Category Archives: コラム

サージェリーファースト:重度の開咬と反対咬合の治療例

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

 

当院はすべての矯正治療法を行なっておりますが、中でも力を入れている方法にサージェリーファーストがあります。

 

▼こちらで詳しく説明しています
サージェリーファーストについて | 日本橋はやし矯正歯科

 

サージェリーファーストとは

 

サージェリーファーストは外科手術を伴う方法です。

そのため外科医との連携や特殊な技術が必要なので、どの矯正歯科でも行える治療法ではありません。

だからこそ、サージェリーファーストを必要とするより多くの患者様に治療を受けて頂けるように力を入れております。

 

 

今回も、我々が行っている最新のサージェリーファーストによる外科的矯正治療を受けていただき、とても良い治療結果が得られた症例をご紹介いたします。

これまでも多くのコラムを掲載してきましたのでそちらも併せてご覧になってください。

 

サージェリーファースト:顎の歪み(顔面非対称)の治療例

サージェリーファーストに力を入れています

より進化したサージェリーファースト

サージェリーファースト(SFA)の治療方針の決定方法

サージェリーファーストの優れた治療効果(1)

サージェリーファーストの優れた治療効果(2)

 

 

典型的な下顎前突(受け口)の患者さま

 

この患者さまは、下顎の突出(いわゆる受け口)と前歯がかみ合わない開咬の改善をご希望され来院されました。

治療前の患者さまの横顔です。

受け口と前歯がかみ合わない開咬の患者さまの左ージェリーファースト前の画像

お分り頂けますでしょうか?下顎前突の特徴的な側貌となっています。

 

初診時のお口の中の写真です。

重度の開咬と下顎前突により反対咬合になっている治療前の画像

重度の開咬と下顎前突により反対咬合になっていることが分ります。

 

正面から見たお写真がこちらです。

下顎骨が横に歪んだ顔面非対称の症状の治療前の画像

前歯が閉じておらず、さらに下顎骨が横に歪んだ顔面非対称の症状が認められます。

 

こちらの患者さまの症状は多くが骨格性のものですので、通常の矯正治療だけでは改善が難しく、患者さまにご提案をして、サージェリーファーストで治療することになりました。

 

患者様へのご説明と治療プランの決定

シミュレーションを元に患者様とお話をし、以下の治療プランで進めることになりました。

もちろんリスクや副作用もしっかりご説明して、ご納得頂いた上での治療開始です。

 

  • 診断:骨格性の下顎前突、骨格性の反対咬合、下顎前歯の舌側傾斜、前歯部開咬
  • 治療法:下顎骨の後方移動(下顎枝矢状分割術:サージェリーファースト・アプローチ)
  • 裏側の矯正装置による治療
  • 治療期間:9ヶ月
  • リスク:治療中の虫歯の可能性、術後の口唇付近の知覚麻痺
  • 副作用:治療中の矯正装置による口内炎、治療後の反対咬合の後戻り

 

最初からサージェリーファーストをご存知の方はもちろんほとんどいらっしゃいませんので、治療の流れについては患者様に詳細にご理解いただけるよう十分にご説明し、治療中の些細な疑問もその都度お答えしています。

 

このインフォームド・コンセントが治療においては何より重要だと考えております。

 

 

三次元モデルでの治療計画

 

三次元モデルを用いた外科手術とその後の矯正治療のシミュレーションです。

3Dデジタル矯正のシミュレーションの正面の画像3Dデジタル矯正のシミュレーションの横顔の画像

下顎骨はおおよそ5ミリ後退させながら顔面非対象も改善するように最適な位置を決定します。

デジタル矯正システムはとても正確な治療計画を立てることができるということがお分かりいただけると思います。

 

 

スムーズに治療を進めることができました

 

治療期間は9ヶ月でした。程度を考えますと、外科手術を併用するサージェリーファーストはやはり治療期間がとても短縮されます。

  • 歯の凸凹の改善:4ヶ月
  • 最終的な咬み合せと配列の調整:5ヶ月

 

術後、まずは横顔のお写真です。

サージェリーファーストの術後の横顔の画像

横顔の「下顎が出ている」感じが改善され、とてもお喜び頂けました。

 

お口の中の写真をご覧頂きましょう。

サージェリーファーストの術後の口腔内右側の画像

サージェリーファーストの術後の正面の画像

下顎前突と前歯部の開咬が改善され、とても良い歯並びと咬み合わせを短期間で得ることができました。

 

治療後の患者様の笑顔を拝見し、我々もとても嬉しく思います。

 

サージェリーファーストは、治療期間が短く、術後の入院も必要ない場合が多く、患者さまにとって多くのメリットがある治療法です。

どうぞお気軽にご相談ください。

第2回 日本先進矯正歯科学会学術大会で講演を行います

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林一夫です。

 

今回は、来年の226日に行われる日本先進矯正歯科学会、第2回学術大会の講演を依頼されたことをご報告させていただきます。

 

日本先進矯正歯科学会では、最新の矯正治療を実践している世界の著名なドクターが集い、シンポジウム形式で学術大会を行います。このような会で発表させていただける機会をいただきとても光栄に思います。

 

こちらの写真は、以前韓国で開催された口腔外科学会(Korean Association of Oral and Maxillofacial Surgeons:KAOMS)での特別講演の様子です。

林院長による韓国で開催された口腔外科学会の最後の公演の画像

講演はドクター同士で知識を共有できる貴重な場。

講演や研究は、日々の治療に大きく関わって参りますので、私はとても大切にしています。

 

 

こちらが日本先進矯正歯科学会のウェブサイト内、学術大会のページです。ご興味がある方はぜひご覧いただければと思います。

第2回 日本先進矯正歯科学会学術大会
http://www.a-orthod.jp/meeting/

 

 

下の動画はこちらのページで公開されている、学術大会の紹介動画です。

 

名だたるドクターと共に、私も紹介して頂けているのはとても誇らしいと思い、患者様のために歯科矯正を研究してきて本当に良かったと思います。

 

学術大会については、コラムでもまたレポートさせて頂きます。

楽しみにお待ち頂ければと思います。

AAOの外観と林院長の写真

AAO(アメリカ矯正歯科学会総会)2019参加レポート

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

 

5月3日から4日間の日程で、アメリカのロサンゼルスで行われたAAO(American association of Orthodontics:アメリカ矯正歯科学会)に参加してきましたので、レポートいたします。

 

この写真は、学会会場のエントランスでの1枚です。

AAO(アメリカ矯正歯科学会総会)2019のエントランスでの林院長の写真

多くの先生方がこのボードの前で写真を撮るので、順番待ちをして撮った1枚です。

 

日本橋はやし矯正歯科では最新のデジタル矯正による治療を導入していますが、今回もさらに進化したデジタル技術の最新情報を得ることができ、とても有意義な学会参加となりました。

 

こちらは、長崎大学矯正科  主任教授の吉田教授とともに撮らせて頂きました。

長崎大学矯正科 主任教授の吉田教授と林院長

私が北海道医療大学で准教授として研究活動を行っていたときから大変お世話になった先生です。久しぶりにお会いすることができました。

とても気さくでお話しやすく、研究熱心な吉田教授です。

 

 

この写真はデンツプライ シロナのブースで、元CEOのチャックと。

デンツプライ シロナのブースで、元CEOのチャックと林院長の写真

 

 

そしてマーケティング主任のボブとも記念撮影をしました。

デンツプライ シロナのブースでマーケティング主任のボブと林院長の写真

 

元CEOのチャックは、オーラメトリックス社がデンツプライ シロナの傘下に入り、引継ぎ等の仕事が終わったということで退任されることになりました。

 

日本橋はやし矯正歯科の開院時には、開院に向けた励ましのコメントをいだきました。

こちらのメッセージは今見ても胸が熱くなり、頑張らなくてはという気持ちが新たになります。

開業に寄せられた声 | 日本橋はやし矯正歯科

 

 

長年、デジタル矯正の普及に向けて精力的に仕事をこなされてきたチャックには感謝の気持ちしかありません。

本当にありがとうございました。

 

 

今後は、デンツプライシロナの新たな体制となりますが、より積極的に協力体制を築き、日本におけるデジタル矯正の発展のために努力していきたいと思います。

第2回 suresmile ドクタートレーニング

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

 

今回は3月18日から21日まで、4日間の日程で行われました最新のデジタル矯正システム(suresmileシステム)の新規導入施設のドクタートレーニングについてレポートします。

 

 

日本で導入しやすくなったsuresmileシステム

 

今回で日本のユーザへの4期目の新規導入トレーニング、日本での本格的なトレーニングとしては2回目となりました。

 

▼日本での1回目のトレーニングの様子はこちらのコラムでご紹介しています。
第1回 suresmile ドクタートレーニング

 

 

この以前まではアメリカ本国で行っていたのですが、昨年から日本での開催となり、日本の先生方にもトレーニングを受けて頂きやすくなりました。

 

日本でトレーニングを受けられることで、これからsuresmileシステムはより一層日本で普及していくことと思っています。

 

 

以前のコラムでもお伝えしましたが、suresmileの開発元であるOrametrix社の親会社がデンツプライシロナ社になりました。

 

▼こちらのコラムで説明しています。
AAO(アメリカ矯正歯科学会総会)参加レポート

 

それから今回が初めてのトレーニングとなり、会場は東京のデンツプライシロナの本社セミナールームで行われました。

 

 

真剣な先生方の姿勢は刺激にもなります

 

新しく5施設がsuresmileの認定施設となり、トレーニングを行うこととなりました。

 

写真はセミナーの様子です。先生方はみなさんとても真剣です。

 

第2回 suresmile ドクタートレーニングのセミナー中の画像1 第2回 suresmile ドクタートレーニングのセミナー中の画像2

私は初日からセミナーを担当し、最終日には特別講演も行いました。

 

 

トレーニングは3日間行われ、基本的なシステムの運用方法から実際の臨床応用まで非常に多くのセミナーが用意され、とても充実したトレーニングとなりました。

 

また4日目は、すでに導入済みの先生方を対象としたsuresmile study clubも同じ会場で開催され、4日間デジタル矯正をレクチャーし続けるということになりました。

 

▼suresmile study clubについてのコラムもぜひ併せてご覧下さい。
suresmile study club!!
suresmile study club 第2回目レポート
suresmile study club 第7回目レポート
suresmile study club 第8回目レポート

 

とても疲れましたが、活発な意見交換をすることができ、非常に有意義で楽しい4日間でした。

 

写真は、study club会長の三林先生と私です。

suresmile study club会長の三林先生と林院長の写真

三林先生にもとてもお世話になり、大変感謝しています。ありがとうございます。

 

 

懇親会の時間も有意義です

 

トレーニング後の懇親会の様子です。

suresmile ドクタートレーニング後の懇親会の写真1

suresmile ドクタートレーニング後の懇親会の写真2

 

懇親会の時間はリラックスした雰囲気で様々な意見を聞くことができ、とても勉強になりました。


日頃の患者様の治療と並行しての矯正治療技術の向上の活動は大変ですが、とても重要なことですので、これからもデジタル矯正の発展のため、日本のドクターたちと力をあわせて頑張って行きたいと思います。

ご興味のある先生方はぜひご連絡頂ければ嬉しいです。ともに頑張って参りましょう。

治療期間6ヶ月:上下前歯の凸凹(叢生)のマウスピースによる矯正

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

 

日本橋はやし矯正歯科では、開院当初より「最短6ヶ月の治療期間」で矯正治療が行えることをホームページにてご説明しております。

 

前回は開咬の症例で、部分矯正により6ヶ月で治療が終了した症例をご覧頂きました。

 

▼こちらが前回のコラムです。ぜひお読みください。

 

治療期間6ヶ月:上下前歯の凸凹(叢生)と開咬の矯正治療例

 

今回ご紹介する症例は、マウスピース型矯正装置(インビザライン)での矯正治療で、上記同様6ヶ月で治療を行ったものです。

 

※今回の患者様の事例です。実際の治療は個人差がありますのであくまで参考とお考えください。

 

 

短期間、非抜歯の治療をご希望

 

この患者様のご来院時の状態は、上下顎前歯に比較的大きな凸凹(叢生)が認められ、これを改善することがご希望でした。

 

▼こちらがご来院された頃の写真です。

上下前歯の凸凹(叢生)の術前正面の画像 上下前歯の凸凹(叢生)の術前横からの画像

かなり不揃いになっていて、また上の前歯も出てしまっていることがわかります。

 

そして、この患者様も非抜歯での治療をご希望でした。

 

  • 健康な歯をなるべく抜きたくない
  • 抜歯の際の麻酔に恐怖がある
  • 抜歯した後の不自由さが嫌だ

など、様々な理由で非抜歯での治療をご希望になる患者様は大勢いらっしゃいます。

 

本来は抜歯した方が効率の良い治療であっても、患者様の意志が強ければ、なるべく患者様のお気持ちを尊重しています。

 

※すべてのケースで非抜歯が可能ということではなく、ご希望の歯列に近づけるためには抜歯がどうしても必要な場合もあります。

 

以下が患者様とお話した内容です。

  • 診断:上下顎中等度の叢生、上下顎前歯のわずかな唇側傾斜
  • 治療法:非抜歯、マウスピース型矯正装置による矯正治療(インビザライン)
  • 治療期間:6ヶ月
  • リスク:前歯部のブラックトライアングル、装置による口内炎
  • 副作用:治療中の発音への影響、治療後の凸凹の後戻り

 

非抜歯での治療はやはりディスキング(IPR)が必要なケースが多く、今回もディスキングを行った後にインビザラインを使用する治療を行いました。

 

 

6ヶ月後に治療が完了しました

 

▼こちらが、6ヶ月の治療期間後の写真です。

上下前歯の凸凹(叢生)の6ヶ月治療期間後の術後正面の画像 上下前歯の凸凹(叢生)の6ヶ月治療期間後の術後横からの画像

歯の凸凹、前歯の咬み合わせの状態が改善され、とても綺麗な歯並びになりました。

  • 叢生の改善とIPRによるスペースの閉鎖 4ヶ月
  • 最終的な歯並びとかみ合わせの微調整 2ヶ月

 

 

ブラックトライアングルも最小限に抑えました

 

術前のリスクとして「ブラックトライアングル」の出現がありましたが、最小限に抑えることができました。

▼ブラックトライアングルについてはこちらで説明しています

ブラックトライアングルは、デジタル矯正システムで予測可能に

 

適切な診断と治療方針を基にした矯正治療を行うことで、マウスピース矯正(インビザライン)によりわずか6ヶ月の治療期間でとても効果的な治療が行えることをお分かりいただけたと思います。


今後も、今回の治療例のように医療法の広告ガイドラインに添った適切な形式で、術前術後の症例をご紹介していきたいと思っています。