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金属アレルギーと当院の矯正治療について

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科院長の林 一夫です。
「金属アレルギーですが矯正治療は可能ですか?」というご質問をしばしばお受けいたします。

 

金属アレルギーの方でも矯正治療は行えますが、検査や気をつけることなどについてご説明させていただきます。

 

金属アレルギーで多いアレルゲンについて

 

歯科医療でよく使用されるうち、アレルゲンとなりやすい金属はこちらです。

  • ニッケル
  • コバルト
  • クロム

上記がすべてではなく、稀にチタンなどでもアレルギー反応を起こされる方もいらっしゃいます。これについては後述します。

 

まずはパッチテストを行います

 

金属アレルギーが疑われる場合に行う検査で一般的なのはパッチテストです。
パッチテストについては以下の参考文献をご覧ください。

 

参考文献

 

金属アレルギーについて(概要)

金属アレルギーの一般的な説明です。症状や検査方法について。
https://www.jda.or.jp/park/relation/metalallergy_04.html

 

歯科治療の金属アレルギーについて

 

日本橋はやし矯正歯科の金属アレルギー対策

 

当院では、金属アレルギーの方の矯正治療では、アレルゲンとなりにくい

  • チタン製
  • 金属ではなく、セラミック製

いずれかの矯正装置を使用し矯正治療を行います。

 

一般的な矯正用ワイヤーは、アレルゲンとなりやすいニッケルを含有することが多いですが、当院が使用する高精度カスタムワイヤーはニッケルを含有しないベータチタン製で作製することが可能です。

 

金属アレルギーを考慮しアレルゲン対策を万全に行っておりますのでどうぞご安心ください。

 

金属アレルギーの方の実際の矯正治療例

 

こちらは、金属アレルギーの方が実際に矯正装置をつけた表側矯正の写真です。

金属アレルギーの方が実際に矯正装置をつけた表側矯正の写真

 

材料は

  • ブラケット:セラミック製
  • 臼歯部用チューブ:チタン製
  • ワイヤー:ベータチタン製

を使用しています。

 

この材料の組み合わせは金属アレルギー対策はもちろんですが、透明で目立たないので、見た目を気にされる方にも支持されています。

 

チタンにアレルギー反応がみられる場合

 

非常に少ないですが、ごく稀にチタンをアレルゲンとする金属アレルギーの方がいらっしゃいます。この場合は金属を使わない「マウスピース型矯正装置」を使用することになります。

 

マウスピース矯正装置の写真

 

参考文献

歯科用金属アレルギーの動向(過去 10 年間に広島大学病院歯科でパッチテストを行った患者データの解析)
http://ir.tdc.ac.jp/irucaa/bitstream/10130/2810/1/4_23.pdf

 

症状の出方は患者様により様々です

 

以上、わかりやすく説明させて頂きましたが、金属アレルギーの程度や生活スタイルは患者様それぞれです。

例えば、ピアスやアクセサリーなどに反応することで金属アレルギーと診断された患者様が、矯正装置で必ずアレルギー反応が出るかと言えばそうとも限りません。

ですので、どのように治療を進めるかは、患者様のご意向を第一に、話し合いをもとに決めて参ります。

 

裏側矯正を希望されたケースの例

 

ここでご説明するのは裏側矯正をご希望の患者様。

裏側矯正装置は必ずニッケルを含有しておりますので、金属アレルギーが重度の方には使用できないことがあります。

ですが、こういう患者様のお口の中をよくよく調べますと、虫歯治療の金属の詰め物(ニッケルが含まれる)が既にある場合もあります。

アレルギー症状が出ていない(軽症である)ので、患者様ご自身も気づかないことも実はしばしばあるのです。

 

こういう方の場合は治療の過程で、裏側矯正装置を試験的に着けて、アレルギー反応が出るかを見ていく場合があります。

(もちろんパッチテストと併用します)

 

金属アレルギーは突然発症することがあります

 

ほとんどの金属アレルギーの方は「気がついたら反応するようになった」はずです。

つまり、今日アレルギーが出なくてもある日突然出ることがあるので、気になる方は皮膚科でパッチテストを受けておいて頂ければと思います。


金属アレルギーが気になる、詳しく聞きたいという方はカウンセリングの際にご質問ください。

ハーフリンガル矯正とは?メリット・デメリットや症例を紹介

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科院長、林 一夫です。
今回はハーフリンガル矯正についてご説明します。
ハイブリッド矯正やコンバインド矯正などとも呼ばれたりしますが、ほぼハーフリンガル矯正という呼び方が定着してきました。

 

 

 

 

ハーフリンガル矯正とは?

ハーフリンガル矯正とは?

 

ハーフリンガル矯正は

  • 上顎が裏側矯正
  • 下顎が表側矯正

で行う矯正治療です。

装置が目立つ上の歯のみを裏側矯正にすることにより、治療の費用を抑える他、様々なメリットのある矯正方法です。

 

 

ハーフリンガル矯正のメリット

ハーフリンガル矯正のメリット

 

裏側矯正より費用が安価である

裏側矯正は表側矯正に比べて難易度が高いので、表側矯正よりも費用がかかってしまいます。

目立たない下の歯を表側矯正装置にすることで費用を抑えることができます。

※当院は上下裏側矯正の場合は135万円、ハーフリンガル矯正が115万円と20万円お安くなっています。

\日本橋はやし矯正歯科の料金について/

 

ハーフリンガル矯正は上下裏側矯正よりも治療期間が短い

3Dデジタル矯正で裏側矯正の治療期間は大幅に短縮されましたが、それでも表側矯正に比べるとかかってしまうケースもあります。

ハーフリンガル矯正は下が表側矯正なので上下裏側矯正よりも治療期間が短くて済みます。

 

ハーフリンガル矯正は口の中の違和感が少ない

裏側矯正のデメリットは、治療初期は装置が歯に当たるなどしてどうしても口の中に違和感が出てしまいます。

ハーフリンガル矯正は下が表側矯正ですので、このデメリットがかなり軽減されています。

 

 

ハーフリンガル矯正のよくあるご質問

ハーフリンガル矯正とは?

 

普及してきたとはいえ、まだ一般の方はほとんどご存じない矯正方法ですのでよく頂く質問の回答をこちらに紹介します。

 

Q. ハーフリンガル矯正の滑舌や喋り方はどんな感じでしょうか?

A.上下が裏側矯正の場合よりも滑舌はそんなに気にならないと思います。

なお、矯正装置をつけた直後の2週間程度は喋りづらい感じがある方は多いです(徐々に慣れるので問題はなくなります)。

 

Q.ハーフリンガル矯正に向き不向きはありますか?

A.特に向いているのはお仕事柄人に見られたりお話しされたりする方です。アナウンサーや講師をされている方なども多いです。

症状により不向きというか、上は表側矯正の方が良いという場合などはもちろんあります。カウンセリング時にじっくり話をさせて頂いております。

 

※向き不向きなどについては次のコラムで改めてご説明します

 

 

ハーフリンガル矯正のデメリット

ハーフリンガル矯正とは?

 

ハーフリンガル矯正のデメリットについて請求
デメリットとして請求できる内容を3つほど選定

 

表側矯正を検討している方に対しては費用が高くなる

ハーフリンガル矯正は表側矯正を検討している方にとっては費用が高くなります。ただし、裏側矯正を検討している方にとっては費用が安くなる側面もありますので、全ての方に当てはまるデメリットにはなりません。

 

裏側矯正よりも矯正器具が目立つ

裏側矯正と比べるとハーフリンガル矯正は、下側は表側矯正となりますので矯正器具は目立ってしまいます。ただし、表側矯正を検討していた方にとっては、矯正器具が目立つ上の歯を裏側矯正にできるハーフリンガル矯正はメリットとして捉えられます。

 

ハーフリンガル矯正の患者さまの写真です

 

それでは実際にどのように見えるのか見ていきましょう。

こちらの患者さまは下に表側矯正装置を装着されています。この写真ですと全く見えませんね。

ハーフリンガル矯正中で矯正装置が外から見えないスマイルの画像

大抵の方はこのように、下の唇に隠れてしまいます。

お口の中を見てみますと、しっかりと装置があります。

ハーフリンガル矯正中の口腔内正面の画像

こうやって見せない限りはまずほとんど見えないと思って頂いて大丈夫です。

 

 

どのような歯並びでお悩みですか?手がけた治療事例を見る>>

 

日本橋はやし矯正歯科は3Dデジタル矯正で、裏側矯正もハーフリンガル矯正も精度の高い治療を行っております。

どなたもご安心の上、無料カウンセリングをお受け頂ければと思います。

 

 

ハーフリンガルの治療期間を紹介

ハーフリンガル矯正とは?

 

あくまでも目安ですが、平均的な治療期間は2年程度です(保定期間を除いた場合)。各治療法と期間の違いを比べてみます。

 

歯列矯正の治療期間の目安

 

装置 治療完了までの目安期間
表側矯正 2年~3年
裏側矯正 2年~3年
ハーフリンガル矯正 2年~3年
マウスピース矯正 数ヶ月~2年

ハーフリンガル矯正の治療期間の目安は表側矯正・裏側矯正と違いありません。治療期間は、治療方法の違いではなく個人の歯や口内の状態によって左右されると言われております。

 

 

ハーフリンガル矯正の費用

ハーフリンガル矯正とは?

 

ハーフリンガル矯正にかかる費用は、目安として80万~120万円です。先述したマウスピース矯正も含めた歯列矯正の費用の目安を紹介しましょう。

 

歯列矯正の費用相場

 

装置 治療完了までの目安期間
表側矯正 60万~100万円
裏側矯正 100万~140万円
ハーフリンガル矯正 80万~120万円
マウスピース矯正 70万~120万円
マウスピース矯正(一部) 30~70万円

ハーフリンガル矯正は裏側矯正と比べると費用相場が安いものの、マウスピース矯正や表側矯正と比べると高額な治療法です。矯正歯科で費用に関する相談もしながら、もっとも適した治療法を見つけましょう。

 

 

参考文献(サイト)

ハーフリンガル矯正とは?

 

日本で大きな発展を遂げているハーフリンガル矯正。「見せたくない」という患者さまの心理が技術の進歩につながっています。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjloa1990/1993/4/1993_4_12/_pdf/-char/en

https://ci.nii.ac.jp/naid/10008152402

矯正大国アメリカでは装置が見られることへの抵抗が少ないので非常に少数派です。

https://www.cda-adc.ca/jadc/vol-71/issue-2/99.pdf

大切なお話 -患者さまのQOLについて-

 

 

こんにちは。日本橋はやし矯正歯科院長、林一夫です。

 

突然ですが、矯正治療で一番大切なことはなんでしょうか?

これから治療を受けられる方のほとんどは「治療が終わった後の歯並び」と答えるでしょう。

 

しかしベテランの矯正歯科医は皆「患者さまが総合的に満足される結果」と答えると思います。

 

今回のお話はとても大切なのでみなさまぜひお読みください。

 

QOLと矯正治療のイメージ画像

 

 

理想の治療とは何か?

 

QOLを第一に考えた治療

 

私が矯正歯科医として治療をしてきた経験から、理想の治療とは「患者さまのQOLを考慮した治療」だと申し上げます。
QOL(Quality Of Life、生活の質)という言葉を改めて考えてみましょう。

国立がん研究センターのサイトの説明が分かりやすいので引用します。

治療や療養生活を送る患者さんの肉体的、精神的、社会的、経済的、すべてを含めた生活の質を意味します。

QOLは、このような変化の中で患者さんが自分らしく納得のいく生活の質の維持を目指すという考え方です。治療法を選ぶときには、治療効果だけでなくQOLを保てるかどうかを考慮していくことも大切です。

国立がん研究センター ガン情報サービスより

https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/quality_of_life.html

矯正治療はもちろん歯列を正すことがメインとなりますが、それに伴うことが沢山あります。
それを治療前のカウンセリングで十分に患者さまにご説明をしなければ患者さまが後悔してしまうこともあるのです。

 

QOLに関わるものは?

 

それでは治療結果以外の部分でQOLを下げる可能性がある負担について説明いたします。

  • 身体的な負担
    矯正治療の場合は、抜歯をするのかしないのか、またどの歯を抜歯するのかで、負担の程度が変わります。
    また、サージェリーファーストでは、上下顎骨両方を手術するのか、下顎のみの手術で行うのかで、身体的は負担が大きく変わります。
  • 経済的な負担
    矯正治療費はもちろんのこと、矯正治療でお仕事をお休みすることがあったり矯正治療のために購入するものがあったりなどの経済的な負担です。
    外科手術を伴う場合は手術や入院の費用も含まれます。
  • 社会的な負担
    営業職や接客業など人前でお話するお仕事の方や、司会者やタレントさんなど外貌が重要になるお仕事の方は治療法計画を綿密に立てる必要があります。
    それ以外にも「矯正器具が気になってお仕事や学業に集中できない」「お友達の視線が気になる」「矯正中だということを知られたくない」など様々なことが負担となります。
    また矯正期間が長くなればなるほど負担が大きくなる傾向にありますので、当院の3Dデジタル矯正でできるだけ矯正期間を短縮しております。

 

小さな負担でも大きなストレスになる

 

上記に記載したのは負担の中のごく一部。中には些細に思われることもあるでしょう。

しかしご本人にとっては大変な悩みであったり、小さな負担が積もり積もって大きな問題になることもあります。

 

どうか、皆さまに最良の矯正治療を行なって頂くためにも「これぐらいのこと」と思わないでください。

 

 

つい「治療結果」ばかりを求めがち

 

特に矯正治療未経験の患者さまは「より良い治療結果を」求めてしまいがちです。

それは現在悩んでいることをとにかく解消したいとのお思いがありますので仕方がないことです。

しかし問題なのは未熟な矯正歯科医も同様に考えているケースがあることです。

 

QOLの徹底説明の大切さ

 

このような場合は一見「最良の治療結果」で合意したように見えますが、その後に費用面や身体面(痛みなど)、社会面(治療の長期化など)でトラブルが起きることがあります。

 

とても残念ですがこれはQOLについての説明が足りなかったことが大きな原因と言えます。

 

当院ではカウンセリング時に矯正治療中、そして治療後にどのようなことがあるかを徹底的にお話させて頂きます。

正直「ちょっとしつこいかな」と自分でも思うことがありますが、患者さまにご納得をいただけるとホッとするものです。

 

ぜひこの記事をご参考に、矯正治療のカウンセリングに行かれた際は矯正歯科医に様々なことをご質問頂ければと思います。

 

当院はもちろん、これらを大前提に無料カウンセリング時に徹底したご説明を行なっておりますので、ご遠慮なくご連絡ください。

 

QOLと矯正治療2 美しい女性の笑顔の画像

 

これを大切にすることで、みなさまがより素敵な笑顔を獲得できますように。

 

参考文献(サイト)

 

矯正治療を行う上で、口唇とオトガイの形態は、審美性を評価する上で重要であるり、矯正治療を希望する患者の 80%以上は審美性の改善を主訴に来院しています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3863490

https://www.ajodo.org/article/0002-9416(71)90033-9/abstract

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8214784 

サージェリーファースト:顎の歪み(顔面非対称)の治療例

こんにちは、日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

今回は、サージェリーファーストの治療例をご紹介いたします。

 

これまでも何度かサージェリーファーストに関する日本橋はやし矯正歯科での取り組みや実際の治療例をご紹介してきました。

今回は最近、お問い合わせが多くなってきております、正面から見たときのアゴのゆがみ(顔面非対象といいます)の最新の治療例をご紹介させていただければと思います。

 

 

患者様のQOLを優先し、下顎のみ手術しました

 

正面から見たときのアゴのゆがみ(顔面非対象)は、上顎骨と下顎骨どちらにも歪みがある場合が多く、下顎骨のみの外科手術では効果的な改善が行えない場合があります。

その場合、上顎と下顎の両方の骨を手術するのが一般的です。

 

QOLを重視し、下顎だけの手術になりました

 

両顎を手術することは治療結果だけ考えると確かに大きなメリットがあります。

しかし費用面や治療に費やす時間などの患者様のご負担が大きくなります。

 

今回の症例は患者様のご負担を総合的に軽減するため、様々な検査をした結果、下顎骨のみの外科手術で改善可能と考えられました。

 

費用も生活への影響も最低限な日帰り手術

 

上下顎を手術すると多くの場合で5〜6日間の入院が必要になります。

しかし下顎のみですと日帰り手術が可能なことがほとんどなので、生活への影響が最低限で済みます。

もちろん費用・価格面も抑えることができます。

 

このように様々なことが患者様の生活に影響しますので「細やかに考え、ご提案し、ご納得いただく」ことが特にサージェリーファーストのような規模の大きい治療ですと大変重要です。

 

※サージェリーファーストは保険適用外です。保険適用の場合は術前矯正を行うことや治療の流れや用いることのできる装置等が細かく規定され、少しでも逸脱すると適用が認められません。また、審美的な要求が大きな症例も適用外となります。最新の技術も用いることができません。

 

下顎のみの手術にして身体、時間、費用の負担を軽減しました

 

顔の左右対称性の改善を図りながら可能な限り身体的、時間的および経済的な負担を少なくした治療計画提案し、効果的な治療を行うことができました。

 

▼正面のお顔の写真と3Dモデルです。

左右のお顔が非対称の正面の写真

左右のお顔が非対称の3Dデジタル矯正によるシミュレーションの正面の写真

下顎の骨が左にずれていることがお分かりになると思います。

 

 

3Dデジタル矯正で骨まで分析、最善のご提案ができました

 

比較的ゆがみの程度は大きいのですが、上顎の骨のゆがみはそれほどではなく、主に下顎の骨の位置が原因であることがデジタル矯正システムの三次元分析により分かりました。

▼こちらは口腔内の写真です。

正中線がずれている口腔内正面の画像

アゴが歪んでいる方向に歯の真ん中の線(正中線といいます)がずれていることが分ります。

 

 

治療後のシミュレーションと実際の写真

 

▼こちらは術後予測です。

3Dデジタル矯正による術後の予測シミュレーション画像

下顎の手術を行った結果のシミュレーションです。

正中線のズレが見た目にわからないぐらいに改善しています。このシミュレーションを元に治療を行います。

 

患者様へのご説明と治療プランの決定

 

シミュレーションを元に、患者様とお話をしご納得頂いたのは、以下の治療プランとなりました。

リスクや副作用もしっかりお話しています。

  • 診断:下顎骨の左側変位による顔面非対称
  • 治療法:下顎骨の後方移動を伴う非変位側への回転移動
  • 裏側の矯正装置による治療(サージェリーファースト・アプローチ)
  • 治療期間:1年
  • リスク:下口唇の知覚麻痺
  • 副作用:治療中の矯正装置による口内炎、治療後の後戻り

 

サージェリーファーストは治療期間が短縮できます

 

サージェリーファーストは治療期間が長引くと思われがちです。それは「手術をする」ことから喚起されるイメージですが、実際はそうではありません。

顎の骨を手術するので、矯正治療そのものは比較的短期間で済むことが多いです。

▼治療後の実際の写真です。

サージェリーファーストの治療後、顔面非対称が改善して左右対象になった画像

計画通りに治療を行うことができ、顔面非対象が改善されました。下顎のみの外科手術であったため、入院も必要ありませんでした。

 

▼治療後の口腔内の写真です。

サージェリーファーストの術後、正中線も揃っている画像

ずれていた正中線もぴったりと合っています。

 

患者様と密にコミュニケーションをした治療結果です

 

顔面非対象の治療でも治療目標の設定を適切に検討することにより、より負担の少ない治療を行うという選択肢を患者さまに提案することができました。

また治療期間も非常に短く、今回の治療結果には大変満足していただくことができました。


サージェリーファーストは治療可能な医院が限られているため、ホームページなどで公開されている治療例もあまりないので、当院ではできるだけこの治療例を公開して参りたいと思います。

重度な矯正治療が必要な方は、ぜひ当院の無料カウンセリングをお受けください。患者様のご希望を細かくお聞きし、丁寧な治療方法のご提案をさせて頂きます。

 

 

参考文献(サイト)

 

3Dモデルを顔面非対称の外科的矯正治療に応用した場合の有効性に関する論文

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17169742

サージェリーファースト

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20552809

https://sugawara.me/surgery-first/

デジタル矯正

https://www.suresmile.com/en-us/

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25726405

スマイルラインと矯正歯科治療 歯の位置の整え

スマイルラインを基準にした矯正治療

2017年1月18日公開/2020年3月21日更新

 

日本橋はやし矯正歯科 院長の林 一夫です。

 

みなさま「スマイルライン」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。今回の記事では、このスマイルラインという言葉の意味について、実際の歯科矯正治療例と併せてご説明いたします。

 

スマイルラインの意味は?

 

スマイルラインの意味は「笑顔のときの下唇のライン」のことで、このラインに沿って上顎の歯をならべると均整の取れた美しい印象になるといわれています。

 

カマボコを逆さにしたものをイメージするとわかりやすいと思います。

歯科矯正で会得できるスマイルラインはかまぼこのような形をしているのイメージ

かまぼこの白い部分が歯で、縁が唇です。笑顔の時に歯の下が下唇にぴったり合っていると美しいとされています。

 

 

「スマイルライン」「笑顔」の関連記事

 

以下は関連記事となります。ご興味のある方は、ぜひこのコラムと併せてご覧ください。

 

 

歯科矯正と「笑顔」の切り離せない関係

 

上記の記事をご覧いただいてもわかるように、歯科矯正治療のほとんどが「笑顔」と切り離せない関係にあります。

 

「歯並びが悪くて人前で笑うのが怖かった」という患者さまは非常に多いですし、実際にそう悩んでいる方も多いと思います。

 

今回は、上記のコラムの中でも触れてきた「スマイルライン」を基準とした矯正治療について、もう少し詳しくご紹介したいと思います。

 

スマイルラインの意味と治療の実際をご覧頂き、あなたがもし笑顔に悩んでいたら、少しでもあなた自身をシミュレーションして頂ければ嬉しいです。

 

 

矯正治療前の患者様のスマイルラインです

 

それでは実際の患者さまの矯正治療をご覧下さい。

 

▼この写真は治療前のものです。

スマイルラインと矯正歯科治療 治療前

 

この患者様のスマイルラインはどうでしょう?

赤い線で、正面から見た口元とスマイルラインを示していますが、上顎の前歯がラインに沿っておらずガタガタになっていることがわかります。

 

日本橋はやし矯正歯科が行っている3Dデジタル矯正では、

  • 顔の写真
  • 3Dモデル(ヴァーチャルペイシェント:仮想患者)

を正確に重ね合わせることができますので、そのモデルを基準に歯の移動を計画します。

 

 

スマイルラインの3Dシミュレーション

 

▼この写真は、顔の写真と3Dモデルを重ね合わせたものです。

スマイルラインと矯正歯スマイルラインと矯正歯科治療 骨格シミュレーション科治療 骨格

 

非常に高い精度で重ね合わされていることが分かります。

 

次に、歯の部分の写真をくりぬき、代わりに3Dモデルに置き換えてみます。

 

 

▼置き換えると、このようになります。

スマイルラインと矯正歯科治療 歯の置き換え

 

赤の線で示したように歯の先端がスマイルラインに沿っておらず、ガタガタになっていることが良く分かりますね。

 

そして、ここからスマイルラインを基準に、3Dシミュレーションで歯の位置を整えていきます。

 

 

▼整え終わったとの歯並びです。

スマイルラインと矯正歯科治療 歯の位置の整え

 

前歯のラインが、スマイルラインを基準に並んでいることがわかると思います。

 

 

▼赤い線を取ってみましょう。

スマイルラインと矯正歯科治療 スマイルラインを手に入れた

 

綺麗に並びましたね!このように、審美的な要求にも、可能な限り応える治療を行うことが可能となりました。

 

 

歯科矯正は患者さまとともに笑顔を作る作業です

 

新しいデジタル矯正治療では、このバーチャルペイシェントのシミュレーションの内容を実際に患者様と一緒に確認します。

 

それにより、患者様もご自分の歯がどのように移動し、最終的にどのような歯並びになるのかを把握することができます。

 

このように共通の治療目標を共有し、よりよい信頼関係を築きながら治療を進めていくことができるのも、デジタル矯正システムの大きなメリットであると考えています。

 

参考文献(サイト)

 

バランスのとれたスマイルとは(学術論文)

https://www.jco-online.com/archive/2005/03/155-overview-the-eight-components-of-a-balanced-smile/

最適な笑顔とは、上唇が歯肉縁に達し、人中と口角の間に上向きまたはまっすぐな湾曲があることが特徴とされています。

 

デジタル矯正

https://www.suresmile.com/en-us/

最新のデジタル矯正では笑顔を基準とした治療計画を可視化できます。