です

 

滑舌に影響が出やすい

 

裏側矯正では矯正装置を歯の裏側に装着するため、装置が舌に触れやすくなります。そのため装置を取り付けてから慣れるまでの間、滑舌が悪くなる場合があるのです。

 

ただし技術の進歩により装置の改良が進んでいるため、初めて装置を取り付けた際に感じる違和感が軽減されてきています。

最初の数週間は話しにくくとも、その時期を乗り切れば滑舌が良くなってきます。

 

表側矯正に比べて治療期間が長くなる傾向にある

 

従来法の裏側矯正の場合、表側と比べて凹凸の大きいところに装置を取り付けることになります。

個々の歯に合うような装置を作るのに長い時間を要する場合があり、治療の難易度も上がります。

さらにはワイヤーで歯を動かすにあたり、調整にかかる時間も長い傾向にあるのです。

 

ただしクリニックによっては歯科医院専属の技工士がいる場合があり、そうであれば装置の作成に関しては長期間を要しません。

 

また、経験豊富な矯正専門クリニックで治療を行う場合、治療期間が表側矯正とさほど変わらないケースもあります。

裏側矯正の治療経験が豊富であり、最新の技術で行っている日本橋はやし矯正歯科のデジタル矯正は、裏側と表側の治療期間の差はほとんどありません。ぜひお問い合わせください。

 

 

裏側矯正の事例

 

ここで裏側矯正の実際の事例についてご紹介します。

 

治療前   治療後
正面 正面
正面   正面
正面   正面

 

年齢:23歳 来院の理由:歯の凸凹と八重歯の改善を希望され来院されました。       上顎に重度の八重歯があり、また反対咬合と切端咬合の部位も認められます。       全体的に凸凹の程度も強く、重度の叢生を呈していました。

今回は、お客様のご要望で、歯を抜かない治療を行いたいとのことで、3Dシミュレーションを行いました。 治療期間:約1年6か月 治療費:約140万円

裏側矯正のよくある質問

お支払いはカードやローンでも可能ですか?

はい、可能です。各種カードに対応しています。またデンタルローンも取り扱っています。 現金、カード、ローンを組み合わせても大丈夫です。お手持ちのカードにローンの機能が付いているのであればそれをお使い頂けます。


裏側矯正に向いている症状、向いていない症状を教えてください。

裏側矯正はとても治療効果の高い矯正装置で、どのような症状でも裏側矯正で治療可能です。
また裏側矯正は技術的に難しいところがありますが、当院は多くの経験と実績があります。ご安心ください。


裏側矯正中の痛みはどうですか?

従来の方法と比較して、弱い力で効率よく歯を動かすことが可能となっており、痛みも弱くなっています。
また口内炎などの対策もしっかり行っています。


 

 

大人が歯列矯正を行うメリット

大人が歯列矯正を行うメリット

裏側矯正・表側矯正に関わらず、大人が歯列矯正を行うのには以下のようなメリットがあります。

 

  • 見た目の改善
    ガタガタの歯並びが人に見られるとコンプレックスを抱える原因になります。歯列矯正を行うことで歯並びが改善され、人と話すのが億劫でなくなります。
  • 虫歯、歯周病の予防
    歯並びが悪いまま放置してしまうと、歯と歯の間が狭すぎるためいつまでも歯磨きができないケースがあります。
    ここに食べ物が挟まると、虫歯や歯周病の原因となります。歯列矯正は、こうした歯の病気を予防することにもつながるのです。
  • 治療スケジュールが子どもの頃に比べて立てやすい
    子どもの頃は日々体が成長していることから、歯並びもどう変わるか予測しにくいものです。
    しかし大人はそのような心配がなく、治療のスケジュールが立てやすくなります。したがって、費用面や精神面での準備もしやすいのです。

 

まとめ

 

裏側矯正は取り付けられた装置が人に見られにくく、食事の後詰まった食べ物が気になりにくい画期的な矯正方法です。

ただしこうしたメリットの一方で、クリニック選びを間違うと治療期間が長くなったり、治療費が嵩んだりといったデメリットもあります。

また高度な技術が求められる治療法のため、裏側矯正を行っている歯科医院はまだまだ限られています。

 

とはいえ、大人になって歯列矯正を行うのには、見た目の改善や歯の病気の予防など多くのメリットがあります。

歯並びを改善したいと考えている方は、ぜひ裏側矯正も選択肢に入れた上で矯正を検討されてみてはいかがでしょうか。

 

日本トップクラスの治療例を誇る日本橋はやし矯正歯科に、ぜひお問い合わせください。